業界再編の動向について

「業界再編の動向」では、経営統合や買収、売却といった業界再編について、(1)株主提案、(2)バイアウト、(3)戦略レビュー、(4)再生という4つの切り口から、各当事者がどのような戦略的な打ち手を検討し、実施しているかについてまとめています。

業界再編は、個社の戦略の結果引き起こされる場合もありますが、一方で、業界構造の変化や特徴、例えば中国のような国策的な外的な要素によって引き起こされる場合もあります。そこで業界構造を分析するために、業界毎の世界シェアを簡易に計算し、市場シェアから市場構造の特徴(寡占なのかフラグメントな市場なのか)を分析しています。

個社の戦略やビジネスモデルというミクロ要因と、業界構造や外部環境といったマクロ要因の両面から業界再編の動向を分析している点も当サイトの特徴と言えます。できるだけ多くの方に、サクッと簡単にひと目で業界構造が俯瞰して頂くために、本質的な情報のみを厳選した上で、かみ砕いた簡潔な表現を心掛けています。世界の競争の中で、日本の会社はこうした位置付けなんだ、海外のプレーヤーはこうした動きをしているんだ、と少しでも頭に引っかかる情報をご提供できれば幸いです。

業界シェア・市場シェア

業界シェア・市場シェアでは、主に売上高と市場規模から、売上高ベースの市場シェアを計算しています。分子と分母の値のとり方によって、市場シェアの数値は異なります。市場シェアの数値には正解はありません。例えば、バイク業界では、インドのバイクメーカーの販売数は欧米勢より上回っていますが、金額ベース(売上高)では、下回っている場合もあります。これは、一台当りの単価について、欧米勢のメーカーの方が(プレミアム戦略の結果)大きく、インド勢は自国内の可処分所得に合わせたマス層向けに低い価格のバイクを売っていることに起因します。こうした金額と数量ベースの市場シェア計算によって導き出された値が持つ相違を理解しつつも、当サイトで金額ベースの市場シェアを算出している背景には、業界の大きなトレンドを掴む上で有益である点、売上高ベースのシェア計算は客観的かつ再現可能な方法であるといった点から、今後の業界再編の端緒を捉えるために非常に有効だと考えています。

株主提案

上場会社の株主(アクティビスト)がリターンをより高めるために、株主提案や経営陣との対話を開始する事例が近時増加しています。アクティビストファンドは、上場会社に対して、不採算事業の売却や資本構成の変更を通じて、増配や自己株式消却といった要請をします。通常こうした対話は非公開で行われる場合もありますが、株主総会での議決権をめぐってプロキシーファイトを有利にすすめるために、公開書簡を双方が開示する場合もあります。アクティビストの要請を却下したケース、要請を承諾したケースが、またこれらの対話が複数年度にまたがる場合など、企業価値に対してどのように影響を及ぼしていったのかについて、個別事例を分析しています。

再生/バイアウト

再生やバイアウトの分野では、会社が追加的な資金調達ができずに破綻してしまい新たなスポンサーが株主となったケースや支配株主が株式の換金化のためにプライベートエクイティに売却する事例をまとめています。プライベートエクイティが買収した会社については、今後の業界の再編候補としてリスト化し、新しい株主のもとで、業界構造を変化させるどのような打ち手を生み出していくのかについて考察を深めています。

戦略レビュー

戦略レビューとは、企業がさらなる成長を模索するために事業構成を積極的に入れ替えを行うことです。欧米企業の場合は、事業の売却が決まった時点でなく、事業の売却の検討を開始した時点で、戦略レビューの公表を行う場合があります。「成長性も乏しく、寡占的な市場構造の要素が高まっている業界で、業界下位にある事業をどのようにすればよいだろうか?」「利益は出ているのでそのまま継続をするか、売却をしてより高い成長やリターンが望める分野に参入するべきではないか?」といった個社が抱える潜在的な課題を、戦略レビューの分析を通じて顕在化させています。

お問い合わせや要望など

追加の事例や業界の分析を希望される場合は、ぜひ「お問い合わせ」のページよりご連絡ください。また、各記事にはコメント欄がありますので、サイトの閲覧者の方のご意見など頂けますと幸いです。