海底ケーブル業界の世界市場シェアの分析

海底ケーブル業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。アルカテル・サブマリン・ネットワークス(ノキア・ネットワークス)、サブコム(旧タイコ・エレクトロニクス・コネクティビティ)、NEC、富士通等の世界大手ケーブル会社の動向も掲載しています。

市場シェア

ASNの資料によれば、2013年〜2018年の海底ケーブルシステム累計受注額の世界市場シェアは、下記の通りとなります。

  • 1位:アルカテルサブマリンネットワーク 33%
  • 2位:サブコム 22%
  • 3位:NEC 18%

長らく、海底ケーブルの業界では、NEC、タイコ、アルカテル・ルーセントの大手3社による寡占が続いてきました。近年タイコは、通信機器部門をTEコネクティビティとして分社化後、さらに海底ケーブル事業をTEサブコム(現サブコム)として分社化、アルカテル・ルーセントはノキアと経営統合を行い、海底ケーブル事業はノキア・ネットワークスに属するアルカテル・サブマリン・ネットワークス(Alcatel Submarine Networks)となるなど、事業主体の変更が相次ぎます。

市場規模

調査会社のマーケッツアンドマーケッツによれば2020年の海底ケーブル業界の市場規模は130億ドルです。「最新業界別売上高世界ランキング第3巻」に記載のアルカテルサブマリンネットワーク、サブコム、NECのケーブル事業各社の売上高(アルカテルは2019年及びサブコムとNECは2018年)を計算すると約18億ドル(=概ねの年間新規受注額)となります。世界には約400本の海底ケーブルが敷かれています。第一次世界大戦後には、ドイツ帝国が敷設した海底ケーブルをめぐり戦勝国間で争いが起こっています。近年は、通信会社はグーグル、フェイスブック等のIT大手が通信量の拡大に伴う海底ケーブルへの投資を積極しています。2016年~20年に完成する海底ケーブルの約3割はグーグルとフェースブックが出資しているとされます。

海底ケーブルとは?

海底ケーブルとは一般的に通信用の伝送路として海底に敷設されるケーブルのことを指します。切断を防ぐために耐圧性、耐水性、耐久性をもったケーブルが求められる。現在は光ファイバーを銅、ポリエチレン等で覆った構造となっている。

海底ケーブルの仕組み
海底ケーブルの仕組み 出所:ASN

世界大手海底ケーブル会社の動向

アルカテル・サブマリン・ネットワークス(旧アルカテルルーセント)

1854年にSTCとして創業された海底ケーブル敷設会社の老舗です。旧アルカテルルーセントは、2015年にフィンランドのノキアと経営統合をした仏名門通信システム会社です。もともとは、2006年にAT&Tグループのルーセント・テクノロジーとアルカテルが経営統合をして誕生しました。海底ケーブル事業はケーブルの製造から敷設まで手掛けています。ノキア・ネットワークス傘下のアルカテル・サブマリン・ネットワークスとして事業展開を図っています。60万キロ=地球15周分の海底ケーブルの敷設実績を有しています。オフショアの石油・ガス施設への通信回線でも世界有数です。6隻の敷設船(Ile de Sein, Ile de Batz, Ile de Bréhat, Ile d’Aix, Lodbrog, Peter Faber)を擁しています。

サブコム(SubCom)

元タイコのTE Connectivity(タイコ・エレクトロニクス・コネクティビティ、2007年にタイコ・エレクトロニクスとしてタイコより分社化)傘下の企業です。2018年に投資ファンドのサーベラスが買収し、現在はサブコムへと社名を変更しています。海底通信技術とサブマリーンサービスを強化しています。事業開始以来地球17周分の海底ケーブルを敷設した実績があります。TE Connectivityは通信システムやセンサー等に注力をしています。なお、兄弟会社のタイコ・インターナショナルはジョンソン・コントロールズと経営統合を果しました。

NEC

日本を代表する電機会社です。2008年海底ケーブル大手のOCCを住友電工と共同買収しました。地球5周分、延べ20万kmを超える敷設実績を誇ります。

富士通

日本を代表する電機会社。海底ケーブルにも強みを持っています。

Huawei(ファーウェイ)

中国に本拠を置く世界大手通信機器メーカーです。基地局、ネットワークから携帯端末まで手掛けています。Huawei Submarine Networkが海底ケーブル事業を手掛けています。

業界関連図書

  • 光海底ケーブル (Parade books) [単行本]
  • 情報通信技術はどのように発達してきたのか (BERET SCIENCE) [単行本]
  • 「太平洋1万キロ 決死の海底ケーブル」 ―勝者たちの羅針盤 プロジェクトX~挑戦者たち~ [Kindle版]

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