ボルボの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

ボルボグループは、スウェーデンに本拠を置くトラック・建機メーカーです。1928年にトラックメーカーとして設立されて以降、現在もトラックの売上がグループ全体の約60%超を占めるなど、最大の事業部門となっています。

業績推移(年次)

2021年度は、欧米の建設機械需要が高い建設活動やインフラ投資に牽引され好調を維持したことから、売上高は3720億クローネ、営業利益は430億クローネと前年度比増収増益を達成しました。

ボルボの業績推移
ボルボの業績推移

業績推移(四半期)

2022年7-9月
売上高は前年同期比34.79%増の114,917百万SEKになりました。営業利益は前年同期比26.23%増の11,869百万SEKになりました。営業利益率は10.3%になりました。為替安の追い風もあり、トラック販売が好調に推移し、前年同期比増収増益となりました。

2022年4-6月
売上高は前年同期比31.34%増の118,943百万SEKになりました。営業利益は前年同期比20.74%増の13,745百万SEKになりました。営業利益率は11.6%になりました。

2021年10-12月
建機需要は強いものの部材や人件費が高騰したことから、前年同期比増収減益となりました。

ボルボの四半期業績推移

ボルボの四半期業績推移

EPS成長

好調な業績に支えられ、2021年度の希薄化後EPSは増加しました。

ボルボの希薄化後EPSの推移
ボルボの希薄化後EPSの推移

売上構成

ボルボのセグメント別売上構成(2021年度)
ボルボのセグメント別売上構成(2021年度)

トラック事業

日本では、日産から買収した旧日産ディーゼル(現UDトラックス)がボルボグループの主軸となっていますが、2019年に日本のいすゞへ2430億円で売却をしました。
販売台数ベースでは約16.6万台のトラックを年間販売しています。ブランド別ではボルボとルノーブランドのトラックが売れ筋であり、大型トラックに強みを持っています。

ボルボのトラック販売台数推移
ボルボのトラック販売台数推移

ボルボの販売トラック内訳
ボルボの販売トラック内訳

建機事業

建機事業は、全体の売上の約25%を占めており、売上規模では約1兆円となります。ブランドは、ボルボ、SDLG、Terex Trucksの3ブランドで展開をしています。
年間約9万3千台の建機を販売しており、ここでもボルボブランドの建機が最も売れています。地域別の最大の市場は中国となっています。建機1台当たりの価格は、1100万円程度と計算されます。

ボルボの建機販売台数推移
ボルボの建機販売台数推移

バス事業

同社の3本目の柱はバス部門となっています。バスは、ボルボバスという名称で、85ヶ国、1500のディーラー網を通じて世界展開しています。Volvo、Prevost、Nova Bus、UDバス等のバスブランドを保有しています。電動化バスも積極的に推進しています。売上構成比では全体の約8%、約3千700億円弱の規模です。年間約10千台のバスを販売しており、1台約3千万程度の価格であることが計算できます。

ボルボのバス販売台数推移
ボルボのバス販売台数推移

また、ボルボペンタを通じて船外機や産業機器向けのエンジンを販売しております。全体の売上の約3%、約1千億円の売上規模で、年間約3~4万個のエンジンを販売しております。その他には販売金融事業も保有しています。

直近のM&A(合併買収)

1999年 ボルボの乗用車部門のフォードへの売却
2000年 ボルボによるルノートラックスの買収
2007年 日産ディーゼルの子会社化
2007年 インガソルランドからの道路舗装用建機事業の買収
2012年 航空機事業のボルボエアロを英GKNへ売却
2013年 米国建機レンタル会社のBlueline Rentalの売却
2019年 UDトラックスのいすゞへの売却

株主構成

ボルボは上場会社であり、株主構成をみるとインダストリバルデン (Industrivarden AB) が最大議決権保有株主となっています。富裕ファミリーであるLundberg(ルンドベル)一族が大株主でもあるインダストリバルデンは、Investor ABと並ぶスウェーデンの長期投資を行うファンドです。
一方、2位の株主は、中国の吉利(Geely)となっています。

格付けは、投資適格の水準を維持しています。乗用車メーカーのボルボは現在は中国の浙江吉利控股集団(Zheijiang Geely Group Holding)傘下にあります

ボルボの株主構成(直前期末時点)
ボルボの株主構成(直前期末時点) 出所:マーケットスクリーナー

市場シェア

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