日立製作所は、久原鉱業所日立鉱山付属の修理工場として、1910年に創業された日本を代表する重電メーカーです。IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフを主要領域とします。配電事業、自動車部品や鉄道事業は強化する一方で、日立化成、日立金属、日立キャピタル、日立建機等は外部へ売却をする選択と集中を進めています。
日立ABB
2020年から事業を開始した日立とABBのパワーグリッド機器の合弁会社です。日立がABBから当該事業の持分80%を買収することで誕生しました。直流送電 (HVDC)技術、変圧器や特別高圧製品等に強みを持ちます。
鉄道事業
日立の鉄道システム事業部が鉄道事業を手掛けています。従来は国内向けの車両生産がメインでしたが、近年海外売上の拡大を模索しています。2015年にAnsaldo Brenda(アンサルドブレーダ、現Hitachi Rail S.p.A.) とアンサルドSTS(現Hitachi Rail STS S.p.A.)の買収を発表し、欧州・米州・アジアで鉄道車両と信号のターンキーソリューションプロバイダーとして中国北車+南車陣営、欧米ビッグ3への追い上げを図っています。
日立建機
日本を代表する大手建機メーカーです。日立製作所の上場関連会社でもあります。2016年に豪州の鉱山機器向け消耗品に強みを持つブラッドケンを買収しました。
2020年3月期の売上構成(日立化成を除く)
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日立製作所の2019年度の売上構成(日立化成を除く)©ディールラボ
IT
システムインテグレーション、クラウド、制御システム、サーバー等のハードウェア、ATMと幅広い分野をカバーしています。
エネルギー
配電システムを強化しています。プラントのエンジニアリングから発電機器まで手掛けています。
インダストリー
産業用機器、水インフラ関連、制御機器等を手掛けています。
モビリティ
エレベーター等のビル関連と鉄道事業を手掛けています。
ライフ
医療機器、家電、空調、自動車部品等を手掛けています。
主要なM&A
2010年 日立情報システムの子会社化
2012年 HDDをウェスタンデジタルへ売却
2014年 火力発電事業を三菱重工と統合
2014年 イタリアの鉄道車両メーカーであるアンサルドを買収
2016年 日立キャピタルの持分の一部を三菱UFJグループに売却
2016年 コンプレッサーのサルエアを買収
2017年 日立物流の持分の一部をSGホールディングスに売却
2017年 日立工機をKKRへ売却
2018年 日立国際電気をKKRへ売却
2019年 日立オートモーティブとケーヒン、ショーワ、日信工業が経営統合し日立アステモが誕生
2019年 火力発電事業持分を三菱重工へ売却
2020年 日立化成を昭和電工へ売却
2020年 ABBから配電システムを買収
2020年 日立ハイテクを子会社化
2020年 日立物流がSGグループとし資本提携を解消