アマゾンの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

アマゾンは1994年に設立されたeコマース運営会社です。書籍のオンライン販売が祖業です。在庫リスクをおい、書籍~家電まで幅広い商品を取り扱います。eコマース以外にも領域を拡大し、クラウドサービス、電子書籍端末、音楽・メディアの配信サービス等も展開しています。
クラウドサービスはAWSで展開しています。低コストのクラウドサービスであることから、AWSとITのアイディアさえあれば、いつでもだれでもどこでもほぼコストゼロでIT起業が可能な環境になったとも言われています。
音楽配信は2007年にサービスを開始しました。アマゾンの有料会員プログラムであるアマゾンプレミアムでも利用できる手軽さが受け、会員数を増加させました。楽曲数を拡充させてAmazonMusic Unimitedも展開しています。

業績推移(年次)

2021年度
売上高は前期比21.7%増の4698億2200万ドルと前年度比増収増益でした。全セグメントで高い伸びを示し、特にサブスクリプションやAWSが好調でした。

2020年度
前年度比増収増益と好調です。eコマースによる物販から音楽やビデオのサブスクリプションやAWSといったデータを取り扱う事業が伸び営業利益率も改善傾向にあります。

アマゾンの業績推移

アマゾンの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比14.70%増の127,101百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-47.96%の2,525百万ドルになりました。営業利益率は2.0%になりました。

2022年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比7.21%増の121,234百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-56.93%の3,317百万ドルになりました。営業利益率は2.7%になりました。

2022年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比7.30%増の116,444百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-58.61%の3,669百万ドルになりました。営業利益率は3.2%になりました。クラウドサービスのAWSは好調でしたが、倉庫の運営費と配送費の増加が重しとなり、前年同期比増収減益になりました。

2021年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比9%増の1374億1200万ドルと増収でしたが、営業利益は前年同期比マイナス50%の減益になりました。人件費や物流コストの上昇が減益の主因です。

2022年第4四半期(7ー9月)
売上高は、前年同期比増収となりました。営業利益は2020年第3四半期の62億ドルに対し、第3四半期は49億ドルに減少しました。労働力の不足、賃金コストの増加、グローバルなサプライチェーンの停滞、運賃と輸送コストの増加など原因です。

アマゾンの四半期業績推移

アマゾンの四半期業績推移

EPS成長(年次)

希薄化後EPSは2017年度以降成長を続けています。

アマゾンのEPSの推移

アマゾンのEPSの推移

EPS成長(四半期)

2022年第3四半期(7ー9月)
希薄化後EPSは前年同期比-9.68%の0.28ドルになりました。

2022年第2四半期(4ー6月)
希薄化後EPSは前年同期比-126.32%の-0.20ドルになりました。

2022年第1四半期(1ー3月)
EVメーカーであるリビアンの株価急落に伴う76億ドルの投資損失もあり、希薄化後EPSは前年同期比-147.85%の-7.56ドルになりました。

アマゾンのEPS(四半期)の推移

アマゾンのEPS(四半期)の推移

事業構成

eコマース、店舗販売、マーケットプレイス、サブスクリプションとAWSが主要事業となります。

アマゾンの売上構成(2021年度)

アマゾンの売上構成(2021年度)

EC・eコマース
アマゾンの配送サービスを使い商品を販売するサービスです。

店舗販売
ホールフーズなどの実店舗での商品の販売を行うサービスです。

マーケットプレイス
第三者がアマゾンのサイトで商品の販売をする事業です。

サブスクリプション
アマゾンプライムなどの有料会員からの収入です。

AWS
サーバー事業です。

主なM&A(合併買収)

アマゾンが展開する事業と補完性のある事業を中心に積極的なM&A戦略をとっています。

1999年 Alexa Internetの買収
2009年 靴のeコマースを展開するZapposを買収
2012年 倉庫内配送システムのKiva Systems(キバシステムズ)を7億7500万ドルで買収
2014年 ゲームの実況中継を行うTwitchを買収
2017年 オーガニック食品販売のホールフーズを買収
2018年 オンライン薬局のPillPackを買収
2018年 ビデオカメラ付きドアベルのリング(Ring)を買収
2019年 メッシュWi-FiルーターのスタートアップのEeroを買収
2021年 映画制作大手のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を買収
2022年 ルンバ(お掃除ロボット)の開発会社であるiRobotを17億ドルで買収
2022年 プライマリーケア(一次医療)サービスを提供するワンメディカルを買収
2022年 ベルギーの物流システム会社クロースターマンズを買収

株主構成

経営の一線からは退きましたが、創業者のジェフベゾス氏が引続き筆頭株主です。

アマゾンの株主構成(直前期末時点)

アマゾンの株主構成(直前期末時点) 出所:マーケットスクリーナー

市場シェア

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