サーバー業界の市場シェアと市場規模について分析をしています。サーバー大手であるデル、HPエンタープライズ、インスパー(浪潮集団)、レノボ、スーパーマイクロ、日立製作所、IBM、オラクルなどの概要も掲載しています。
市場シェア
サーバーメーカーの2021年度の売上高を分子に、後述する市場規模を分母にして、2021年のサーバー業界の市場シェアを簡易に計算すると、1位はデルテクノロジーズとなります。⇒参照したデータの詳細情報
サーバーメーカーの世界シェアと業界ランキング(2021年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | デルテクノロジーズ | 20.9% |
2位 | HPエンタープライズ | 17.5% |
3位 | IBM | 16.6% |
4位 | インスパー(浪潮集団) | 12.0% |
5位 | 日立製作所 | 8.9% |
6位 | レノボ | 8.3% |
7位 | 富士通 | 4.4% |
8位 | スーパーマイクロ | 4.1% |
9位 | オラクル | 3.9% |
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データ通信量の増大という市場規模拡大の追い風を受け、各社ともにシェアの拡大と高付加価値化を目指しています。一方でサーバー自体の性能はコモディティ化が進む中、コスト競争力を持つ中国勢が、米GAFAに対抗する中BATからの旺盛な需要を取り込む形でシェアを拡大させつつあります。
1位はデルテクノロジーズです。2013年の非公開後、サーバー事業強化の一貫でデータストレージ、クラウドコンピューティングとプラットフォーム仮想化のソフトウエアベンダーに強みを持つEMC /VMwarを買収し、ハードウェア+ソフトウェアによる差別化をすることで、首位を維持しています。
2位と3位はHPエンタープライズとIBMです。
4位のインスパーはアリババ集団やテンセント等への販売を大きく伸ばし、レノボを抜きました。5位は日立製作所、6位は中国のレノボ、7位は富士通、8位は米国のスーパーマイクロと、上位陣を米国、中国と日本の企業で分け合っています。
サーバーの市場規模
当データベースでは2021年のサーバー業界の市場規模を857.5億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にした各種調査データは次の通りです。
調査会社のモルドールインテリジェンスによると、2020年の同業界の市場規模は842.2億ドルです。2026年にかけて年平均12%の成長を見込み、同年には1664億ドルへと規模が拡大することを見込みます。
調査会社のグランドビューリサーチによると、2021年と2020年の同市場規模は857.5億ドル、836.6億ドルです。2028年にかけて年平均7.8%の成長を見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報
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サーバー大手の概要
デル
マイケル・デル氏によって設立された米国に本拠をおくITソリューションプロバイダーです。BTO方式に基づく個人向けPCの直販モデルで世界を席巻しました。2013年に投資ファンドのシルバーレイクとMBOを実施しました。2015年にデータストレージや仮想化技術に強みを持つEMC等を買収し、サーバー等のハードウェアとソフトウェアの総合ITベンダーとして2018年に再上場を果たしました。さらに詳しく
ヒューレットパッカードエンタープライズ(HPE)
HPエンタープライズ(ヒューレットパッカードエンタープライズ)は、米国を代表するIT企業です。2015年にサーバー、ネットワーク機器、クラウドコンピューティングに注力するHPエンタープライズ(Hewlett-Packard Enterprise)と個人向けパソコンやプリンターにフォーカスするHPへと会社分割されました。サーバー、スーパーコンピューターやストレージなど法人向けの機器に強みを持っています。ルーターやスイッチのネットワーク機器事業では、2015年にH3Cテクノロジーズの過半数の株式を中国の清華紫光集団に売却し、米中連合での成長戦略を遂行しています。2017年にサービスやソフトウェア事業をDXC Technologyとして分社化しています。さらに詳しく

HPE本社(2022年7月撮影 By ディールラボ)
インスパー(浪潮集団、Inspur)
中国に本拠をおくサーバー大手です。アリババ集団やテンセントのデータセンター向けにサーバーを納入して成長しています。近年はマイクロソフトやインテルと共同でサーバーを開発し、コスト競争力に定評があります。
レノボ(Lenovo)
レノボ(Lenovo)は、1984年に柳伝志(リュウ・チュアンジ)氏が設立した中国を代表するパソコンメーカーです。旧IBMのPC事業(thinkpad)を買収し、一躍有名になりました。日本でもNECや富士通のパソコン事業を買収しています。さらに詳しく
ファーウェイ(Huawei)
1987年に任 正非(Ren Zhengfei、レン・ツェンフェイ)によって設立された中国シンセンに本拠を置く世界最大級の通信機器メーカーです。通信基地向け機器、スマホ、タブレット、ルータ等の分野で存在感を示します。通信基地局では、ノキアやアノキアと並ぶ大手です。スマートフォン(スマホ)業界やタブレット業界でも、アップルやサムスンと並ぶ大手です。通信用の海底ケーブル業界では、アルカテルルーセント、タイコ、NEC、富士通と並ぶ大手の一角を占めています。従業員持株制度を通じて株式を保有する従業員が取締役を選任するガバナンス体制を取っている非上場会社です。さらに詳しく
スーパーマイクロ(Super Micro)
米国に本拠をおく台湾系のサーバー会社です。マザーボード、サーバケース等にも強みを有します。
オラクル
Oracle(オラクル)は、1977年にラリー・エリソン氏によって設立された米国に本拠を置くデータベース管理ソフトウェア世界大手です。2010年にサンマイクロシステムズを買収しハードウェアにも強みを持ちます。オペレーティングシステム(Solaris、Oracle Linux)、Javaアプリケーション開発用のフレームワーク、オラクルクラウド、サーバー等のハードウェアなどを展開しています。さらに詳しく
IBM
IBMは、1911年に設立された世界を代表する米国に本拠を置くIT会社です。ハードウェア主流のメインフレーム事業からソフトウェア・ITソリューション会社へと変貌を遂げています。シンクパット(ThinkPad)ブランドのパソコン、ハードディスク、プリンター事業等は売却しました。現在は、クラウドサービス、ITサービス、コンサルティング、ソフトウェア、ハードウェア、コグニティブ・コンピューティング(AI事業)に注力をしています。さらに詳しく
富士通
富士通は、古河電気工業とシーメンスの合弁会社として設立された現富士電機の電話部門が1935年に分社化されて設立されました。ICT関連のハードウェアからソフトウェアを手掛けていますが、近年はITソリューションサービスへ事業ポートフォリオをシフトしています。ハードウェアではPC&サーバ、メインフレーム・スーパーコンピューター「富岳」(2012年に稼働した「京」の後継機)、ATM、通信ネットワーク機器などを開発製造しています。グループ関連会社には、富士通フロンテック、新光電気工業、FDK、富士通ゼネラルなどが含まれます。さらに詳しく
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