日立建機の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

日立建機は、1970年に設立された日本を代表する大手建機メーカーです。日立製作所の上場関連会社でもあります。油圧やミニショベル、ホイールローダー、破砕機、建機向けのアタッチメント、道路機械、マイニング機械やダンプの製造・販売を手掛けています。2016年に豪州の鉱山機器向け消耗品に強みを持つブラッドケンや米国の鉱山機械部品を手掛けるH-Eパーツを買収しました。2023年にはフランスの有力販売代理店コベマット社を買収しました。

業績推移(年次)

2018年度
売上高は前年度比7.77%増の1,033,703百万円になりました。営業利益は前年度比6.85%増の102,296百万円になりました。営業利益率は9.90%になりました。北米・アジア大洋州・欧州で新車販売及び部品サービスを中心とするバリューチェーンの双方で増加したことにより、増益増収となりました。

2019年度
売上高は前年度比-9.90%減の931,347百万円になりました。営業利益は前年度比-28.79%減の72,849百万円になりました。営業利益率は7.82%になりました。新車販売以外のバリューチェーン(新車販売以外の事業である部品サービス、ソリューションビジネス、レンタル等の事業)の強化を進め、収益の拡大を図ってきましたが、世界的に先行き不透明感の広がりにより減収減益となりました。

2020年度
売上高は前年度比-12.67%減の813,331百万円になりました。営業利益は前年度比-61.24%減の28,235百万円になりました。営業利益率は3.47%になりました。油圧ショベルの欧米等の先進国市場での減速が響き前年度比減収減益となりました。

2021年度
売上高は前年度比26.02%増の1,024,961百万円になりました。営業利益は277.51%増の106,590百万円になりました。営業利益率は10.40%になりました。市場環境は中国以外の主要地域において堅調に推移し、米州向けの販売価格決定による調整額、生産稼働率向上による損益改善、為替影響等によって前年度比増収増益になりました。

2022年度
売上高は前年度比24.83%増の1,279,468百万円になりました。営業利益は前年度比25.07%増の133,310百万円になりました。営業利益率は10.42%になりました。油圧ショベルの需要増加やオーバーホール需要、メンテナンス需要が継続し世界市場で堅調に推移しました。その結果、マイニング事業とバリューチェーン事業が過去最高を達成し、増益増収となりました。

日立建機の業績推移

日立建機の業績推移

業績推移(四半期)

2022年第1四半期(4-6月)
売上高は前年同期比17.27%増の267,539百万円になりました。営業利益は82.93%増の21,791百万円になりました。営業利益率は8.14%になりました。

2022年第2四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比26.80%増の311,363百万円になりました。営業利益は18.81%増の31,471百万円になりました。営業利益率は10.11%になりました。資源高で鉱山機械の需要が堅調に推移し、また円安の効果もあいまって、前年同期比増収増益になりました。

2022年第3四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比31.29%増の323,846百万円になりました。営業利益は前年同期比46.68%増の34,152百万円になりました。営業利益率は10.55%になりました。コンストラクション・マイニングの新車販売と重点的に取り組んできたバリューチェーン事業が大きく増加し、為替の円安効果も影響し増益増収となりました。

022年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比23.68%増の376,720百万円になりました。営業利益は前年同期比2.20.%増の45,896百万円になりました。営業利益率は12.18%になりました。グローバルに主要地域での製品、部品販売価格への転嫁を推進し売上収益の増加につながりました。

2023年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比19.61%増の320,006百万円になりました。営業利益は前年同期比75.07%増の38,150百万円になりました。営業利益率は11.92%になりました。これまで注力してきたマイニング事業、バリューチェーン事業が大きく伸長し、為替影響なども加わり増益増収となりました。

日立建機の四半期業績推移

日立建機の四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比7.45%減の330.00円になりました。配当性向は33.33%になりました。

日立建機のEPS・1株配当・配当性向の推移

日立建機のEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

今期の売上高は1,300,000百万円、調整後営業利益は140,000百万円、営業利益率は10.77%を見込みます。1株配当は385.61円です。

2023年第1四半期(4-6月)
売上高の業績予想に対するの進捗率は24.62%です。営業利益の業績予想に対する進捗率は27.25%です。

売上構成

主力は建機です。

日立建機の売上構成(2021年度)

日立建機の売上構成(2022年度)

建機機械ビジネス
ミニショベル、ミニホイールローダ、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、タイヤローラ、振動ローラ、リジッドダンプトラック)、解体・破砕機、金属リサイクル機、環境・リサイクル機、林業機

ソリューションビジネス
ダンプトラック自律走行システム、鉱山運行管理システム、故障予兆システムConSite

M&A情報

建機事業の製品・地域補完や強化を目指した買収を行っています。

2012年 フォークリフト子会社TCMをユニキャリア(現在は三菱重工の子会社)へ売却
2014年 川崎重工から建機子会社を買収
2016年 建機部品メーカーのブラッドケンを買収
2016年 米国の鉱山機械サービスの米H-Eパーツを買収
2021年 ABBと電動ダンプの共同開発
2021年 ジョンディアとの業務提携を解消
2022年 日立製作所が持分の26%を伊藤忠・日本産業パートナーズへ売却
2023年 フランスの有力販売代理店コベマット社を買収

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