水処理膜業界の世界市場シェアの分析

水処理膜業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。デュポン、東レ、日東電工、旭化成、スエズ、北京碧水源科技、三菱ケミカルといった主要な水処理膜メーカー概要も掲載しています。

水処理膜業界の世界市場シェア(2020年)

「最新業界別売上高世界ランキング第10巻」に記載の水処理膜各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2020年の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はデュポン、2位は東レ、3位はスエズとなります。

  • 1位 デュポン 13.5%
  • 2位 東レ 8.6%
  • 3位 スエズ 6.5%
  • 4位 旭化成 5.2%
  • 5位 北京碧水源科技 5.1%
  • 6位 日東電工 4.7%
  • 7位 三菱ケミカル 4.1%


水処理膜の種類別に見ると、MBR膜ではスエズや三菱ケミカル、UF/MF膜では旭化成、RO膜ではデュポンと東レが強くなっています。

市場規模

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、水処理膜業界の2020年の世界市場規模を54億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。マーケッツアンドマーケッツによると、2019年の同業界の市場規模は54億ドルです。2024年にかけて年平均9%での成長を見込みます。フォーチュンビジネスインサイツによると、2019年の同市場規模は69億ドルです。2027年にかけて5.7%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

水処理膜用語集

MF膜
MF/UF膜
MBR用膜
RO膜

MFはMicrofiltration(精密ろ過)の略。
UFはUltrafiltration(限外ろ過)の略。
MBRはMembrane Bio Reactor(膜分離活性汚泥法)の略。
ROはReverse Osmosis(逆浸透)の略です。

世界の主要な水処理膜メーカーの一覧

DuPont Water Technology(デュポンウォーターテクノロジー)

デュポン(E.I du Pont de Nemours)は、1802年にフランス人のエルテール・イレネー・デュポンによって設立された世界最大級の化学メーカーです。2015年米同業のダウケミカルと経営統合しましたが、特殊産業材事業が分社化され新生デュポンとなりました。ニュートリション&バイオサイエンス事業で食品成分事業を展開しています。2011年にデンマークに本拠を置く食品成分大手であるDanisco(ダニスコ)を買収しています。同事業は2019年に香料大手のIFFとの経営統合し、香料と食品成分を手掛ける総合食品成分会社となりました。
水処理膜事業についてはDuPont Water Technology(デュポンウォーターテクノロジー)で展開しています。RO膜に強みがあります。

Suez(スエズ)

Suez(スエズ)は、1880年に設立された世界トップクラスの水道事業運営・産業用水処理会社(ウォーターバロン)です。電力・ガス大手であるエンジ―(Engie)が主要株主となっています。スエズの源流は1800年代中盤にスエズ運河を建設したスエズ運河株式会社にまで遡ることができます。インドスエズ銀行の売却やフランスガス公社(GDF)と合併によるGDFスエズの誕生、その後エンジ―ヘの社名変更を行っております。2017年にはGEから水処理機器大手であるGEウォーターを32億ユーロで買収し、運営会社から水処理機器製造販売へと事業領域を拡大しております。MBR、UF/MF膜の分野に強みを持ちます。2020年にはドイツの化学メーカーであるランクセスよりRO膜を買収しました。
2019年の売上高は約190億ユーロ、従業員数は約9万人、約64百万人に水道を提供しています。

Cabot Corporation(キャボット)

米国に本拠を置く化学メーカーです。ニューヨーク証券取引所に上場しています。オランダのNorit(ノリット)を買収して、UF膜/MF膜分野を強化しています。

東レ

日本を代表する素材系メーカーです。水処理分野ではRO膜の分野に強みを持ちます。2013年にRO膜に強みを持つ韓国のウンジンケミカルを買収しました。

日東電工

日本を代表する包装材料・半導体関連メーカーです。1987年に買収をしたHydranautics社が水処理膜事業の中核です。水処理膜ではRO膜に強みを持ちます。

旭化成

日本を代表する化学メーカーです。化学や住宅など多角化経営に特徴があります。水処理膜ではUF/MF膜に強みを持ち、マイクローザブランドで展開しています。膜事業ではセパレータにも強みを持ちます。

LG

LGグループは1952年にク・インフェ氏によって設立された韓国を代表する財閥グループです。1958年にLuckyとGoldStarが経営統合をして設立されました。電機事業、化学事業、通信事業が3本柱です。子会社は、家電メーカーのLGエレクトロニクス、電子部品の製造を手掛けるLGイノテック、液晶ディスプレイを手掛けるLGディスプレイ、総合化学メーカーのLG化学など多岐にわたります。

電機事業(LGエレクトロニクス):冷蔵庫等の白物家電業界では上位に位置しています。電子レンジや食洗機、スマートフォンや家庭用エアコン等を含む家電業界でも、フィリップスやハイアールと並び、世界上位に位置しています。テレビ製造や液晶パネル分野(LGディスプレイ)でも、サムスンと並び世界上位に位置しています。車載向け機器も手掛け、2018年にはオーストリアの自動車照明大手であるZKWを買収しました。

LGディスプレイ:韓国LGエレクトロニクス傘下の液晶メーカーです。サムスンディスプレイと双璧です。テレビ向け液晶に強みがあります。中小型液晶分野では日本の液晶メーカーとも競合しています。2008年まで蘭フィリップスと提携していました。テレビ向けの大型有機ELに強みを持ちます。

化学事業(LG化学):シリコンウエハ業界、偏光板業界やリチウムイオン電池業界では、日系企業と並び、世界トップクラスのシェアを維持しています。リチウムイオン電池にも注力をしており、スマートフォン向けや現代/起亜、ルノー向けの車載用に開発が進められています。水処理膜の分野ではRO膜に強みを持ちます。2014年に米国の水処理膜メーカーであるNanoH2Oを買収しました。

株主構成:創業ファミリーであるクー一族が、持株会社であるLGの株式を約50%保有しています。LGを通じて、LG化学、LGエレクトロニクス等のグループ会社の持分を保有し、緩やかなLGグループを構成ししています。

北京碧水源科技(Beijing Originalwater Technology)

中国の水処理機器メーカーです。元々は三菱ケミカルの水処理膜の合弁会社であった経緯もあり、MBR膜に強みを持ちます。

三菱ケミカル

三菱ケミカルホールディングスは、日本の最大手の化学メーカーです。三菱レイヨンや大陽日酸を買収し、機能性化学分野の強化を図っています。アクリル樹脂の分野では、ダウケミカルやエボニックといった、大手化学メーカーを抑え、世界最大級の規模となっています。また、炭素繊維分野では、傘下の三菱レイヨンがパイロフィルの商標で炭素繊維を世界展開し、自動車会社とも開発を加速させています。電池材料では、正極材からは撤退し、電解液と負極材を強化しています。水処理膜事業では、MBR膜に強く、ステラポアーブランドで展開をしています。

参照したデータの詳細情報について


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