アマゾンの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

アマゾンは1994年に設立されたeコマース運営会社です。書籍のオンライン販売が祖業です。在庫リスクを負い、書籍から家電まで幅広い商品を取り扱います。eコマース以外にも領域を拡大し、クラウドサービス、電子書籍端末、音楽・メディアの配信サービス等も展開しています。クラウドサービスはAWSで展開しています。低コストのクラウドサービスであることから、AWSとITのアイディアさえあれば、いつでもだれでもどこでもほぼコストゼロでIT起業が可能な環境になったとも言われています。音楽配信は2007年にサービスを開始しました。アマゾンの有料会員プログラムであるアマゾンプレミアムでも利用できる手軽さが受け、会員数を増加させました。楽曲数を拡充させてAmazonMusic Unimitedも展開しています。

業績推移(年次)

2019年度
売上高は280,522百万ドルで、前年度比20%増となりました。営業利益は14,541百万ドルになりました。営業利益率は5%になりました。北米売上高は前年比 21% 増加しました。 売上高の増加は主に、マーケットプレイス販売による売上の増加を反映しています。海外売上高は前年比 13% 増加しました。 売上高の増加は主に、マーケットプレイス販売による売上の増加を反映しています。

2020年度
売上高は386,064百万ドルで、前年度比38%増となりました。営業利益は22,899百万ドルになりました。営業利益率は6%になりました。北米売上高は前年比 38% 増加しました。 売上高の増加は主に、マーケットプレイス販売による売上の販売数の増加を反映しています。固定ドルレートでの北米営業利益の前年比増加は主に、マーケットプレイス販売による販売と広告販売数の増加によるものです。

2021年度
売上高は469,822百万ドルで、前年度比22%増となりました。営業利益は24,879百万ドルになりました。営業利益率は5%になりました。北米売上高は前年比 18% 増加しました。 売上高の増加は主に、マーケットプレイス販売による売上や広告売上を含む販売数の増加を反映しています。固定ドルレートでの北米営業利益の前年比減少は、主に輸送費とフルフィルメントコストの増加によるものです。

2022年度
売上高は513,983百万ドルで、前年度比9%増となりました。営業利益は12,248百万ドルになりました。営業利益率は2%になりました。北米売上高は前年比 13% 増加しました。 売上高の増加は主に、マーケットプレイス販売、広告販売、サブスクリプションサービスによる販売数の増加を反映しています。国際売上高は、主に外国為替レートの変動の影響により前年比 8% 減少しましたが、マーケットプレイス販売による売上、広告売上、広告売上高の増加によって部分的に相殺されました。北米営業損失は主に、フルフィルメントネットワーク、輸送コスト、賃金率とインセンティブへの投資の増加によるフルフィルメントコストと輸送コストの増加によるものです。アマゾンウェブサービス(AWS)の固定ドルレートでの営業利益が前年比で増加したのは、減価償却費の削減を含むコスト構造の向上によるものです。

2023年度
売上高は574,785百万ドルで、前年度比12%増となりました。営業利益は36,852百万ドルになりました。営業利益率は6%になりました。北米売上高は前年比 12% 増加しました。 売上高の増加は主に、マーケットプレイス販売、広告販売、サブスクリプションサービスによる販売数の増加を反映しています。海外売上高は前年比 11% 増加しました。 売上高の増加は主に、マーケットプレイス販売、広告販売、サブスクリプション サービスによる販売数の増加を反映しています。 北米営業利益は、前年の営業損失と比較して、主に販売台数の増加と広告売上の増加によるものですが、配送コストとフルフィルメントコストの増加、技術コストとインフラストラクチャコストの増加によって部分的に相殺されました。国際営業損失(絶対ドル)が前年比で減少したのは、主に販売台数の増加と広告売上の増加によるものですが、フルフィルメントコストと配送コストの増加、技術コストとインフラストラクチャコストの増加によって部分的に相殺されました。

アマゾンの業績推移

アマゾンの業績推移

業績推移(四半期)


2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は127,358百万ドルになりました。営業利益は4,774百万ドル、営業利益率は4%になりました。店舗事業は、商品の配達速度を向上させながら、サービスコストの改善を続けています。広告事業は、主に継続的な機械学習への投資により、堅調な成長を続けています。

2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は134,383百万ドルになりました。営業利益は7,681百万ドル、営業利益率は6%になりました。フルフィルメントネットワークのサービスコストを削減し続けると同時に、プライム顧客にこれまで記録した中で最速の配送速度を提供しました。 視聴者ごとにスポットを調整し、消費者向けにインタラクティブなエクスペリエンスを作成できる機能を備えたサーズデイナイトフットボールの強化などの革新を続けているため、広告サービスに対する強い需要も引き続き見られます。

2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は143,083百万ドルになりました。営業利益は11,188百万ドル、営業利益率は8%になりました。店舗事業におけるサービスコストと配送速度がさらに前進し、アマゾンウェブサービス(AWS)の成長が継続して安定し、広告収益が堅調に伸び、全体の営業利益とフリーキャッシュフローが大幅に増加しました。

2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は169,961百万ドルになりました。営業利益は13,209百万ドル、営業利益率は8%になりました。通期の業績において、収益、営業利益、フリーキャッシュフローの大幅な改善を達成しました。米国フルフィルメントネットワークの地域化により、プライム会員への配送速度が史上最速になり、同時にサービスコストも削減されました。

2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は143,313百万ドルになりました。営業利益は15,307百万ドル、営業利益率は11%になりました。アマゾンウェブサービス(AWS)とAI機能を組み合わせることに投資をしており、AWSの成長率が加速しています。店舗事業では、サービスコストを削減しながら品揃えを拡大し、毎日低価格で提供して配送速度を加速することに注力しています。広告活動においては、ストアおよびプライムビデオ事業の成長の恩恵を受け続けています。

アマゾンの四半期業績推移

アマゾンの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移)

希薄化後EPSは前年度比3.17ドル増の2.9ドルになりました。アマゾンは無配当方針の経営です。2020年度に株式数の大きな変更がありました。

アマゾンのEPSの推移

アマゾンのEPSの推移

売上構成

セグメントは、EC、店舗販売、マーケットプレイス、広告、サブスクリプション、AWS、その他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

アマゾンの売上構成(2023年度)

アマゾンの売上構成(2023年度)

EC
アマゾンの配送サービスを使い商品を販売するサービスです。

店舗販売
ホールフーズなどの実店舗での商品の販売を行うサービスです。

マーケットプレイス
第三者がアマゾンのサイトで商品の販売をする事業です。

広告
スポンサー広告、ディスプレイ広告、ビデオ広告などのプログラムを通じて、販売者、ベンダー、出版社、著者などに広告サービスを提供しています。

サブスクリプション
アマゾンプライムなどの有料会員からの収入です。

AWS
サーバー事業です。

M&A情報

アマゾンが展開する事業と補完性のある事業を中心に積極的なM&A戦略をとっています。

1999年 Alexa Internetの買収
2009年 靴のeコマースを展開するZapposを買収
2012年 倉庫内配送システムのKiva Systems(キバシステムズ)を7億7500万ドルで買収
2014年 ゲームの実況中継を行うTwitchを買収
2017年 オーガニック食品販売のホールフーズを買収
2018年 オンライン薬局のPillPackを買収
2018年 ビデオカメラ付きドアベルのリング(Ring)を買収
2019年 メッシュWi-FiルーターのスタートアップのEeroを買収
2022年 映画制作大手のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を買収
2022年 ベルギーの物流システム会社クロースターマンズを買収
2023年 プライマリーケア(一次医療)サービスを提供するワンメディカルを買収
2023年 開発者向けのコマンドラインターミナルエクスペリエンスを強化するツールを提供するFigを買収

株主構成

経営の一線からは退きましたが、創業者のジェフベゾス氏が引続き筆頭株主です。

アマゾンの株主構成(直前期末時点)

アマゾンの株主構成(直前期末時点) 出所:マーケットスクリーナー

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