飲料・ミネラルウォーター業界の世界市場シェア分析

清涼飲料・ドリンク・ミネラルウォーター業界の世界シェア、市場規模や業界再編について分析をしています。コカコーラ、ペプシ、ダノン、ネスレ、キューリグ・ドクター・ペッパー、アヘ、ナショナルベバレッジ等世界大手飲料メーカーの動向も掲載しています。

清涼飲料世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第3巻」に記載の清涼飲料各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。

  • 1位 コカ・コーラ 7.5%
  • 2位 ペプシコ 6.2%
  • 3位 サントリー食品 2.4%
  • 4位 ネスレ 1.6%
  • 5位 キューリグ・ドクター・ペッパー 1.4%
  • 6位 娃哈哈集团 1.3%
  • 7位 レッドブル 1.3%
  • 8位 ダノン 1.0%

飲料メーカーの売上高世界1位と2位はコカコーラ社とペプシコ社とです。永遠のライバルの2社ですが、ペプシコはスナック菓子にも力をいれております。3位にはサントリーの上場子会社であるサントリー食品が入っています。4位には食品業界の巨人であるネスレ社がランクインしております。なお、ネスレと8位ダノンはミネラルウォーターのみの売上高です。5位にはキューリグドクターペッパー、6位には中国の娃哈哈集团となっています。

ミネラルウォーター市場シェア

「最新業界別売上高世界ランキング第3巻」に記載の清涼飲料各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。

  • 1位 ネスレ 4.6 %
  • 2位 ダノン 2.9 %

清涼飲料がコーラ対ペプシコならば、ミネラルウォーターはネスレ対ダノンです。

市場規模

調査会社のグランドビューリサーチによれば、2018年の清涼飲料業界の市場規模は1.1兆ドルです。調査会社のザビジネスリサーチカンパニーによれば、同業界の2019年の市場規模は4176億ドルです。2023年には5134億ドルとなることを見込みます。調査会社マーケットデータファーキャスによれば2019年のミネラルウォーターの市場規模は1698億ドルです。
当サイトでは、清涼飲料の市場規模を5000億ドル、ミネラルウォーター市場を1700億ドルとして市場シェアを計算しております。

業界トレンド
飲料各社ともに、成長しているトレンド、たとえば、シュガーフリー、ゼロカロリー、自然成分、オーガニック、栄養補助系ドリンク、アルコールフリーのビール、ペットボトルからの脱却、植物由来の飲料といった分野を強化しています。

2007年11月:キリンによるフィリピン大手ビールメーカーのサンミゲルからの豪州乳業最大手ナショナルフーズNational Foods買収(買収金額2940億円)
2008年4月:アサヒビールによる豪州飲料2位のシュウエップス・オーストラリア買収。買収総額は770億円、売上高倍率は約1.6倍、EBITDA倍率は約15倍。
2008年8月:キリンによる豪州乳業2位のデアリーファーマーズ買収(買収金額840億円)
2008年10月:サントリーによるニュージランドの栄養飲料メーカーのフルコア社をフランスのダノンから買収(700億円強)
2009年:サントリーによる仏オランジーナ・シュウェップス・グループのブラックストーン及びライオンキャピタルからの買収。買収総額は約3,000億円、EBITDA倍率は約12倍
2009年:キリンによるサンミゲル(San Miguel Brewery)社の株式の約49%の取得(約1200億円)
2010年11月:アサヒビールによる豪州飲料3位のP&N買収
2010年7月:キリンによるシンガポール飲料大手フレイザーアンドニ―ブ(F&N マレーシア シンガポールで清涼飲料トップ 傘下にAPB:Asia Pacific Breweries)への出資(846億円、14.7%取得)
2011年:サントリーによるインドネシアのガルーダフードグループの飲料事業買収(約100億円)
2011年:キリンによるベトナムの飲料メーカーインターフードへの出資(57.25%)
2011年9月:アサヒによるニュージーランドの飲料メーカー、チャーリーズグループの買収( 82億円)
2011年:アサヒビールによるマレーシアで飲料大手ペルマニス買収。買収総額は216億円、売上高に対する買収総額の倍率は約1.7倍
2013年2月:キリンによる飲料大手フレイザーアンドニ―ブ株式の売却
2013年:サントリー食品インターナショナルによる英製薬大手グラクソ・スミスクラインの清涼飲料ブランド「ルコゼード」と「ライビーナ」買収(約2千億円)。EBITDA倍率は約13.5倍
2014年:アサヒグループホールディングス同社のシンガポール子会社がエチカ・インターナショナル・ホールディングス(Etika International Holdings Limited)のマレーシア乳製品事業を約336億円で買収。同社乳製品関連事業はマレーシアのコンデンスミルク・エバミルク市場において第2 位の市場シェア。企業価値/売上高倍率は1.52倍。

世界の主要な炭酸飲料メーカーの一覧

Coca-Cola(コカ・コーラ)

米国に本社を置く飲料界の雄です。本社はコカ・コーラの原液の販売とマーケティングを担当し、各地域のボトラーがコーラを生産するビジネスモデルで世界展開を果たしています。コカコーラの原点は米国のレストランやファストフードに置かれていたソーダファウンテンを使って提供された甘い清涼飲料水と言われています。圧倒的なブランド力を持ちます。近年はボトリング事業の再編に注力しています。

1999年 キャドバリー社から南アフリカのソーダ事業を買収
2001年 米国の飲料メーカーのOdwalla社を買収
2005年 豪州のスープ・パッケージ食品大手のSPC Ardmona社を買収
2005年 トルコの飲料大手のEfes Sinai Tatrim社を買収
2006年 メキシコの飲料メーカーJugos del Valle社を買収
2007年 米飲料大手のFUZE Beverages社を買収
2007年 米国の機能性飲料メーカーのEnergy Brands社を買収
2011年 メキシコの飲料事業をGrupo Tampico社より買収
2011年 サウジアラビアの飲料・お菓子会社のAujan Industries社を買収
2015年 中国の機能性飲料会社のXiamen Culiangwang Beverage(カリアンワン)社を買収
2018年 英ウィットブレッドからカフェチェーンのコスタを買収

PepsiCo(ペプシコ)

米国に本社を置く食品・飲料大手。ペプシコーラは圧倒的な知名度。フリトレー等のスナック類も手掛ける。

2005年 ベルギーのスナックメーカーのSnack Ventures Europeを米ジェネラルミルズ社より買収
2006年 ポーランドのスナック会社のStar Foodsを買収
2006年 米Hillshire Brandsより欧州にてナッツ事業を行うSara Lee社を買収
2006年 米国の飲料メーカーのNaked Juice Companyを買収
2006年 ニュージーランドのスナックメーカーのBluebird Foodsを買収
2007年 ウクライナの飲料会社のSandora社を買収
2008年 ロシアの飲料会社のLebedyansky社を買収
2011年 ロシアの食品・飲料会社のWimm-Bill-Dann Foods社を買収
2012年 ブラジルのクッキー・クラッカー大手のGrupo Mabel社を買収

Nestle(ネスレ)

ネスレは、1866年に薬剤師のアンリ・ネスレ氏によって設立されたスイスに本拠を置く世界最大級の総合食品・飲料メーカーです。食品ではパスタのブイトーニやコンソメのマギー等、飲料ではネスカフェやミロ、乳製品、菓子類ではKitKatやCrunch等のチョコレートのブランドにて世界展開しています。2018年以降、アクティビストファンドであるサードポイントからの要請で、事業ポートフォリオの再構築を急いでいます。2019年には、投資ファンドのEQTパートナーズ、アブダビ投資庁およびPSPインベストメントに、同社のスキンヘルスケア事業の売却の検討を開始しました。スキンヘルスケア事業は、Proactive(プロアクティブ)やCetaphil(セタフィル)などのにきび防止用の洗顔料、保湿剤などのスキンケア用品などを展開しています。

Danone(ダノン)

ダノンはフランスを代表する大手乳製品メーカーです。1919年にスペインのヨーグルトの会社として誕生し、1972年にフランスの食品会社であるBSNと経営統合することでダノンが誕生しました。ダノンブランドのヨーグルトは特に有名です。エビアンやボルビックといったミネラルウォーター事業も手掛けています。ダノンの事業は大きく以下の4つの事業から構成され、新興国で全体の半分を売り上げています。2017年にアクティビストファンドであるKeith Meister(キース・マイスター)氏率いるCorvex Management(コーベックス・マネジメント)が同社の株式を取得しています。

乳製品
乳製品の中でもヨーグルトに強みを持ちます。Danone、Activa(アクティビア)、Actimel(アクティメル)、Yocrunch等のブランドで世界展開しています。乳製品の分野の世界シェアランキングでは食品の巨人ネスレと首位を争います。

ベビーフード
乳幼児や育児用のミルクや離乳食をBlédina(ブレディア)、Dumex(デュメックス)、アプタミル、ミルパ等のブランドで世界展開しています。ベビーフードの分野の世界シェアランキングでもスイスのネスレと首位を争っています。

ミネラルウォーター
日本人も馴染みの深いエビアン、ボルヴィック等のブランドに加えアクア、マイゾーンやボナフォン等で世界展開を図っています。ミネラルウォーターの世界シェアランキングでは業界首位級です。
上記3事業に加え、ダノンは医療用栄養補助食品(メディカルニュートリション)や植物由来の食品事業(買収したホワイトウェーブ)も展開しています。

売上高の推移(億ユーロ)
2015年 224
2016年 219→中国のベビーフード事業の売却
2017年 247→ホワイトウェーブ買収効果
2018年 246
2019年 252

1970年 エビアンを買収
1972年 フランスの食品会社BSNと経営統合
1980年 ボルビックを買収
2000年 クローネンブルク等のビール事業をビール大手スコティッシュ・ニューキャッスルに売却(スコティッシュ・ニューキャッスルはその後ハイネケンとカールスバーグに共同買収されています)
2002年 イタリアのフレッシュチーズ会社でであるEgidio Galbaniを投資ファンドへ売却
2005年 HPブランドのソース事業をハインツに売却(ハインツはどの後クラフトフーズと経営統合しています)
2007年 オランダの医療用食品のロイヤル・ヌミコ(Numico)を買収
2007年 シリアル及びビスケット事業を約76億ドルでモンデリーズに売却
2008年 ニュージーランドの飲料大手フルコア(Frucor)をサントリーに売却
2009年 インドの財閥であるWadia Groupがビスケット大手であるBritannia Brandsを買収
2010年 中国のHuiyuan Juice(汇源果汁)の株式の一部を買収
2010年 米国のアイスクリームや冷凍カスタードを手がけるYoCreamを買収
2012年 インドのWockhardtより幼児食事業を355百万ドルで買収
2013年 モロッコの乳製品メーカーであるCentrale Laitiereの一部株式を買収
2014年 中国のベビーフード大手の雅士利国際(Yashili International)の株式25%を買収
2015年 中国のベビーフード会社(Dumex Baby)をYashiliへ売却
2016年 北米のオーガニック食品大手のホワイトウェーブ・フーズを買収
2017年 北米のオーガニックヨーグルトメーカーであるStonyfieldをラクタリスより875百万ドルで買収
2018年 中国のYashiliよりニュージランドの乳製品会社の49%を買収
2020年 英国の「元祖ボトルウォーター」として名高いHarogate Spring Waterを買収
2020年 ヤクルト株式を市場で売却トグルボックス内容
仏ダノンによる米国の大豆等に強いオーガニック食品企業ホワイトウェーブの買収。
買収総額は125億ドル。ホワイトウェーブの前日終値に対して19%のプレミアムを乗せた水準。
ホワイトウェーブは大豆などをベースにした有機食品に強く、消費者のヘルシーな食品へのニーズを捉えた成長を実現してきた。直近の売上高は40億ドル。
ダノンは、北米に強いブランド力を持つホワイトウェーブのホライゾンやヨーグルトのワラビーなどの健康食品ブランド乳製品や有機食品事業を買収することで、同地域での事業強化を図る。
オーガニック食品分野は消費者の健康志向から食品業界の中では成長領域。
ダノンが強みを持つヨーグルト等も広義の健康食品であり、ホワイトウェーブフーズの手掛けるオーガニック食品との親和性が高い。
ホワイトウェーブフーズは北米を中心に事業展開をしており、ダノンにとっては地理的な補完性を高める意味合いを持つ。

Keurig Dr Pepper(キューリグ・ドクター・ペッパー)

ドクター・ペッパー・スナップルグループ(Dr Pepper Snapple Group)から2018年に名称変変更した米国に本拠を置く炭酸飲料大手です。キャドバリー・シュウェップスに買収されたのち、ドクター・ペッパー・スナップルグループとして独立・上場しました。セブンアップ、カナダドライ等の数多くの商品ラインナップを有しています。2018年にJABホールディングス傘下のカプセルコーヒー大手であるキューリグ・グリーン・マウンテンと経営統合を発表し、キューリグ・ドクター・ペッパーが誕生しました。

1969年 キャドベリとシュエップスが経営統合
2006年 キャドベリシュエップス社がカーライルよりドクターペッパー/セブンアップ社を買収
2007年 飲料事業をドクターペッパー・スナップル社として分社化
2010年 クラフトフーズがキャドベリを買収
2018年 ドクター・ペッパー・スナップル・グループとキューリグ・グリーン・マウンテンが経営統合

Ting Hsin International Group(頂新国際集団)

台湾を代表する食品メーカーです。即席麺に強みを持ちます。飲料ではアサヒビール等と提携し展開しています。

Wahaha(娃哈哈集团)

宗慶後率いる中国の飲料大手です。ダノンと提携しています。

AJEグループ(アヘ・グループ)

ペルーに本拠を置く炭酸飲料大手です。BIG COLA等のブランドを南米中心に展開をしています。

National Beverage(ナショナルベバレッジ)

米国に本拠を置く炭酸飲料大手です。Faygo Ohana等のブランドを有しています。

Parle Agro(パルレアグロ)

1985年に創業されたインドを代表する清涼飲料メーカーです。Frooti, Appy, Appy Fizz, Bailley等のブランドで飲料ドリンクを販売しています。

Red Bull(レッドブル)

1984年にオーストリアで設立されたエナジードリンク会社です。Red Bullブランドで販売しています。

業界関連図書

グローバル製品開発戦略 — 日本コカ・コーラ社の成功と日本ペプシコ社の撤退 [単行本]
15分でビール・蒸留酒・清涼飲料業界の全体像を理解しよう! [Kindle版]
第13次業種別審査事典(第1巻) 【農業・畜産・水産・食料品・飲料 分野】 [単行本]

コメント