クラウド経由で仮想サーバーなどを提供するクラウドサービス業界の世界市場シェア・売上高ランキング・市場規模について分析をしています。マイクロソフト、アマゾン、グーグル、IBM、アリババといったの世界大手クラウドサービスのインフラを提供する会社の動向も掲載しております。
【クラウド業界とは】
クラウドサービスとは、データやソフトウェアをネットワーク上で処理・保存・管理するサービスのことです。従来、データはコンピュータ上に保存・利用されていましたが、クラウドサービスの利用によって、異なるデバイス・インターネット接続環境でも同じデータを処理することが可能となりました。また、複数のネットワークデバイスから同時にデータにアクセスできる「共有ストレージ領域」のことをクラウドサービスと指すこともあります。
クラウドサービスには、データ管理にかかる手間や時間、コストを削減できるメリットがあります。そのため、企業が情報を管理する手段として広まっています。
クラウドサービスは一般的に次の3つに分類されます。
・IaaS(Infrastructure as a Service)
…アプリやソフトウェアを構築するハードウェア・インフラ機能の提供を行うサービス(例:Google Compute Engine、Amazon Web Services)
・SaaS(Software as a Service)
…電子メールや書類作成などのソフトウェア機能の提供を行うサービス(例:Slack、SAP Cloud ERP、Slack、Googleドキュメント)
・PaaS(Platform as a Service)
…アプリやソフトウェアを稼働させるプラットフォーム機能の提供を行うサービス(例:Google Cloud Platform、Microsoft Azure)
当データベースでは、市場の垣根が低くなりハイブリッド化が進む状況を踏まえ、これらIaaS・PaaS・SaaSの各領域を牽引する主要企業(計10社)を抽出し、総合的なクラウド市場におけるシェアを分析しています。
さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト
クラウドエンジニア養成読本
エンタープライズシステム クラウド活用の教科書
サーバー業界の市場シェア
SaaS業界の市場シェア・売上高ランキング・市場規模の分析
【クラウドサービス業界の世界市場シェア+ランキング】
クラウドサービス業界の2025年度の各社クラウド関連セグメント売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2025年のクラウドサービス業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はアマゾン、2位はマイクロソフト、3位はアルファベット(グーグル)となります。
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| 順位 | Company name (English) |
企業名(日本語) | 市場シェア |
| 1位 | Amazon.com | アマゾン | 16.48% |
| 2位 | Microsoft Corporation | マイクロソフト | 13.60% |
| 3位 | Alphabet Inc.(Google) | アルファベット(グーグル) | 7.51% |
| 4位 | Oracle Corporation | オラクル | 6.30% |
| 5位 | Broadcom(VMware, Inc. ) | ブロードコム | 3.46% |
| 6位 | SAP SE | SAP | 2.69% |
| 7位 | Alibaba Group Holding Limited | アリババ | 2.08% |
| 8位 | Baidu, Inc. | 百度 | 1.12% |
| 9位 | IBM Corporation | IBM | 0.94% |
| 10位 | Rackspace Technology, Inc. | ラックスペーステクノロジー | 0.34% |
1位のAmazon.com(アマゾン)は、商業用パブリッククラウド「AWS」を展開する業界のパイオニアです。豊富なサービス群と高い信頼性を強みにインフラ領域で首位を独走しています。近年は生成AI基盤「Amazon Bedrock」への投資を加速させており、最先端のAI開発インフラとしても圧倒的な地位を確立しています。
2位のMicrosoft Corporation(マイクロソフト)は、「Microsoft Azure」を擁し、自社のオフィス環境との強い親和性を武器に大企業市場で急成長を遂げています。売上規模では首位のアマゾンに肉薄する勢いです。OpenAI社との強固な連携により、高度なAI機能をクラウドへ統合し、業界のイノベーションを牽引しています。
3位のAlphabet Inc. (Google)(アルファベット)は、検索エンジン等で培った強力なインフラを活かした「Google Cloud」を展開しています。データ分析や機械学習プラットフォーム「Vertex AI」に強みを持ち、テック企業を中心に厚い支持を得ています。3強の一角として、マルチクラウド環境でのデータ統合に注力しています。
4位のOracle Corporation(オラクル)は、強力なデータベース技術を基盤としたインフラ(OCI)と、高性能な業務用ソフトウェアを展開しています。総合クラウド市場では上位に迫る巨頭です。近年は、最も移行難易度が高いとされる大企業の基幹システムのクラウド化や、他社メガクラウドとの相互接続を強力に推進しています。
5位のBroadcom (VMware, Inc.)(ブロードコム)は、買収した仮想化最大手VMwareを中核に、企業が自前でクラウド環境を構築するソフトウェアを展開しています。近年はライセンス体系をサブスクリプションへ完全移行し、驚異的な収益化を達成しました。顧客の選択肢を揺るがしつつも、インフラ市場の勢力図を激変させた注目企業です。
6位のSAP SE(エスエーピー)は、大企業の基幹データを握る世界最大の業務システムベンダーです。自社ソフトのクラウド(SaaS)移行プログラムが絶好調で、売上の大半をクラウドが占める企業への変革を達成しました。将来の売上を保証する契約残高も過去最高を更新しており、抜群の安定感を誇っています。
近年のクラウドサービス市場は、インフラの貸し出しから「AIとソフトウェアを一体化した総合戦」へシフトしています。
アマゾンなどの3強が強力なAI開発基盤で市場を牽引する一方、オラクルやSAPといったアプリケーションの巨頭が基幹システムのSaaS移行を加速させて大躍進しています。さらに、ブロードコム(VMware)に代表されるハイブリッド環境の囲い込みなど、企業のデータと業務効率化を一手に握るベンダーが主導権を握る時代を迎えています。
【クラウドサービス業界の世界市場規模】
当データベースでは、2025年のクラウドサービス業界の市場規模を7,813億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社フォーチュンビジネスインサイツによると、2025年の同業界の市場規模は7,813億ドルです。2034年にかけて年平均15.7%で成長し、規模は2兆9,045億ドルへと拡大することを見込んでいます。
| 年 | 市場規模 | 年平均成長率 |
| 2025 | 7,813億ドル | – |
| 2034 | 2兆9,045億ドル | 15.7% |

【M&Aの動向】
2018年 Microsoftがソフトウェア開発プラットフォーム大手のGitHunを75億ドルで買
2020年 アリババがSun Artの支配権を取得
2020年 百度、JOYYの中国ライブストリーミング事業を買収
2022年 Google(現Alphabet)がセキュリティー大手のMandiantを54億ドルで買収
2022年 Google(現Alphabet)がセキュリティー大手のSiemplifyを買収
2022年 AmazonとiRobot、AmazonがiRobotを買収する契約に署名
2023年 Microsoft、データセンターのイノベーションを加速するためにFungibleの買収
2023年 シスコシステムズ、スプランクを買収
2023年 Broadcom、VMwareを買収
2025年 IBM、Applications Software Technology LLCを買収、Oracleの専門知識を強化して顧客の業務変革を支援
【会社の概要】
AMAZON.COM, INC.(アマゾン)
アマゾンは1994年に設立された世界最大のeコマースおよびテクノロジー企業です。書籍のオンライン販売から始まり、現在ではあらゆる物販からデジタル配信まで網羅しています。
クラウド分野では「AWS」を展開し、低コストかつ高機能なインフラを提供することで、世界のIT起業環境を劇的に変えたパイオニアです。近年は生成AI基盤「Amazon Bedrock」への巨額投資を断行し、最先端のAI開発インフラ領域でも首位を独走しています。有料会員プログラム「Amazonプライム」を通じた各種メディア配信サービスの強化も継続しています。さらに詳しく
Microsoft Corporation(マイクロソフト)
1975年に設立された、世界的なソフトウェアおよびクラウドの巨人です。OS「Windows」や「Microsoft 365(旧Office)」などパソコンに必須のソフトを展開し、買い切り型からクラウド型サブスクリプションへの移行を完全に成功させました。ゲーム分野ではXboxとネットワーク課金に加え、大型買収によりコンテンツを大幅強化しています。
クラウドは「Azure(Intelligent Cloud部門)」を擁し、大企業市場で急成長を遂げています。近年はOpenAI社との強固な提携をもとにAI機能「Copilot」を全製品に統合し、業界を主導しています。さらに詳しく
Alphabet Inc. (アルファベット)
1998年に設立された検索・メディアの超巨大企業であり、Googleの持株会社です。「世界中の情報を整理する」という使命のもと、圧倒的な精度を誇る検索サービスと検索連動広告で世界を席巻しました。
メール、YouTube、Android OSといった強力なエコシステムを基盤に、クラウド分野では「Google Cloud(GCP)」や「Google Workspace」を提供しています。AI分野に強みを持ち、機械学習プラットフォーム「Vertex AI」を核にテック企業やAIスタートアップから熱烈な支持を集めています。データ保護規制やコンテンツ使用料問題などの逆風にも対応を進めています。さらに詳しく
Oracle Corporation(オラクル)
1977年に設立された、企業向けデータベースおよびソフトウェアの世界的大手です。堅牢なデータベース技術を基盤に、近年はパブリッククラウド「OCI(Oracle Cloud Infrastructure)」とクラウドERPなどの高性能なSaaSアプリケーションを強力に推進しています。
企業の最も重要な「基幹システム」のクラウド移行において抜群の存在感を放ち、総合クラウド市場で急浮上しています。他社のメガクラウド(AWSやMicrosoft等)と自社クラウドを直接相互接続する「マルチクラウド連携」戦略が世界中で大成功を収めています。さらに詳しく
Broadcom Inc.(ブロードコム)【VMware, Inc.】
1961年創業の通信・半導体大手を祖業とし、積極的なM&Aで巨大ITインフラソフトウェア企業へと変貌を遂げた米国企業です。2023年末に仮想化ソフトウェア最大手のVMware(VMware, Inc.)の買収を完了し、企業が自前でハイブリッドクラウド環境を構築するための基盤を握りました。近年は従来の永久ライセンスを完全廃止し、統合パッケージ「VMware Cloud Foundation(VCF)」を中心としたサブスクリプション体系へ強硬に移行したことで、収益性を爆発的に向上させ、インフラ市場の勢力図を激変させています。さらに詳しく
SAP SE(エスエーピー)
1972年にドイツで設立された、世界最大のERP(基幹業務システム)ベンダーです。世界中の一流企業の購買・会計・人事といった重要データを一手に握る大巨人です。
近年は「RISE with SAP」という強力な移行プログラムを旗印に、従来のオンプレミス型からクラウド(SaaS)への完全脱皮を急速に進めており、クラウド売上が総売上の過半数を占めるまでに成長しました。将来の売上を保証する「総クラウド契約残高(Backlog)」も過去最高を更新し続けており、ビジネスの安定感と収益性がさらに高まっています。さらに詳しく
Alibaba Group Holding Limited (アリババ、阿里巴巴)
1999年にジャック・マー氏によって設立された中国のeコマース最大手です。C2Cのタオバオ(淘宝網)やB2CのTモール(天猫)を中核に巨大な経済圏を築きました。
クラウド分野では「Alibaba Cloud(Cloud Intelligence Group)」を展開し、アジア圏首位のインフラ事業者として君臨しています。決済分野の「アント・グループ」とは別法人で緊密に連携するほか、エンタメや物流など多角的な子会社の上場・再編を進めています。中国国内でのAI需要の爆発に合わせ、独自の大規模言語モデルを活用したクラウドAIサービスの拡充に注力しています。さらに詳しく
Baidu, Inc.(百度、バイドゥ)
2000年に設立された中国の検索サービス最大手です。中国政府による海外メディア規制を背景に国内市場を独占し、数億人規模の利用者を抱える巨大なインターネットエコシステムを構築しました。
クラウド分野では「百度智能云(バイドゥAIクラウド)」を展開しています。早くからAI研究に巨額を投じており、独自の大規模言語モデル「Ernie」を強みに、AIクラウド市場を牽引しています。動画配信(iQIYI)や対話型AIに加え、自動運転技術(アポロ計画)の社会実装でも世界の最先端を走っています。さらに詳しく
International Business Machines Corporation (アイ・ビー・エム、IBM)
1911年に設立された、世界で最も歴史のある米国本拠のIT大手です。かつて主流だったハードウェア(メインフレーム)製造中心のビジネスから、ソフトウェア、コンサルティング、ITソリューションを軸とする企業へと完全に変貌を遂げました。PC(ThinkPadブランド)やハードディスクなどのハード事業はすべて売却済です。
現在は「Hybrid Cloud(ハイブリッドクラウド)」戦略を中核に掲げ、買収したRed Hatの技術をベースにしたオープンなクラウド環境の構築と、商用AIプラットフォーム「watsonx」による企業向けAI導入支援に注力しています。さらに詳しく
Rackspace Technology, Inc.(ラックスペース)
1998年に設立された、米国に本拠を置くハイブリッド・マルチクラウドおよびAIソリューションのリーディングカンパニーです。かつての自社データセンター型ホスティング事業者から、AWS、Microsoft、Googleといったメガクラウドの導入・運用代行(MSP)や設計を担う総合プロフェッショナル集団へと進化しました。近年は、金融、医療、政府機関など規制の厳しいエンタープライズ顧客向けに「ガバナンスが効いた安全な企業向けAIインフラ」を構築するサービスに注力しており、AMDなどと提携して新たなAI市場を開拓しています。さらに詳しく
