水処理薬品業界の世界市場シェアの分析

水処理薬品業界の世界シェアや市場規模の情報について分析をしています。エコラボ、ザイレム、ケミラ、栗田工業、スエズ等の世界の大手水処理薬品会社の動向も掲載しています。

水処理薬品業界の世界市場シェア

「水処理薬品業界の世界売上高ランキング(2020年版)」の売上高の情報を用いて、2019年の世界市場シェアを計算すると、1位はエコラボ(Ecolab)、2位はザイレム(Xylem)、3位はソレニス(Solenis)となります。

  • 1位 エコラボ(Ecolab) 16.23%
  • 2位 ザイレム(Xylem) 15.07%
  • 3位 ソレニス(Solenis) 8.70%
  • 4位 ペンテア(Pentair) 8.41%
  • 5位 ケミラ(Kemira) 8.45%
  • 6位 スエズ(Suez) 8.14%
  • 7位 ダナハー(Danaher) 6.86%
  • 8位 栗田工業(Kurita) 6.99%
  • 9位 エヴォクア(Evoqua) 4.06%

エコラボは水処理のナルコを2011年に買収し水処理分野では世界1位の座を守っております。2位はポンプ業界大手のITTコーポレーションから分社化したザイレムが肉薄しています。3位は2019年にBASFの水処理薬品事業と経営統合をしたソレニスとなりました。BASFは引き続き同社の49%の株式を保有し、今後の業界再編の要となる可能性があります。4位は米国のペンテア、5位にはデンマークのケミラとなっています。ケミラの大株主はフィンランドのファミリーオフィース系の投資ファンドであるOras Investであり、今後同社も業界再編の目となる可能性があります。6位はGEウォーターを買収し、水処理分野へ再参入をしたスエズです。コンセッションが主流の上下水道のオペレーターとしてはウォーターバロンとして君臨している同社が、ウォーターソリューション分野を取り込むことで水領域での事業拡大を図っています。7位には日本の栗田工業が入っています。

市場規模

当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、水処理薬品業界の2019年の世界市場規模を345億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。調査会社のビーシーシーリサーチによると、2018年の同業界の世界の市場規模は約345億ドルと推計されます。一方、調査会社のグランドビューリサーチによると2019年の同市場規模は289億ドルです。

水処理薬品業界の主要M&A

2011年 エコラボによるナルコ(Nalco)買収
2013年 AEAインベスターズによるエヴォクア買収
2016年 ザイレムによるスマートメーター大手のセンサスの買収
2017年 エコラボによるドイツのホルケム(Holchem)の買収
2017年 エコラボによるキャスケードウォーターサービス(Cascade Water Services)の買収
2018年 ザイレムによるカナダのピュアテクノロジーズ(Pure Technologies)の買収
2019年 エコラボによるBioquellの買収
2019年 エヴォクアによるATG UVテクノロジーの買収

なお、上記M&Aにおける買収倍率は、対象会社の企業価値に対して売上高が何倍かを示す企業価値・売上高マルチプルの中央値で2倍、企業価値に対してEBITDAが何倍かを示す企業価値・EBITDAマルチプルの中央値で11.7倍となります。

業界をより深く理解するためのお薦め書籍

湿式プロセス―溶液・溶媒・廃水処理
図解入門 よくわかる最新水処理技術の基本と仕組み
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基礎からわかる水処理技術

水処理薬品メーカーの動向

エコラボ(Ecolab)

1923年に創業された米国に本拠を置く水処理会社の老舗です。Economics LaboratoryからEcolabへ社名変更しています。投資ファンドのブラックストーン、Apollo Management(アポロマネジメント)、Goldman Sachs Capital Partners(ゴールドマンサックスキャピタルパートナーズ)がフランスの水道大手のスエズから買収した水処理大手のNalco Holding(ナルコホールディングス)を、エコラボが買収し、工業用水処理分野では世界最大級となりました。洗浄機、水のろ過、殺菌、廃水処理等化学、ヘルスケア、食品業界等幅広い分野へのソリューションを提供しています。2019年には消毒液大手の英国のBioquellを買収しました。

ケミラ(Kemira)

フィンランドに本拠を置く水処理会社大手です。水処理用薬剤に強みを持ちます。2014年にはオランダのアクゾノーベルから保水、サイジング製品等の製紙薬品事業を買収しています。

ザイレム(Xylem)

米国に本拠を置く水処理大手です。2011年にポンプ業界大手のITTコーポレーションから分社化して誕生しました。2016年にスマートメーター大手であるセンサスを買収しています。

ダナハー(Danaher)

米国に本拠を置くコングロマリット企業です。計測器、歯科向け機器、水処理、ライフサイエンスの分野で事業を展開しています。水処理の分野では2015年に業界大手の米ポール(Paul)を買収して事業を強化しています。

栗田工業

日本を代表する水処理メーカーです。水処理薬品の製造、水処理装置の製造・販売、超純水供給、水質分析、環境分析、化学洗浄、プラント設備洗浄を行っています。

GEウォーター

米国を代表するGEの傘下の企業でした。食品、化学工場向けの測定、制御装置、水処理膜の分野では世界大手です。2017年にスエズエンバイロメントがGEウォーターをケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)と共同買収しました。

エヴォクア(EVOQUA)

旧シーメンスの水処理事業です。2015年にシーメンスが投資ファンドへ売却し、その後上場を果たしました。上水処理、排水処理、下水処理など様々な水処理製品を手掛けています。2019年に紫外線消毒システム大手であるATG UVテクノロジーを買収しました。

そのほかに水処理の分野ではソレニス(Solenis)、ペンテア(Pentair)が大手となります。ソレニス(Solenis)は2019年にBASFの水処理化学・パルプ製紙化学事業と経営統合し、49%をBASFが出資しています。ペンテア(Pentair)はフィルターなど水処理アプリケーションなどを提供しています。

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