食品飲料業界の世界市場シェアの分析

食品飲料業界の世界市場シェアと市場規模について分析を行っています。カーギル、ネスレ、ペプシコ、ADM、ルイドレファス、コカコーラ、モンデリーズ、クラフトハインツ等主要食品メーカー概略も掲載しています。

食品飲料業界の世界市場シェア(2019年)

調査会社のフードエンジニアリングによる食品会社各社の2019年の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の食品飲料業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はネスレ、2位はペプシコ、3位はABインベブとなります。

1位 ネスレ 3.8%
2位 ペプシコ 3.4%
3位 ABインベブ 2.6%
4位 JBS 2.4%
5位 タイソンフーズ 2.1%
6位 マーズ 1.9%
7位 コカ・コーラ 1.9%
8位 ADM 1.7%
9位 カーギル 1.6%
10位 ダノン 1.4%
11位 ハイネケン 1.4%
12位 モンデリーズ 1.3%
13位 クラフトハインツ 1.3%
14位 WHグループ 1.2%
15位 ユニリーバ 1.1%
16位 サントリー 1.1%

世界1位はネスレとなります。米国の豆乳大手であるホワイトウェーブを買収するなど、欧州・米国・アジアで事業を拡大しています。2位はペプシコです。飲料とスナック菓子の両軸での成長を目指しています。3位はビール業界からサブミラーを買収したアンハイザーブッシュ・インベブとなっています。ビール業界では断トツの1位です。4位と5位は食肉大手のJBSとタイソンが入っています。6位はM&Mチョコで有名なマーズです。7位は飲料大手のコカ・コーラです。8位、9位は食糧商社・穀物メジャーのADMとカーギルです。穀物の集荷・配送のトップ4の一角ですが、最近はダウンストリームの強化を図っています10位
にはヨーグルトの雄のダノンが入っています・
日本勢では、サントリーホールディングス/サントリー食品が1.4%で16位となっています。

市場規模

当サイトでは市場シェアの算定に際して、2000億ドルを2019年の食品飲料業界の市場規模としています。参考にしたサイトは以下の通りです。調査会社のBCCリサーチによれば、2020年の同業界の市場規模は1603億ドルです。2020年~2025年に年平均7.4%で成長すると見込まれます。同じく調査会社のスタティスタによれば、同市場規模は2365億ドルです。2020年~2024年に年平均10.7%で成長すると見込まれます。

世界の主要な食品メーカーの概略

Cargill(カーギル)

カーギルは、米国に本拠を置く1865年の食糧関連以外にも金融や製造業を営むコングロマリット企業です。穀物メジャー筆頭格でもあり、肥料、食肉、製塩、ココア等の分野でも圧倒的存在感を示します。売上高は食品業界最大級の10兆円を優に超える規模ではあるものの、カーギル家とマクミラン家が所有する非公開会社です。

  • 穀物取引事業:
    大豆や小麦等の集荷・輸送・販売を行う穀物取引分野では世界市場シェアは最大級の規模です。穀物メジャーと言われるADM、ブンゲ(バンジ)、ルイドレファスとともにABCDの一角を担っています。
  • 製塩事業:
    工業用の塩を製造販売しています。道路向けの凍結防止塩も手掛けています。製塩業界の世界シェアではK+Sや中国国家塩産業とともに世界トップ3の一角です。
  • 飼料事業:
    EWOSブランドで養殖向け飼料、Purina、Nutrena、Provimiで動物向け飼料を手掛けています。飼料業界の世界シェアでは、タイのチャロンポカパンや中国の新希望集団と上位の座を競っています。
  • カカオ・ココア事業:
    カカオの集荷、加工、ココアパウダー、チョコレートバターの販売までを手掛けています。カカオ・ココア業界の世界シェアでは、スイスのバリーカレボーやシンガポールのオラムインターナショナルと並ぶ業界最大手の一角です。
  • パーム油・製油事業:
    パーム油を含む油種の加工・販売を行っています。パーム油・製油業界の世界シェアでは、パーム油大手のウィルマ―インターナショナル、ADM、ブンゲ(バンジ)等と世界首位の座を競っています。
  • その他、カーギルはパスタソース(Pomarolaブランドを展開)、食肉分野、木綿取引、スターチ等の食品成分の分野でも事業を展開しています。

Nestle(ネスレ)

ネスレは、1866年に薬剤師のアンリ・ネスレ氏によって設立されたスイスに本拠を置く世界最大級の総合食品・飲料メーカーです。食品ではパスタのブイトーニやコンソメのマギー等、飲料ではネスカフェやミロ、乳製品、菓子類ではKitKatやCrunch等のチョコレートのブランドにて世界展開しています。2018年以降、アクティビストファンドであるサードポイントからの要請で、事業ポートフォリオの再構築を急いでいます。2019年には、投資ファンドのEQTパートナーズ、アブダビ投資庁およびPSPインベストメントに、同社のスキンヘルスケア事業の売却の検討を開始しました。スキンヘルスケア事業は、Proactive(プロアクティブ)やCetaphil(セタフィル)などのにきび防止用の洗顔料、保湿剤などのスキンケア用品などを展開しています。

PepsiCo(ペプシコ)

米国に本拠を置く世界最大手の飲料・菓子メーカーです。飲料分野ではコカコーラと並ぶ世界最大手の一角です。菓子分野でも世界最大手級です。Lay's、Doritos、Cheetos、SunChips等が代表的なスナックブランドとなっています。

2005年 ベルギーのスナックメーカーのSnack Ventures Europeを米ジェネラルミルズ社より買収
2006年 ポーランドのスナック会社のStar Foodsを買収
2006年 米Hillshire Brandsより欧州にてナッツ事業を行うSara Lee社を買収
2006年 米国の飲料メーカーのNaked Juice Companyを買収
2006年 ニュージーランドのスナックメーカーのBluebird Foodsを買収
2007年 ウクライナの飲料会社のSandora社を買収
2008年 ロシアの飲料会社のLebedyansky社を買収
2011年 ロシアの食品・飲料会社のWimm-Bill-Dann Foods社を買収
2012年 ブラジルのクッキー・クラッカー大手のGrupo Mabel社を買収

Archer-Daniel Midland(ADM、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)は、1902年に米国のミネソタ州で設立された穀物商社・穀物メジャーです。設立当初は、リネン(亜麻)の圧搾加工に注力するなど、カーギル等と異なり穀物の加工事業から、現在の穀物メジャーの守備範囲である、穀物の集荷・流通・貯蔵・販売事業へと展開したいきました。特に油糧種子加工、食品成分や香料事業に強みをもっています。
1997年にグレンコアのブラジル事業を買収する等して穀物メジャーとなりました。食品業界全体を見回しても、ネスレやコカコーラと売上規模では匹敵するジャイアントでです。非公開企業がおおい、穀物商社・穀物メジャーの中で、ブンゲ(バンジ)と同様にニューヨーク証券取引所に上場しています。地域でみると売上の約7割は米国、ドイツ、スイス、事業でみると穀物の集荷・貯蔵・販売事業が5割以上です。一方で利益の面では油糧種子加工が、収益源となっています。
下図の通り、穀物の保管・流通・プロセッシングという一連のバリューチェーンを保有し、全世界に幅広く流通網を確保しています。

ADMのバリューチェーン

ADMのビジネスモデル
出所:同社ホームページ

穀物商社事業では、穀物商社・穀物取引業界において、カーギルに次いで、世界大手の一角を担っています。上流の穀物トレーディングは穀物メジャーへの集約が進み、M&Aを通じて中流から下流領域の強化を図っています。

中国のウーデリグループや米国のアーデント・ミルズと並び、製粉業界でも存在感を示しています。同社アニュアルレポートによれば、2019年の年間製粉能力は2800万トンです。

香料業界では、2014年に香料業界世界6位(当時)のワイルドフレーバーズを買収して、同社にとっての川下分野を強化。同社が取り扱う、トウモロコシ加工、大豆加工等とのシナジーを狙っています。

製油・植物油・食用油業界においても、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)は、カーギルやウィルマ―インターナショナルと並ぶ大手企業となっている。

カカオ・ココア事業からオラムインターナショナルに事業を売却して撤退をした。チョコレート事業からは、カーギルに事業を売却して撤退をしています。

1997年 グレンコアのブラジル事業を買収
2002年 エタノール製造大手ミネソタ・コーン・プロセッサーを買収
2009年 ココア製造大江のショナキグを買収
2014年 香料大手のワイルド・フレーバーズを買収
2014年 チョコレート事業をカーギルへ売却
2015年 Tate&Lyleよりグルコース生産用のミルを買収
食糧危機にどう備えるか―求められる日本農業の大転換
食糧の帝国――食物が決定づけた文明の勃興と崩壊 (ヒストリカル・スタディーズ)
多国籍アグリビジネスと農業・食料支配 (明石ライブラリー162) 

Bunge(ブンゲ)

米国に上場するカーギル、ADM、ルイドレファスと並ぶ1818年に創業の穀物商社の大手です。長らくBunge家が支配する同族会社でしたが、2001年にニューヨーク証券取引所に上場を果たしました。事業部門は大きく5つにわかれ、大豆やとうもろこし等の取引を行うアグリビジネス部門、食用油やその製品を取り扱う食用油事業、製粉事業、製糖事業、肥料事業に分かれています。従業員数は3万人程度です。2010年代後半には資源商社大手であるグレンコアや同業のADMとの経営統合を検討もしていたと噂されています。

全体の売上の7割はアグリビジネス部門が担っています。他の大手穀物商社と同様に農家からの買付け、集荷、保管、運搬、輸出まで一貫して行えるバリューチェーンを保有していることが強みです。特に大豆の取扱いでは世界最大級です。

バンジの大豆事業

バンジの大豆事業
出所:同社AR

次に大きいのは、食用油事業です。全体売上の約15%を占める。食用油、ショートニング、マーガリン、マヨネーズ等を手掛けています。2017年にはマレーシアのIOI Loders Croklaanを買収し、事業拡大を図っています。この分野では、カーギル、スウェーデンの大手油脂メーカーであるAAK、ウィルマ―、ユニリーバ等と競合してます。

製糖事業は、全体の売上の約9%を占めます。製糖大国であるブラジルでのさとうきび事業、バイオエタノール事業が中心です。英国のABシュガー等と競合しています。

製粉事業や肥料事業は全体に占める割合は小さくなっています。

2004年 油糧種子大手のCereolを買収。
2008年 マーガリン大手のWalter Rauを買収。
2009年 マーガリン事業を食品成分会社のRaisio Groupから買収。
2013年 メキシコの製粉会社であるAltex(アルテックス)の買収
2015年 ブラジルの製粉会社であるMoinho Pacificoの買収
2017年 マレーシア油脂大手のIOI Loders Croklaanの株式70%を946百万ドルでパーム油大手のIOI Corpから買収
2018年 Grupo Minsaからの製粉事業の買収
2019年 北米の穀物エレベーター事業を全農へ売却
2019年 ブラジルのマーガリン・マヨネーズ事業をJBSへ売却

Louis Dreyfus Commodities(ルイ・ドレイファス・コモディティーズ)

1851年創業のスイス・ジュネーブに本拠を置く複合企業体です。発音はルイドレフュスとされる場合もあります。穀物メジャーの一角を担います。ドレファス家が支配する非上場会社です。穀物、油脂、米、コーヒー、綿、製糖、果物の取扱いに注力をしています。

Coca-Cola(コカ・コーラ)

米国に本拠を置く世界最大手級の飲料メーカーです。コカ・コーラブランドで全世界で展開しています。

1999年 キャドバリー社から南アフリカのソーダ事業を買収
2001年 米国の飲料メーカーのOdwalla社を買収
2005年 豪州のスープ・パッケージ食品大手のSPC Ardmona社を買収
2005年 トルコの飲料大手のEfes Sinai Tatrim社を買収
2006年 メキシコの飲料メーカーJugos del Valle社を買収
2007年 米飲料大手のFUZE Beverages社を買収
2007年 米国の機能性飲料メーカーのEnergy Brands社を買収
2011年 メキシコの飲料事業をGrupo Tampico社より買収
2011年 サウジアラビアの飲料・お菓子会社のAujan Industries社を買収
2015年 中国の機能性飲料会社のXiamen Culiangwang Beverage(カリアンワン)社を買収
2018年 英ウィットブレッドからカフェチェーンのコスタを買収

Anheuser-Busch InBev(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)

2008年ベルギーのインベブ(インターブリューとアンベブの合併会社)とアンハイザー・ブッシュが合併して誕生した世界最大のビール会社です。ちなみにインターブリューはベルギーのアルトワ(Artois)とPiedboeufとの合併会社、アンベブ (AmBev)はブラジルのラーマ (Brahma) とアンタルチカ (Antarctica) の合併会社でした。主要ビールブランドはバドワイザー、レーベンブロイ(Löwenbräu)、ステラ・アルトワ(Stella Artois)、ベックス(Becks)、コロナ(Corona)等があります。中国ではハルビンビールを、メキシコではコロナで有名なグルポ・モデロ(但し、米国でのコロナの販売権はワイン大手の米コンステレーション・ブランズ が保有)を買収しています。日本ではアサヒと提携しています。2015年には英SABミラーを買収しました。その後ミラークアーズをモルソンクアーズへ、欧州・東欧・豪州のビール事業をアサヒへ、華潤の持分をハイネケンに売却しました。常に次の一手が注目されています。

ABインベブはどうやって業界1位になったか?

ビール業界の再編

出所:業界再編の動向

Mondelez International(モンデリーズ)

Mondelez International(モンデリーズ)は米国に本拠を置く大手菓子・食品メーカーです。食品・菓子大手のKraft Foods より分社化して誕生しました。Kraft Foods(クラフトフーズ)は北米事業に特化しています。Oreo(オレオ)やRitz(リッツ)、Cadbury(カドベリー)等のチョコ・ビスケット・スナックブランドも取り扱っています。

1988年 フィリップモリスがクラフトフーズを買収
1989年 クラフトフーズとゼネラルフーズが経営統合
2000年 クラフトフーズとナビスコが経営統合
2005年 クラフトフーズがお菓子事業をWim Wrigley Jr社に売却
2006年 デルモンテがクラフトフーズからペット事業を買収
2006年 英United Biscuits社の南欧ビスケット事業を買収
2007年 アルトリアグループ(旧フィリップモリス)がクラフトフーズを分社化
2007年 クラフトフーズがダノンのビスケットとシリアル事業を買収
2008年 Post Cereals事業をRalcorp Holdings社へ売却
2009年 クラフトフーズが英食品大手のキャドバリー社を買収
2010年 クラフトフーズがネスレに米冷凍食品事業を売却
2012年 クラフトフーズがモンデリーズ・インターナショナルへ社名変更
2012年 米食品事をクラフトフーズとして分社化
2014年 コーヒー事業をJaccobs Douwe Egbertsへ事業統合
2014年 ベトナムKinh Do社のスナック事業を買収
2015年 味の素ジェネラルフーズの持分を味の素に売却
2015年 新クラフトフーズとハインツが経営統合

Kraft Heinz(クラフトハインツ)

Kraft Heinz(クラフトハインツ)は、旧クラフトフーズの北米事業を引き継いだ会社です。北米に特化しています。クラフトチーズ、冷凍食品や飲料等を展開しています。2015年にバフェット氏率いるパークシャー・ハサウェイや投資ファンド傘下のトマトケチャップ等で有名な食品メーカーHeinz(ハインツ)と経営統合しクラフトハインツ誕生しました。パスタソースはClassicoを軸に展開しています。事業構成としては、調味料・ソース事業、チーズ・乳製品事業、常温保存食事業、肉・魚食品、冷蔵・冷凍食品に分かれます。

2015年に米食品大手のクラフト・フーズと米HJハインツが経営統合。
統合後の新会社の規模は食品業界でも大手となる。
統合後の新会社(クラフトハインツ)の株主は旧クラフトの株主が49%、ハインツ株主が51%。パークシャーハザウェイと3Gキャピタルは合計で100億ドルの現金出資も同時に行う。プレミアムはクラフトの前日終値株価に26%を乗せた水準。
1869年創業のハインツはトマトケチャップに強み。グローバル展開にも成功している。
クラフトフーズは、旧クラフトフーズがモンデリーズとクラフトフーズに分社化されて誕生。北米を中心にチーズや冷凍食品に注力している。
本件統合の理由の一つには、北米中心のクラフトとグローバル展開するハインツの地域補完性があげられる。また製品に重複が少なく補完性もあり、コスト削減メリットもある。
1988年 フィリップモリスがクラフトフーズを買収
1989年 クラフトフーズとゼネラルフーズが経営統合
2000年 クラフトフーズとナビスコが経営統合
2005年 クラフトフーズがお菓子事業をWim Wrigley Jr社に売却
2006年 デルモンテがクラフトフーズからペット事業を買収
2006年 英United Biscuits社の南欧ビスケット事業を買収
2007年 アルトリアグループ(旧フィリップモリス)がクラフトフーズを分社化
2007年 クラフトフーズがダノンのビスケットとシリアル事業を買収
2008年 Post Cereals事業をRalcorp Holdings社へ売却
2009年 クラフトフーズが英食品大手のキャドバリー社を買収
2010年 クラフトフーズがネスレに米冷凍食品事業を売却
2012年 クラフトフーズがモンデリーズ・インターナショナルへ社名変更
2012年 米食品事をクラフトフーズとして分社化
2014年 コーヒー事業をJaccobs Douwe Egbertsへ事業統合
2014年 ベトナムKinh Do社のスナック事業を買収
2015年 味の素ジェネラルフーズの持分を味の素に売却
2015年 新クラフトフーズとハインツが経営統合

Danone(ダノン)

ダノンはフランスを代表する大手乳製品メーカーです。1919年にスペインのヨーグルトの会社として誕生し、1972年にフランスの食品会社であるBSNと経営統合することでダノンが誕生しました。ダノンブランドのヨーグルトは特に有名です。エビアンやボルビックといったミネラルウォーター事業も手掛けています。ダノンの事業は大きく以下の4つの事業から構成され、新興国で全体の半分を売り上げています。2017年にアクティビストファンドであるKeith Meister(キース・マイスター)氏率いるCorvex Management(コーベックス・マネジメント)が同社の株式を取得しています。

乳製品
乳製品の中でもヨーグルトに強みを持ちます。Danone、Activa(アクティビア)、Actimel(アクティメル)、Yocrunch等のブランドで世界展開しています。乳製品の分野の世界シェアランキングでは食品の巨人ネスレと首位を争います。

ベビーフード
乳幼児や育児用のミルクや離乳食をBlédina(ブレディア)、Dumex(デュメックス)、アプタミル、ミルパ等のブランドで世界展開しています。ベビーフードの分野の世界シェアランキングでもスイスのネスレと首位を争っています。

ミネラルウォーター
日本人も馴染みの深いエビアン、ボルヴィック等のブランドに加えアクア、マイゾーンやボナフォン等で世界展開を図っています。ミネラルウォーターの世界シェアランキングでは業界首位級です。
上記3事業に加え、ダノンは医療用栄養補助食品(メディカルニュートリション)や植物由来の食品事業(買収したホワイトウェーブ)も展開しています。

売上高の推移(億ユーロ)
2015年 224
2016年 219→中国のベビーフード事業の売却
2017年 247→ホワイトウェーブ買収効果
2018年 246
2019年 252

1970年 エビアンを買収
1972年 フランスの食品会社BSNと経営統合
1980年 ボルビックを買収
2000年 クローネンブルク等のビール事業をビール大手スコティッシュ・ニューキャッスルに売却(スコティッシュ・ニューキャッスルはその後ハイネケンとカールスバーグに共同買収されています)
2002年 イタリアのフレッシュチーズ会社でであるEgidio Galbaniを投資ファンドへ売却
2005年 HPブランドのソース事業をハインツに売却(ハインツはどの後クラフトフーズと経営統合しています)
2007年 オランダの医療用食品のロイヤル・ヌミコ(Numico)を買収
2007年 シリアル及びビスケット事業を約76億ドルでモンデリーズに売却
2008年 ニュージーランドの飲料大手フルコア(Frucor)をサントリーに売却
2009年 インドの財閥であるWadia Groupがビスケット大手であるBritannia Brandsを買収
2010年 中国のHuiyuan Juice(汇源果汁)の株式の一部を買収
2010年 米国のアイスクリームや冷凍カスタードを手がけるYoCreamを買収
2012年 インドのWockhardtより幼児食事業を355百万ドルで買収
2013年 モロッコの乳製品メーカーであるCentrale Laitiereの一部株式を買収
2014年 中国のベビーフード大手の雅士利国際(Yashili International)の株式25%を買収
2015年 中国のベビーフード会社(Dumex Baby)をYashiliへ売却
2016年 北米のオーガニック食品大手のホワイトウェーブ・フーズを買収
2017年 北米のオーガニックヨーグルトメーカーであるStonyfieldをラクタリスより875百万ドルで買収
2018年 中国のYashiliよりニュージランドの乳製品会社の49%を買収
2020年 英国の「元祖ボトルウォーター」として名高いHarogate Spring Waterを買収
2020年 ヤクルト株式を市場で売却トグルボックス内容
仏ダノンによる米国の大豆等に強いオーガニック食品企業ホワイトウェーブの買収。
買収総額は125億ドル。ホワイトウェーブの前日終値に対して19%のプレミアムを乗せた水準。
ホワイトウェーブは大豆などをベースにした有機食品に強く、消費者のヘルシーな食品へのニーズを捉えた成長を実現してきた。直近の売上高は40億ドル。
ダノンは、北米に強いブランド力を持つホワイトウェーブのホライゾンやヨーグルトのワラビーなどの健康食品ブランド乳製品や有機食品事業を買収することで、同地域での事業強化を図る。
オーガニック食品分野は消費者の健康志向から食品業界の中では成長領域。
ダノンが強みを持つヨーグルト等も広義の健康食品であり、ホワイトウェーブフーズの手掛けるオーガニック食品との親和性が高い。
ホワイトウェーブフーズは北米を中心に事業展開をしており、ダノンにとっては地理的な補完性を高める意味合いを持つ。

Associated British Foods(アソシエイティッド・ブリティッシュ・フーズ)

アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズは、英国に本拠を置く食品成分・食品メーカーです。ベーキングパウダー、イースト菌やラクトース等の食品添加物に強みを持ちます。紅茶は英国王室御用達のトワイニングス(Twinings)ブランドを世界展開。トワイニングといえば、アール グレイ(EARL GREY、ベルガモットの香りが吹き付けられたさわやかな紅茶)が有名です。2019年のグローサリー事業の売上高は35億ポンドです。ファストファッションはPrimarkブランド展開しています。砂糖はAB SugarにてBritish Sugarブランドで展開しています。酵素は、AB Enzymes(ABエンザイムズ)で展開しています。ベーキング、非デンプン多糖、洗剤、プロテアーゼ、フィードといった酵素を製造・販売しています。

1998年 米国の食品成分SPI Holdingsを買収

2002年 ノバルティスから食品・飲料事業を買収

2004年 豪州のBurns, Philips & Companyからイースト・ベーカリー大手のYeast and Bakery Ingredients Groupを買収

2005年 英国の小売りチェーンのLittlewoodsを買収

2006年 南アフリカの製糖メーカーのIllvo Sugarを買収(2016年完全買収)

2007年 英国のインド料理向け食品成分専業のPatak's Foodsを買収

2007年 中国の甜菜(ビートシュガー)大手のBo Tianを買収

2007年 オランダのイースト菌大手のGB Ingredientsを買収

2008年 スペインのパスタ大手のEbroグループから製糖メーカーのAzucarera Ebroを買収

2014年 英国のシリアル大手Dorset Cerealsを買収

 

Tyson Foods(タイソン・フーズ)

Tyson Foods(タイソン・フーズ)は世界最大手の食肉加工会社です。鶏肉、牛肉、豚肉を万遍なく手掛けています。2001年に当時世界最大手の牛肉加工会社のIBS(アイビーエス、米国)を買収しました。

JBS(ジェイビーエス)

Tyson Foodsと並ぶ食肉加工会社大手です。過去買収により拡大をし、2009年にブロイラー世界最大手のPilgrims Pride(ピルグリム・プライド、米国)を買収し業容を拡大しました。

Heineken Holdings(ハイネケンホールディングス)

ハイネケンは1860年代創業のオランダに本拠を置く大手ビール会社です。主要ブランドはハイネケン(Heineken)、Desperados、strongbow等があります。日本ではキリンと提携しています。2008年には、カールスバーグと共同で英国に本拠を置くビール大手のスコティッシュ・アンド・ニューキャッスルを買収しました。2018年には華潤ビールの持分を買収しています。

General Mills(ゼネラルミルズ)

General Mills(ゼネラルミルズ)は米国に拠点を置く1866年創業の食品メーカーです。発祥は小麦粉等を扱う製粉会社です。1928年に株式を上場しました。シリアル、缶詰スープ、インスタント食品、冷凍食品、スナック、クッキー、アイスクリーム、栄養バー等の事業を展開し、なかでもハーゲンダッツやチェリトス等のブランドが有名です。米国内でも売上比率が高く、国際展開を模索しております。ペットフード事業には2018年に自然食系ペットフードで有名なブルーバッファローを買収して参入しています。

シリアル:チェリオスブランドでシリアルを展開しています。ケロッグ等と競合しています。
スナック・クッキー:Betti Crocker(ベティ・クロッカー)、Nature VALLEY(ナチュラル・バレー)、ピルズベリー、アニーズ、チェックス、ビスクイック等のブランドを展開しています。栄養バー分野では世界シェア首位級です。
ヨーグルト:2011年にヨープレイトを買収し、強化を図っています。
缶詰スープ:プログレッソブランドで野菜スープ等を展開しています。
冷凍食品:冷凍野菜、冷凍パン生地、冷凍ピザに強みを持ちます。2015年に冷凍野菜事業をB&G Foodsに売却しました。また、アイスクリーム分野では、ハーゲンダッツブランドを有しており、アイスクリーム業界の世界シェアでは世界上位に位置します。

2000年 ドーナツやクッキー大手のPillsburyをディアジオから買収
2011年 ヨーグルト大手の仏ヨープレイトを買収
2012年 ブラジルのシリアル大手Yokiを買収
2014年 自然有機食品大手のAnnie'sを買収
2015年 冷凍野菜事業をB&G Foodsに売却
2016年 栄養バーのEPIC Provisionsを買収

ディアジオ(Diageo)

ディアジオ社は、1997年にギネスビールで有名なギネス社と食品・飲料大手のグランドメトロポリタン社が経営統合をして誕生した会社です。ギネス (Guinness & Co.) は、1756年に創業されたビール会社で、グランドメトロポリタン(Grand Metropolitan)は、1934年に設立されたグランドメトロポリタンホテルを出自とする会社でした。ケータリング大手のコンパスは同社のケータリング事業が分社化して誕生した経緯もあります。両社の経営統合後にカナダのシーグラム社をペルノ・リカール社と共同買収して業容を拡大しました。主なブランドは、ウォッカのスミノフ(Smirnoff)、スコッチのジョニー・ウォーカー(Johnnie Walker)、カナディアンウィスキーのクラウンロイヤル(Crown Royal)、ウォッカのケテルワン(Ketel One)、ラムのキャプテンモーガン(Captain Morgan)、ジンのゴードン、ビールのギネスです。中国の白酒メーカーの四川水井坊へも出資しています。日本においては2009年よりキリンと業務提携しました。2017年にジョージ・クルーニー氏が創業したテキーラ会社(Casamigos)を約10億ドルで買収、2019年はAviation Ginを買収しています。LVMHのモエヘネシーの34%の株式も保有しており、今後の業界再編の端緒として注目されています。

ディアジオのブランド一覧

Johnnie Walker、Smirnoff、Baileys、Guinness、Crown Royal、Yeni Raki、J & B、Buchanans、Windsor、Grand Old Parr、Bundaberg、Bell's、McDowell's、Ypioca、Cacique、Shui Jing Fang、Johnnie Walker 、The Singleton、Ketel One、Ciroc、Tanqueray Ten、Zacapa、Don Julio、Bulleit

2016年 105億ポンド
2017年 121億ポンド
2018年 122億ポンド
2019年 129億ポンド
2020年 117億ポンド
1997年 ギネスとグランド・メトロポリタンの経営統合によりディアジオ設立
2000年 ディアジオによるピルズベリーの加工食品部門のゼネラル・ミルズへの売却
2000年 ディアジオとペルノリカールによる加シーグラムのアルコール部門の共同買収
2008年 ディアジオによるオランダのウォッカメーカーのケテルワン(Ketel One)社の株式の50%の買収。創業家のNolet familyは引続き50%を所有。買収総額は900百万ユーロ。
2011年 ディアジオによるTPGとActeraからのトルコの蒸留酒メーカー最大手のメイ・イチキ(Mey Icki)の買収。買収総額は1,300百万ポンド。
2012年 ディアジオによるユナイテッド・スピリッツ(インド)の買収。
2012年 ディアジオによるブラジルのYpioca(イピオカ)買収。買収総額は約300百万英ポンド。イピオカはブラジルのCachaça(カシャーサ)メーカー。
2017年 ディアジオによるジョージ・クルーニー氏がオーナーでテキーラに強いカーサミーゴスの買収
2018年 白酒メーカーである四川水井坊(Sichuan Swellfun)の持分の買い増し
ビッグ・ピボット ― なぜ巨大グローバル企業が〈大転換〉するのか
Diageo [ペーパーバック]
Articles on Diageo Brands, Including: Bundaberg Rum, Smirnoff, Talisker, Diageo, Baileys Irish Cream, Lagavulin Single Malt, George Dickel, Johnnie Wa

業界関連図書

食品業界のページを作成するにあたり、以下の書籍を参考にさせて頂きました。
食品〈2018年度版〉 (産業と会社研究シリーズ) [単行本(ソフトカバー)]
2016年版冷凍食品業界要覧 [単行本(ソフトカバー)]
国内人口減少の中、東アジアを越える日本の食品企業 グローバル経営シリーズ [Kindle版]