東芝は、日本を代表する重電メーカーです。重電5社(日立、三菱電機、富士電機、明電舎)の一角です。芝浦製作所と東京電気が経営統合して、東京芝浦電気(現東芝)が1939年に誕生しました。経団連会長を輩出する等日本を代表するメーカーの1社でもあります。2016年のウェスティンハウスの減損問題発覚以降は、事業の再編を行い、ビジネスモデルを大きく転換しています。インフラサービス、インフラシステム、デバイスプロダクトが2020年時点での事業の柱となっています。
業績推移
事業再建中ということもあり2016年度以降売上は減少しています。営業利益率は改善傾向にあります。

東芝の業績推移
同社中期経営計画
2021年11月公表の中計骨子
- 東芝をインフラサービス会社、デバイス会社、上場株式保有会社に3分割。
- インフラサービス会社の事業規模は2020年度ベースで2.1兆円。エネルギー、インフラ、ビル、デジタルソリューション及び電池事業が帰属。
- デバイス会社の事業規模は2020年度ベースで8700億円。パワー半導体、光半導体、HDD事業などが帰属。
- 2022年3月に臨時株主総会での決議後、2023年に上場申請、下旬に上場を予定。スピンオフ基準日に現東芝株主に2つの新会社の株式を分配。
2020年11月公表の中計業績予想
18年度実績 | 19年度実績 | 25年度目標 | |
---|---|---|---|
売上 | 3.7兆円 | 3.4兆円 | 4.0兆円 |
営業利益 | 354億円 | 1305億円 | 4000億円 |
ROE | 1% | マイナス | 12% |
ROIC | マイナス | マイナス | 15% |
セグメントと製品
同社のセグメントは大きく、エネルギーソリューション、インフラシステムソリューション、ビルソリューション、リテール&プリンティングソリューション、デバイス&ストレージソリューション、デジタルソリューションへと区分されます。
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東芝のセグメント別売上構成(2020年度)
各セグメントに含まれる製品は次の通りです。
セグメント | 製品群 |
---|---|
エネルギーシステム | 原子力発電、火力発電、太陽光、水力、地熱 |
インフラシステム | 系統変電、電波システム、鉄道・産業システム、水処理システム |
ビル | 昇降機、照明器具、空調機器等 |
リテール&プリンティング | POSシステム、複合機等 |
デバイス&ストレージ | パワー半導体、産業用ディスクリート、バッテリー、照明、車載モータ、ハードディスク装置、 |
デジタル | ICT、デジタルソリューション等 |
サブセグメント(製品別)の売上構成は以下の通りです。
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東芝の製品別売上構成(2020年度)
東芝テックがPOS端末を手掛けており、国内のPOS端末業界では大手とされています。
エレベーターは、フィンランドのKONE Corporation(コネ)との合弁会社でエレベーター事業を行います。台湾101、上海環球金融、スカイツリー、あべのハルカス等への納入実績があります。国内、中国、インドが主戦場です。
タービンでは、水力発電タービンや蒸気タービンが世界シェアランキングの上位に位置し、強みを持っています。
空調機では旧ユナイテッドテクノロジーズから分社化独立したキャリアとの合弁事業を展開しています。
デバイスプロダクトでは、パワー半導体であるディスクリート、システムLSI、集積回路のHDD、二次電池、精密医療機器が含まれます。半導体・パワー半導体業界や車載カメラ向け画像処理チップ業界でも上位に位置づけています。
HDDは富士通のハードディスク事業を統合し、世界3強の一角です。
東芝の主要なM&A
2004年 超硬工具・タングステン業界大手の東東芝タンガロイを売却
2006年 沸騰水型原子炉 (BWR)大手のウェスティングハウスを買収
2007年 シリコンウエハ業界大手の東芝セラミックスを売却
2007年 東芝EMIを売却
2010年 携帯電話事業を富士通へ売却
2011年 東芝が電気・ガス・水道メーター業界大手のランディスギアを買収
2016年 東芝ライフスタイルを家電・エレクトロニクス・電機業界大手のMidea Group(美的集团)へ売却
2016年 医療機器・ヘルスケア機器業界大手の東芝メディカルシステムをキャノンへ売却
2017年 ウェスティングハウスが経営破綻
2017年 ハイセンスグループ(Hisense、海信集団)にテレビ事業(REGZA)を売却
2018年 パソコン(ダイナブック)事業をシャープへ売却
2018年 東芝メモリを分社化・売却
2018年 テレビ事業をハイセンスへ売却
2021年 投資ファンドのCVCによる買収提案
株価推移
東芝の株価推移
2022年05月26日の前営業日終値までの過去1年間の株価パフォーマンスを、インデックス(MSCIオールカントリー)の同期間のパフォーマンスと比較しています。
為替は現地通貨建(為替調整前)で計算をしております。
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