ダノンの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

ダノンはフランスを代表する大手乳製品メーカーです。1919年にスペインのヨーグルトの会社として誕生し、1972年にフランスの食品会社であるBSNと経営統合することでダノンが誕生しました。ダノンブランドのヨーグルトは特に有名です。エビアンやボルビックといったミネラルウォーター事業も手掛けています。。

業績推移(年次)

2018年
売上高は前年比1.01%減の245億6100万ユーロになりました。営業利益は前年比0.71%増の35億6200万ユーロになりました。営業利益率は14.50%になりました。

2019年
売上高は前年比2.96%増の252億8700万ユーロになりました。営業利益は前年比7.97%増の38億46000万ユーロになりました。営業利益率は15.21%になりました。効果的な商品構成により増収増益となりました。

2020年
売上高は前年比6.59%減の236億2000万ユーロになりました。営業利益は前年比13.75%減の33億1700万ユーロになりました。営業利益率は14.04%になりました。COVID-19の影響を受けて減収減益となりました。

2021年
売上高は前年比2.80%増の242億8100万ユーロになりました。営業利益は前年比0.60%増の33億3700万ユーロになりました。営業利益率は13.74%になりました。不安定な供給とコスト環境でしたが、生産性向上と価格改善で増収増益となりました。

2022年
売上高は前年比13.92%増の276億6100万ユーロになりました。営業利益は前年比1.20%増の33億7700万ユーロになりました。営業利益率は12.21%になりました。強気な価格設定で商品構成により売上・営業利益を伸ばしました。

ダノンの業績推移
ダノンの業績推移

業績推移(半期)

2021年前半(1ー6月)
売上高は前年同期比2.90%減の11億8350万ユーロになりました。営業利益は1億5510万ユーロ、営業利益率は13.11%になりました。

2021年後半(6ー12月)
売上高は前年同期比8.88%増の12億4460万ユーロになりました。営業利益は1億7860万ユーロ、営業利益率は14.35%になりました。

2022年前半(1ー6月)
売上高は前年同期比12.59%増の13億3250万ユーロになりました。営業利益は1億6120万ユーロ、営業利益率は12.1%になりました。

2022年後半(7ー12月)
売上高は前年同期比15.19%増の14億3360万ユーロになりました。営業利益は1億7650万ユーロ、営業利益率は12.31%になりました。

2023年第前半(1ー6月)
売上高は前年同期比6.32%増の14億1670万ユーロになりました。営業利益は1億7340万ユーロ、営業利益率は12.24%になりました。

ダノンの半期業績推移

ダノンの半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比49.66%減の1.48ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度比3.09%増の2ユーロになりました。配当性向は135.14%になりました。

ダノンの希薄化後EPSの推移
ダノンの希薄化後EPSの推移

業績予想

2023年上半期
純売上高は、報告ベースで6.3%増の141.67億ユーロに達し、同期比で見た場合は8.4%増の結果となりました。

売上構成

セグメントは、乳製品・ウォーター・栄養補助に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

ダノンの売上高構成(2021年度)
ダノンの売上高構成(2022年度)

乳製品
乳製品の中でもヨーグルトに強みを持っています。Danone、Activa(アクティビア)、Actimel(アクティメル)、alpro、Yocrunch、OIKOS、Silk等のブランドで世界展開しています。乳製品の分野の世界シェアランキングでは食品の巨人ネスレと首位を争います。

栄養補助
乳幼児や育児用のミルクや離乳食をBlédina(ブレディア)、Dumex(デュメックス)、アプタミル、ミルパ等のブランドで世界展開しています。ベビーフードの分野の世界シェアランキングでもスイスのネスレと首位を争っています。

ミネラルウォーター
日本人も馴染みの深いエビアン、ボルヴィック等のブランドに加えアクア、FontVella、マイゾーンやボナフォン等で世界展開を図っています。ミネラルウォーターの世界シェアランキングでは業界首位級です。
上記3事業に加え、ダノンは医療用栄養補助食品(メディカルニュートリション)や植物由来の食品事業(買収したホワイトウェーブ)も展開しています。

競合分析

ヨーグルト分野での競合
ネスレ、ゼネラルミルズ、ラクタリス、ミュラー、コカコーラ、チョバーニ(Chobani)、ウィムビルダン(Wimm-Bill-Dann)、フリースランドカンピーナ、ララ、明治、アーラ、ファージ(Fage)、オーガニックバレー

植物由来の製品・飲料分野での競合
キャンベル、ヘイン・セレスティアル、ネスレ、ユニリーバ、ブルーダイヤモンド(Blue Diamond)、カリフィアファーム(Califia Farms)、トライバラット(Triballat)、ウェッサネン(Wessanen)、オートリー(Oatly)、バルソイア(Valsoia)、チョバニ(Chobani)、ネ・モロコ(Ne Moloko)

幼児向けニュートリション分野での競合
アボット、レキット、ミード・ジョンソン、ネスレ、ラクタリス、Yili)

ミネラルウォーター分野での競合
コカ・コーラ、ペプシ、ネスレMayora、中国のKang Shi FuとNongfu、フランスのCristaline、メキシコのEpura

M&A(合併買収)

1972年 フランスの食品会社BSNと経営統合
1980年 ボルビックを買収
2000年 クローネンブルク等のビール事業をビール大手スコティッシュ・ニューキャッスルに売却(スコティッシュ・ニューキャッスルはその後ハイネケンとカールスバーグに共同買収されています)
2002年 イタリアのフレッシュチーズ会社であるEgidio Galbaniを投資ファンドへ売却
2005年 HPブランドのソース事業をハインツに売却(ハインツはどの後クラフトフーズと経営統合しています)
2007年 オランダの医療用食品のロイヤル・ヌミコ(Numico)を買収
2007年 シリアル及びビスケット事業を約76億ドルでモンデリーズに売却
2008年 ニュージーランドの飲料大手フルコア(Frucor)をサントリーに売却
2009年 インドの財閥であるWadia Groupがビスケット大手であるBritannia Brandsを買収
2010年 中国のHuiyuan Juice(汇源果汁)の株式の一部を買収
2010年 米国のアイスクリームや冷凍カスタードを手がけるYoCreamを買収
2012年 インドのWockhardtより幼児食事業を355百万ドルで買収
2013年 モロッコの乳製品メーカーであるCentrale Laitiereの一部株式を買収
2014年 中国のベビーフード大手の雅士利国際(Yashili International)の株式25%を買収
2015年 中国のベビーフード会社(Dumex Baby)をYashiliへ売却
2016年 北米のオーガニック食品大手のホワイトウェーブ・フーズを買収
2017年 北米のオーガニックヨーグルトメーカーであるStonyfieldをラクタリスより875百万ドルで買収
2018年 中国のYashiliよりニュージランドの乳製品会社の49%を買収
2020年 英国の「元祖ボトルウォーター」として名高いHarogate Spring Waterを買収
2020年 ヤクルト株式を市場で売却トグルボックス
2021年 ダノン、Aqua d’Orを売却
2021年 ダノン、Vegaを売却
2021年 ダノン、Mengniuを売却
2022年 Dumex Baby Food Co Ltdの株式100%をYashiliから取得

ホワイトウェーブ買収のケーススタディ

株主構成

物言う株主のアーティザンパートナーズが第2位株主となっています。

ダノンの株主構成(直前期末時点)

ダノンの株主構成(直前期末時点) 出所:マーケットスクリーナー

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