日立製作所の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

日立製作所の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

日立製作所は、久原鉱業所日立鉱山付属の修理工場として、1910年に創業された日本を代表する重電メーカーです。IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフを主要領域とします。配電事業、自動車部品、エレベーター事業や鉄道事業は強化する一方で、日立化成、日立金属、日立物流、日立キャピタル、日立建機等を外部へ売却し、選択と集中を進めています。

業績推移(年次)

2021年度
売上高は前年度比17.59%増の10,264,602百万円になりました。営業利益は-9.85%の738,236百万円になりました。営業利益率は7.19%になりました。脱炭素の実現に向け送配電設備などが好調な半面、半導体の供給不足や原材料の高騰が続き、増収減益になりました。

日立製作所の業績推移

日立製作所の業績推移

業績推移(四半期)

2022年第2四半期(7-9月)
売上高は前年同期比15.48%増の2,846,963百万円になりました。営業利益は-14.16%の205,116百万円になりました。営業利益率は7.20%になりました。Lumada事業が好調でした。日立エナジーにかかるのれん代の減損損失や年金での会計上の損失などもあり、前年同期比では増収減益になりました。

2022年第1四半期(4-6月)
売上高は前年同期比8.55%増の2,569,816百万円になりました。営業利益は-28.41%の117,352百万円になりました。営業利益率は4.57%になりました。

2021年第4四半期(1-3月)
売上高は前年同期比6.10%増の2,917,937百万円になりました。営業利益は-15.02%の253,776百万円になりました。営業利益率は8.70%になりました。

2021年第3四半期(10-12月)
Lumada事業がけん引し、前年同期比増収増益を達成しました。

2021年第2四半期(7-9月)
送配電買収のエネルギー・車載事業やITが好調で、増収増益となりました。

日立製作所の四半期業績推移

日立製作所の四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比16.28%増の603.75円になりました。1株当たりの配当は前年度比19.05%増の125.00円になりました。配当性向は20.70%になりました。

日立製作所のEPS・1株配当・配当性向の推移

日立製作所のEPS・1株配当・配当性向の推移

売上構成(セグメント及び製品別)

2020年度は日立化成、日立金属を売却し、IT大手のグローバルロジックを買収しました。
2021年は日立Astemoが誕生し、自動車部品ユニットの割合が大きくなりました。

売上構成(セグメント別)

日立製作所の売上構成(セグメント別、FY2021)

日立製作所の売上構成(セグメント別、FY2021)

売上構成(ビジネスユニット別)

日立製作所の売上構成(FY2021)

日立製作所の売上構成(FY2021)

IT

 

システムインテグレーション、クラウド、制御システム、サーバー等のハードウェア、ATMと幅広い分野をカバーしています。

エネルギー

配電システムを強化しています。原子力、リニューアブル、火力といったプラントのエンジニアリングから発電機器まで手掛けています。

インダストリー

産業用機器(空気圧縮機、ポンプ、自立搬送システム、JRオートメーション、UPS、マーキング、変圧器)、水インフラ関連、制御機器等を手掛けています。次世代のマニュファクチャリング、ロジスティクスをシステムと機器の両面からサポートしています。

モビリティ

エレベーター等のビル関連と鉄道車両事業を手掛けています。

ライフ

医療機器(生化学分析装置、臨床検査用自動分析装置、DNAシーケンサ)、軌道・架線検測装置や、自動車部品組立装置、家電、空調、自動車部品等を手掛けています。

日立ABB
2020年から事業を開始した日立とABBのパワーグリッド機器の合弁会社です。日立がABBから当該事業の持分80%を買収することで誕生しました。直流送電 (HVDC)技術、変圧器や特別高圧製品等に強みを持ちます。

鉄道事業
日立の鉄道システム事業部が鉄道事業を手掛けています。従来は国内向けの車両生産がメインでしたが、近年海外売上の拡大を模索しています。2015年にAnsaldo Brenda(アンサルドブレーダ、現Hitachi Rail S.p.A.) とアンサルドSTS(現Hitachi Rail STS S.p.A.)の買収を発表し、欧州・米州・アジアで鉄道車両と信号のターンキーソリューションプロバイダーとして中国北車+南車陣営、欧米ビッグ3への追い上げを図っています。

エレベーター事業
日立の子会社である1956年に設立された日立ビルシステムが昇降機の製造・販売・保守を担っています。同社は、空調やビルのセキュリティ管理も行っています。2018年に台湾のエレベーター大手である永大機電工業を買収しました。

主要なM&A

2010年 日立情報システムの子会社化
2012年 HDDをウェスタンデジタルへ売却
2014年 火力発電事業を三菱重工と統合
2014年 イタリアの鉄道車両メーカーであるアンサルドを買収
2016年 日立キャピタルの持分の一部を三菱UFJグループに売却
2016年 コンプレッサーのサルエアを買収
2017年 日立物流の持分の一部をSGホールディングスに売却
2017年 日立工機をKKRへ売却
2018年 日立国際電気をKKRへ売却
2019年 日立オートモーティブとケーヒン、ショーワ、日信工業が経営統合し日立アステモが誕生
2019年 火力発電事業持分を三菱重工へ売却
2019年 JRオートメーションを買収
2019年 画像診断機器事業を富士フィルムへ売却
2020年 日立化成を昭和電工へ売却
2020年 ABBから配電システムを買収
2020年 日立ハイテクを子会社化
2020年 日立物流がSGグループとし資本提携を解消
2021年 グローバルロジックを買収
2021年 日立金属をベインキャピタル連合へ売却
2022年 日立建機の持分の一部を伊藤忠と日本産業パートナーズへ売却

市場シェア

戦略レビュー

日立製作所による日立金属の戦略レビュー

日立製作所グループ会社である日立金属が戦略レビューの対象になっているという報道が相次いでいます。日立金属の売却に関する報道や同社の事業構成、商品別の市場シェア、業績推移について分析を開始しました。
市場シェア

送配電機器業界の世界市場シェアの分析

送配電機器業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。日立、シーメンス、GE、東芝といった世界大手送配電メーカーの概要や動向も掲載しています。
市場シェア

コンプレッサー業界の世界市場シェアの分析

コンプレッサー業界の世界シェアや市場規模について分析をしています。アトラスコプコ、GE、シーメンス、荏原製作所、インガソールランド、日立といったコンプレッサー(圧縮機)大手メーカーの動向も掲載しています。
市場シェア

オートメーション業界の市場シェア・売上高ランキング・規模・再編の分析

オートメーション業界の世界市場シェア・売上高ランキング・市場規模・M&A(合併買収)について分析。オートメーション企業大手でもあるシーメンス、ABB、エマソンエレクトリック、三菱電機、シュナイダー、ジョンソンコントロールズ、アズビル等の概要も掲載。
市場シェア

原子力発電機器業界の世界市場シェアの分析

原子力発電機器業界の世界市場シェアや市場規模について分析をしています。フラマトム(旧アレバNP)、GE、日立、ウェスティングハウス、上海電気といった大手原子力発電メーカーの概要や動向も掲載しています。
市場シェア

ATM・キャッシュディスペンサー業界の世界市場シェアの分析

ATM・キャッシュディスペンサー業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。NCR、ディーボールド・ニックスドルフ、GRGバンキングといったATMメーカーの概要や動向も掲載しています。
市場シェア

電動工具業界の世界市場シェアの分析

電動工具業界の世界市場シェア、市場規模や業界再編の情報を掲載しています。スタンレー・ブラック・アンド・デッカー、ボッシュ、マキタ、テクトロニック・インダストリーズ等世界の主要な電動工具メーカーの概略や動向を掲載しています。2017年に投資ファンドのKKRが、フランスのメタボ社を買収した日立工機(現工機ホールディングス)を買収し、また京セラもリョービの電動工具事業を買収し、業界再編が続いています。
市場シェア

エレベーター業界の市場シェア・売上高ランキング・規模・再編の分析

エレベーター業界の世界市場シェア・売上高ランキング・市場規模・M&A(合併買収)について分析をしています。米国のオーチス、スイスのシンドラー、フィンランドのコネ、ドイツのTKエレベーター(旧ティッセンクルップ)が世界4強です
市場シェア

鉄道車両業界の市場シェア・売上高ランキング・規模・再編の分析

鉄道車両業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。中国中車、ボンバルディア 、アルストム 、シーメンス、CAF、シュタッドラー 、日立、川崎重工といった世界大手の鉄道車両会社の一覧も掲載しています。アルストムがボンバルディアの鉄道車両事業を買収するなど業界再編が続きます。
市場シェア

鉄道信号業界の世界市場シェアの分析

鉄道信号業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。中国鉄路通信信号、シーメンス、タレス、日立、アルストムといった大手鉄道信号会社の動向も掲載しています。