投資会社のJABホールディングスの事業ポートフォリオの分析

ファミリーオフィース系投資会社であるJABホールディングス(JAB Holdings)の世界シェア(世界市場シェア)、投資ポートフォリオ、会社買収の情報です。

会社概要

JABホールディングスはルクセンブルクに本拠を置く投資ファンドです。JABはJoh.A.Benckiserの略となっています。ドイツ・オーストリアの資産家ファミリーであるライマン家(Reimann Family)によって所有されています。ライマン家は現在のレキットベンキーザーが1999年に経営統合をする前のベンキーザー社の創業家一族です。2020年現在約186億ユーロの株主資本を有しております。

レキットベンキーザについて

1999年に英レキット&コールマン社とオランダのベンキーザー社が経営統合して誕生した英国に本拠を置く日用品・トイレタリー用品大手。レキット&コールマン社とベンキーザー社はともに1800年後半に創業された老舗メーカー。石鹸のミューズ、食器洗い機専用洗剤のフィニッシュ等のブランドを有する。コンドームではDurexブランドで世界展開。2017年にベビーフード大手のミード・ジョンソンの買収をしました。

レキットベンキーザーは、日用品・トイレタリー用品業界、マウスウォッシュ・洗口液業界、コンドーム業界、ベビーフード業界の大手です。
日用品・トイレタリー用品の主要ブランドには家庭用殺虫剤のMortein、洗剤のライゾール、エアフレッシュナーのAir Wick、消毒液のデットル、食洗機専用洗剤のFinish(フィニッシュ)、洗顔フォームのクレアラシル、石鹸のミューズ等があります。
OTCでは胃薬のガビスコン(Gaviscon)を展開しています。
マウスウォッシュ・洗口液の分野ではCepacolブランドのマウスウォッシュを展開しています。
コンドーム分野ではDurexブランドで世界展開しています。
ベビーフード分野では米国のベビーフード大手のミード・ジョンソンの買収を買収して強化を図っています。
2017年にレキットベンキーザーが乳幼児向け食品メーカーのミード・ジョンソン・ニュートリションを買収しました。
買収総額は166億ドルです。同社の前日終値に対して8.4%のプレミアムを乗せた水準です。
粉ミルク等のベビーフードは、一人っ子政策の方針が変更された中国市場が今後伸びる見込みです
ミード・ジョンソンは、粉ミルクのエンファ(Enfa)ブランドを持ち、また中国市場に強く、レキットベンキーザーとの地域補完性も期待できます。

株主構成
レキットベンキーザー株主構成は、機関投資家及び個人の株主に幅広く保有されています。JABホールディングは大株主です。

事業再編・買収
1938年 レキット&コールマンがマスタード大手のJ. & J. Colmanと経営統合
1994年 レキット&コールマンがヘルスケア大手Sterling Drugを買収
1999年 レキット&コールマンとベンキーザーが経営統合し、レキットベンキーザーが誕生
2005年 ブーツからブーツヘルスケア事業(クレアラシルやのど飴のStrepsils等)を買収
2010年 SSL Internationalからコンドーム業界のDurexを買収
2010年 せき止め薬のムチネックス等で有名なRespiratory Therapeuticsを買収
2012年 ニュートリション・サプリメント大手の米Schiff Nutritionを買収
2014年 大衆薬事業をIndiviorとして分社化
2017年 ベビーフード大手のミード・ジョンソンの買収

  • 関連図書
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投資ポートフォリオ

コーヒー

コーヒー業界の世界シェアでは、Jacobs Douwe Egberts Group (JDE、ヤコブ・ダウ・エグバーツ)、D.E Master Blenders、Mondelez International(モンデリーズ・インターナショナル)のコーヒー事業とPeet’s Coffee(ピーツ・コーヒー)が経営統合して誕生したJDE Peet(JDEピート)とドクター・ペッパー・スナップル・グループと1杯分コーヒー抽出機の「キューリグ」、1杯分「Kカップ」コーヒーで有名なKeurig Green Mountain(キューリグ・グリーンマウンテン)が経営統合をして誕生したキューリグ・ドクター・ペッパーを成長のドライバーとして、ネスレに次ぐ世界2位となっています。

やや複雑な再編の経緯を辿っているので、JABのコーヒーポートフォリオの強化について時系列でまとめると以下の通りとなります。

2012年 Peet’s Coffee & Teaの買収
2013年 D.E Master Blendersの買収
2015年 Mondelez Internationalのコーヒー事業とD.E Master Blendersが経営統合をしJacobs Douwe Egberts (JDE)が誕生
2020年 Peet’s CoffeeとJDEが経営統合をしJDE Peetが誕生
2020年 JDE Peetが株式公開

コーヒーチェーン業界では、業界大手のPanera Bread(パネラブレッド)やカリブ・コーヒー、エスプレッソハウス等の買収を行っています。JDEと経営統合をしたピーツ・コーヒーもコーヒーチェーンを展開しています。下記はJABのグループストラクチャーとなります。

JABグループストラクチャー

JABグループストラクチャー
出所:同社

高級ブランド

高級ブランドの業界では、靴に強いジミーチュー、ベルスタッフ(BELSTAFF)を保有していました。ジミーチューは13億5000万ドル(約1470億円)でマイケル・コース ホールディングス(MICHAEL KORS HOLDINGS)へ売却されました。現状は、皮製品の強いバリー(BALLY)を保有しています。

飲料

飲料業界では、2018年にドクター・ペッパー・スナップル・グループをキューリグ・グリーン・マウンテンと経営統合することを発表。キューリグ・ドクター・ペッパーとして、業界大手のコカ・コーラやペプシコを追い上げています。

日用品業界、マウスウォッシュ業界、ベビーフード業界の上位企業であるレキットベンキーザーの大株主でしたが、2019年に株式を売却しております。

また、同じく大株主であるコティを通じて化粧品業界も高いプレゼンスがあります。

その他の分野では、ドーナツチェーン大手のクリスピー・クリーム・ドーナツや北米で展開するペットホテルのCompassion-First(コンパッションファースト)を買収しています。

その他の事業再編・買収

2015年 キューリグ・グリーンマウンテンを買収
2016年 クリスピー・クリーム・ドーナツを買収
2017年 パネラブレッドを買収
2017年 ジミーチューの売却
2018年 ドクター・ペッパー・スナップル・グループとキューリグ・グリーン・マウンテンが経営統合し、キューリグ・ドクター・ペッパーが誕生
JABホールディングスの出資先が掲載されているページの一覧
市場シェア

飲料・ミネラルウォーター業界の世界市場シェア分析

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2021.03.18
市場シェア

コーヒー業界の世界市場シェアの分析

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戦略レビュー

ユニリーバの紅茶事業

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再編候補

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