GEの事業構成と市場シェアの分析

GEとは

GE(ジェネラル・エレクトロニック)は、1878年にトーマス・エジソンによって設立されたエジソン電気照明会社を源流に持つ世界を代表する総合電機メーカーの老舗です。世界シェア1位か2位以外の事業からは撤退するというナンバーワン・ナンバーツー戦略を実施し、積極的な事業ポートフォリオの入れ替えを行うことでも有名です。インダストリアル・インターネットを成長戦略にしたジェフ・イメルト氏が退任した後、2017年に生え抜きのジョン・フラナリー氏が社長に就任したものの、2018年には外部のダナハーからラリー・カルプ氏が招聘され、新CEOとなるなど、経営陣の交代が続きます。

デジタル・インダストリアル・カンパニーを標ぼうして、IoTの今後の動向を見据えた製造業の変革に積極的に取り組んでいます。2017年には下記7つあった事業本部が、2020年には、電力制御、送電やスマートグリッド等の機器の製造や火力・水力・原子力発電所向けのタービン等の機器を取り扱うパワー事業、CTスキャン等の医療用機器の製造を行うヘルスケア事業、航空機エンジン等の製造を行うアビエーション事業、風力や太陽光発電等の機器の製造を行うリニューアブル・エナジー事業、そしてキャピタル事業の5本部体制となっております。

GE事業ポートフォリオ2017年

GE事業ポートフォリオ2017年
出所:同社

ジェットエンジン、エナジーマネジメント、再生エネルギー部門がグループ全体の営業利益の3分の2、売上高の60%近く生み出す稼ぎ頭です。石油やガス関連向けに採掘・生産・パイプライン輸送、化学プラント向けの機器を提供するオイル&ガス事業は、2017年に、イメルト氏の「水より石油」というリーダーシップの下、水処理膜事業や水処理向けのプラントを含む工業用水処理事業のGE Waterをスエズエンバイロメントに売却し、石油サービス大手であるベーカー・ヒューズを買収しています。その後2019年には保有しているベーカー・ヒューズ株式を市場で売却しました。鉄道車両の製造を行うトランスポーテ―ション事業は米国の同業であるワブテックへ売却しました。祖業の照明機器を取り扱うライティング事業も2020年にサバント・システムズへ売却しました。

パワー事業では、ガスタービン、蒸気タービン、ボイラ(熱交換機)、分散電源向け発電機器(イエンバッハ、ワーキシャー、但し2018年に投資ファンドへの売却を発表)、原子力発電所のGE日立ニュークリア、フランスのアルストムより買収した送配電設備、特高変電設備等を製造しています。売上高は186億ドルと巨大な組織です。タービン、送配電、原子力発電の分野では大手です。
リニューアブル・エナジー事業では、風力発電所のタービン(Haliade 150-6MW等の超大型のものも対応可能)や設備、風車の羽根(ブレード)、水力発電所のポンプや設備を製造。水力発電設備の総発電能力のうち、4分の1以上がGEの発電機器によるものとされます。フランスのアルストムを買収し更なる事業の拡大を図っています。
ヘルスケア事業は、従業員約5万超、世界の約140ヶ国で展開、部門の売上は約200億ドルとGEの売上の約20%を占めるGEの主力事業の一角です。画像診断装置(MRI, CT, MIや超音波診断装置、骨密度測定装置、各種X線撮影装置、心臓カテーテルモニタリングシステム)、麻酔器、生体情報モニタおよびユニークパラメータ、分娩監視装置、新生児黄疸光線治療器、保育器、バイオテクノロジー関連機器・分析ソフト・試薬、バイオ医薬品製造向けシステム等を提供。医療機器分野では世界最大手の一角です。
アビエーション事業は、商用・軍用の航空機エンジンの世界3大メーカーの一角となっています。軍事用も手掛けています。ワイドボディー機向けのエンジンに強みを持ちます。ナローボディ機では、フランスのスネクマとCFM Internationalを展開しています。航空機リースの分野では、GECAS(ジーキャス)が世界最大手クラスです。

2006年 保険事業をスイス再保険へ売却
2007年 プラスチック部門をサウジアラビアのSABICに売却
2007年 GEセキュリティを米国のUTC(ユナイテッド・テクノロジーズ)に売却
2009年 メディア事業のNBCユニバーサルをコムキャストへ売却
2015年 仏重電大手のアルストムと発電事業及び鉄道車両事業における経営統合
2016年 家電事業を中国のハイアールへ売却
2016年 GEキャピタル傘下の消費者金融部門をシンクロニー・フィナンシャルとして分社化IPO
2017年 GE Waterをスエズエンバイロメントに売却
2017年 フランスで展開する消費者金融のGE Moneyを投資ファンドのサーベラスへ売却
2017年 デンマークのブレードと呼ばれる羽根の部分を製造する風力発電機器メーカー、LMウインド・パワーを買収
2018年 業務用照明部門(カレント)をアメリカン・インダストリアル・パートナーズに売却
2018年 分散型電源対応用のガスエンジンを生産するブランド「イエンバッハ」と「ワーキシャー」をアベンティスに売却
2018年 機関車事業を米鉄道機器メーカーのワブテックと経営統合
2018年 フィールドサービス管理ソフトウェアを提供するServiceMax(サービスマックス)をSilver Lakeに売却
2018年 ヘルスケア部門の分社化を発表
2019年 ベーカー・ヒューズの持分の売却
2019年 GEトランスポーテーションをワブテックへ売却
2020年 照明事業をサバント・システムズへ売却
GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦
GE変化の経営
ジェフ・イメルト GEの変わりつづける経営
ウィニング 勝利の経営
GEが目指すインダストリアル・インターネット
オイル・ガス事業では、ガス・蒸気タービン、圧縮機、ポンプ、エキスパンダー等の回転機器、大型回転機械の振動計測サービス、発電所の制御装置、工業用計測機器、放射線モニタリング機器、非破壊検査機器、流体制御のバルブ製品等を製造していました。ベーカーヒューズを買収し、石油サービス分野では、世界大手級となったのでした。
GEトランスポーテーションでは、ディーゼル機関車等鉄道用車両や船舶用エンジンなどを製造・販売していました。2017年の売上高は約39億ドル。従業員数は約9000人。2018年に米機関車・貨客車製造大手ワブテックに株式の49.9%を29億ドルで売却されました。
照明事業はGEの祖業です。2018年に業務用照明部門を投資ファンドに売却をしました。消費者向けの照明は2020年にサバント・システムズに売却しました。
株主提案

東芝と3D Investment Partnersの対話

シンガポールに本拠をおくアクティビストファンドである3D Investment Partners(3Dインベストメントパートナーズ)が東芝に対して2020年7月に公開提案を行いました。どのような提案を行い、東芝にどのような打ち手があるのかを考察しています。
2021.01.07
市場シェア

医薬品卸業界の世界市場シェアの分析

医薬品卸業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。マケソン、カーディナル・ヘルス、アメリソース・バーゲン、シノファームといった世界大手の医薬品卸会社の動向も掲載しています。
2020.12.26
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タービン発電機業界の世界市場シェアの分析

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市場シェア

送配電機器業界の世界市場シェアの分析

送配電機器業界の世界市場シェアと市場規模の情報について分析をしています。日立ABB 、シーメンス 、GE、東芝等世界大手送配電メーカーの動向も掲載しています。
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水処理薬品業界の世界市場シェアの分析

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市場シェア

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2020.12.04
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