食品飲料業界の世界市場シェアの分析

食品飲料メーカーの世界市場シェア、市場規模や業界ランキングについて分析を行っています。ネスレ、ペプシコ、コカ・コーラ、モンデリーズ、クラフトハインツ、ABインベブ、タイソン・フーズといった主要食品メーカーの概略や動向も掲載しています。

食品飲料業界の世界市場シェア

食品飲料メーカーの2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2020年の食品飲料業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はペプシコ、2位はネスレ、3位はJBSとなります。

食品飲料メーカーの市場シェアと業界ランキング(2020年)

  • 1位 ペプシコ 1.17%
  • 2位 ネスレ 1.07%
  • 3位 JBS 0.81%
  • 4位 アンハイザーブッシュ・インベブ 0.78%
  • 5位 タイソン・フーズ 0.72%
  • 6位 コカ・コーラ 0.55%
  • 7位 ハイネケン 0.48%
  • 8位 ダノン 0.47%
  • 9位 モンデリーズ 0.44%
  • 10位 クラフトハインツ 0.44%
  • 11位 WHグループ 0.43%
  • 12位 ユニリーバ 0.38%
  • 13位 サントリー 0.37%
  • 14位 マーズ 0.37%
  • 15位 アサヒグループホールディングス 0.32%

食品飲料メーカーの市場シェア(2020年)
食品飲料メーカーの市場シェア(2020年)

世界1位はペプシコです。飲料とスナック菓子の両軸での成長を目指しています。2位はネスレとなります。米国の豆乳大手であるホワイトウェーブを買収するなど、欧州・米国・アジアで事業を拡大しています。4位はビール業界からサブミラーを買収したアンハイザーブッシュ・インベブとなっています。ビール業界では断トツの1位です。3位と5位は食肉大手のJBSとタイソンが入っています。6位は飲料大手のコカ・コーラです。8位にはヨーグルトの雄のダノンが入っています。14位はM&Mチョコで有名なマーズです。日本勢では、サントリーホールディングスが13位、アサヒグループホールディングスが15位となっています。

市場規模

当サイトでは、6兆ドルを2020年の食品飲料業界の市場規模としています。参考にしたサイトは以下の通りです。調査会社のリサーチアンドマーケッツによると、2019年と2020年の同業界の市場規模は5兆9438億ドル、6兆1111億ドルです。2019年から2020年にかけて年平均2.9%で成長しています。調査会社のザビジネスリサーチカンパニーによると2020年の同市場規模は5兆8388億ドルです。2021年にかけて年平均6.1%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模成長率見込み
2020年6兆ドル6.1%
2019年5兆9438億ドルn/a
食品飲料業界の推定市場規模の推移
©業界再編の動向

世界の主要な食品飲料メーカーの概略

Cargill(カーギル)


カーギルは、米国に本拠を置く1865年の食糧関連以外にも金融や製造業を営むコングロマリット企業です。穀物メジャー筆頭格でもあり、肥料、食肉、製塩、ココア等の分野でも圧倒的存在感を示します。売上高は食品業界最大級の10兆円を優に超える規模ではあるものの、カーギル家とマクミラン家が所有する非公開会社です。

  • 穀物取引事業:
    大豆や小麦等の集荷・輸送・販売を行う穀物取引分野では世界市場シェアは最大級の規模です。穀物メジャーと言われるADM、ブンゲ(バンジ)、ルイドレフュスとともにABCDの一角を担っています。
  • 製塩事業:
    工業用の塩を製造販売しています。道路向けの凍結防止塩も手掛けています。製塩業界の世界シェアではK+Sや中国国家塩産業とともに世界トップ3の一角です。
  • 飼料事業:
    EWOSブランドで養殖向け飼料、Purina、Nutrena、Provimiで動物向け飼料を手掛けています。飼料業界の世界シェアでは、タイのチャロンポカパンや中国の新希望集団と上位の座を競っています。
  • カカオ・ココア事業:
    カカオの集荷、加工、ココアパウダー、チョコレートバターの販売までを手掛けています。カカオ・ココア業界の世界シェアでは、スイスのバリーカレボーやシンガポールのオラムインターナショナルと並ぶ業界最大手の一角です。
  • パーム油・製油事業:
    パーム油を含む油種の加工・販売を行っています。パーム油・製油業界の世界シェアでは、パーム油大手のウィルマ―インターナショナル、ADM、ブンゲ(バンジ)等と世界首位の座を競っています。
  • その他、カーギルはパスタソース(Pomarolaブランドを展開)、食肉分野、木綿取引、スターチ等の食品成分の分野でも事業を展開しています。

Nestle(ネスレ)

ネスレは、1866年に薬剤師のアンリ・ネスレ氏によって設立されたスイスに本拠を置く世界最大級の総合食品・飲料メーカーです。食品ではパスタのブイトーニやコンソメのマギー等、飲料ではネスカフェやミロ、乳製品、菓子類ではKitKatやCrunch等のチョコレートのブランドにて世界展開しています。2018年以降、アクティビストファンドであるサードポイントからの要請で、事業ポートフォリオの再構築を急いでいます。2019年には、投資ファンドのEQTパートナーズ、アブダビ投資庁およびPSPインベストメントに、同社のスキンヘルスケア事業を売却しました。スキンヘルスケア事業は、Proactive(プロアクティブ)やCetaphil(セタフィル)などのにきび防止用の洗顔料、保湿剤などのスキンケア用品などを展開しています。2021年にはKKRから栄養補助食品大手ザ・バウンティフル・カンパニーの主要ブランドであるネイチャーズバウンティ、ソルガー、オステオバイフレックスを買収しました。さらに詳しく

PepsiCo(ペプシコ)


米国に本拠を置く世界最大手の飲料・菓子メーカーです。飲料分野ではコカコーラと並ぶ世界最大手の一角です。菓子分野でも世界最大手級です。Lay's、Doritos、Cheetos、SunChips等が代表的なスナックブランドとなっています。
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Archer-Daniel Midland(ADM、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)は、1902年に米国のミネソタ州で設立された穀物商社・穀物メジャーです。設立当初は、リネン(亜麻)の圧搾加工に注力するなど、カーギル等と異なり穀物の加工事業から、現在の穀物メジャーの守備範囲である、穀物の集荷・流通・貯蔵・販売事業へと展開していきました。特に油糧種子加工、食品成分や香料事業に強みをもっています。
1997年にグレンコアのブラジル事業を買収する等して穀物メジャーとなりました。食品業界全体を見回しても、ネスレやコカコーラと売上規模では匹敵するジャイアントです。非公開企業が多い、穀物商社・穀物メジャーの中で、ブンゲ(バンジ)と同様にニューヨーク証券取引所に上場しています。地域でみると売上の約7割は米国、ドイツ、スイス、事業でみると穀物の集荷・貯蔵・販売事業が5割以上です。一方で利益の面では油糧種子加工が、収益源となっています。
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Bunge(ブンゲ)

米国に上場するカーギル、ADM、ルイドレファスと並ぶ1818年に創業の穀物商社の大手です。長らくBunge家が支配する同族会社でしたが、2001年にニューヨーク証券取引所に上場を果たしました。事業部門は大きく5つにわかれ、大豆やとうもろこし等の取引を行うアグリビジネス部門、食用油やその製品を取り扱う食用油事業、製粉事業、製糖事業、肥料事業に分かれています。従業員数は3万人程度です。2010年代後半には資源商社大手であるグレンコアや同業のADMとの経営統合を検討もしていたと噂されています。続きを読む

Louis Dreyfus Commodities(ルイ・ドレイファス・コモディティーズ)


1851年創業のスイス・ジュネーブに本拠を置く複合企業体です。発音はルイドレファスとされる場合もあります。穀物メジャーの一角を担います。ドレフュス家が支配する非上場会社です。穀物、油脂、米、コーヒー、綿、製糖、果物の取扱いに注力をしています。


Coca-Cola(コカ・コーラ)


米国に本拠を置く世界最大手級の飲料メーカーです。コカ・コーラブランドを全世界で展開しています。

1999年 キャドバリー社から南アフリカのソーダ事業を買収
2001年 米国の飲料メーカーのOdwalla社を買収
2005年 豪州のスープ・パッケージ食品大手のSPC Ardmona社を買収
2005年 トルコの飲料大手のEfes Sinai Tatrim社を買収
2006年 メキシコの飲料メーカーJugos del Valle社を買収
2007年 米飲料大手のFUZE Beverages社を買収
2007年 米国の機能性飲料メーカーのEnergy Brands社を買収
2011年 メキシコの飲料事業をGrupo Tampico社より買収
2011年 サウジアラビアの飲料・お菓子会社のAujan Industries社を買収
2015年 中国の機能性飲料会社のXiamen Culiangwang Beverage(カリアンワン)社を買収
2018年 英ウィットブレッドからカフェチェーンのコスタコーヒーを買収

Anheuser-Busch InBev(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)


2008年ベルギーのインベブ(インターブリューとアンベブの合併会社)とアンハイザー・ブッシュが合併して誕生した世界最大のビール会社です。ちなみにインターブリューはベルギーのアルトワ(Artois)とPiedboeufとの合併会社、アンベブ (AmBev)はブラジルのラーマ (Brahma) とアンタルチカ (Antarctica) の合併会社でした。主要ビールブランドはバドワイザー、レーベンブロイ(Löwenbräu)、ステラ・アルトワ(Stella Artois)、ベックス(Becks)、コロナ(Corona)等があります。中国ではハルビンビールを、メキシコではコロナで有名なグルポ・モデロ(但し、米国でのコロナの販売権はワイン大手の米コンステレーション・ブランズ が保有)を買収しています。日本ではアサヒと提携しています。2015年には英SABミラーを買収しました。その後ミラークアーズをモルソンクアーズへ、欧州・東欧・豪州のビール事業をアサヒへ、華潤の持分をハイネケンに売却しました。常に次の一手が注目されています。

ABインベブはどうやって業界1位になったか?

ビール業界の再編

出所:業界再編の動向


Mondelez International(モンデリーズ)


Mondelez International(モンデリーズ)は米国に本拠を置く大手菓子・食品メーカーです。食品・菓子大手のKraft Foods より分社化して誕生しました。Kraft Foods(クラフトフーズ)は北米事業に特化しています。Oreo(オレオ)やRitz(リッツ)、Cadbury(カドベリー)等のチョコ・ビスケット・スナックブランドも取り扱っています。さらに詳しく


Kraft Heinz(クラフトハインツ)


Kraft Heinz(クラフトハインツ)は、旧クラフトフーズの北米事業を引き継いだ会社です。北米に特化しています。クラフトチーズ、冷凍食品や飲料等を展開しています。2015年にバフェット氏率いるパークシャー・ハサウェイや投資ファンド傘下のトマトケチャップ等で有名な食品メーカーHeinz(ハインツ)と経営統合しクラフトハインツ誕生しました。パスタソースはClassicoを軸に展開しています。事業構成としては、調味料・ソース事業、チーズ・乳製品事業、常温保存食事業、肉・魚食品、冷蔵・冷凍食品に分かれます。2021年にナッツ事業をHormel Foodsへ売却しました。さらに詳しく


Danone(ダノン)


ダノンはフランスを代表する大手乳製品メーカーです。1919年にスペインのヨーグルトの会社として誕生し、1972年にフランスの食品会社であるBSNと経営統合することでダノンが誕生しました。ダノンブランドのヨーグルトは特に有名です。エビアンやボルビックといったミネラルウォーター事業も手掛けています。
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Associated British Foods(アソシエイティッド・ブリティッシュ・フーズ)


1935年にガーフィールド・ウェストン氏によって設立されたベーキング会社を源流とするアソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズは、英国に本拠を置く食品成分・食品メーカーです。ベーキングパウダー、イースト菌やラクトース等の食品添加物に強みを持ちます。紅茶は英国王室御用達のトワイニングス(Twinings)ブランドを世界展開。トワイニングといえば、アール グレイ(EARL GREY、ベルガモットの香りが吹き付けられたさわやかな紅茶)が有名です。ファストファッションはPrimarkブランド展開しています。砂糖はAB SugarにてBritish Sugarブランドで展開しています。酵素は、AB Enzymes(ABエンザイムズ)で展開しています。ベーキング、非デンプン多糖、洗剤、プロテアーゼ、フィードといった酵素を製造・販売しています。さらに詳しく


Tyson Foods(タイソン・フーズ)


Tyson Foods(タイソン・フーズ)は世界最大手の食肉加工会社です。鶏肉、牛肉、豚肉を万遍なく手掛けています。2001年に当時世界最大手の牛肉加工会社のIBS(アイビーエス、米国)を買収しました。


JBS(ジェイビーエス)


Tyson Foodsと並ぶ食肉加工会社大手です。過去買収により拡大をし、2009年にブロイラー世界最大手のPilgrims Pride(ピルグリム・プライド、米国)を買収し業容を拡大しました。


Heineken Holdings(ハイネケンホールディングス)


ハイネケンは1860年代創業のオランダに本拠を置く大手ビール会社です。主要ブランドはハイネケン(Heineken)、Desperados、strongbow等があります。日本ではキリンと提携しています。2008年には、カールスバーグと共同で英国に本拠を置くビール大手のスコティッシュ・アンド・ニューキャッスルを買収しました。2018年には華潤ビールの持分を買収しています。


General Mills(ゼネラルミルズ)

General Mills(ゼネラルミルズ)は米国に拠点を置く1866年創業の食品メーカーです。発祥は小麦粉等を扱う製粉会社です。1928年に株式を上場しました。シリアル、缶詰スープ、インスタント食品、冷凍食品、スナック、クッキー、アイスクリーム、栄養バー等の事業を展開し、なかでもハーゲンダッツやチェリトス等のブランドが有名です。米国内でも売上比率が高く、国際展開を模索しております。ペットフード事業には2018年に自然食系ペットフードで有名なブルーバッファローを買収して参入しています。さらに詳しく

ディアジオ(Diageo)

Diageo(ディアジオ)は、1997年にギネスビールで有名なギネス社と食品・飲料大手のグランドメトロポリタン社が経営統合をして誕生した会社です。
ギネス (Guinness & Co.) は、1756年に創業されたビール会社で、グランドメトロポリタン(Grand Metropolitan)は、1934年に設立されたグランドメトロポリタンホテルを出自とする会社でした。ケータリング大手のコンパスはグランドメトロポリタンのケータリング事業が分社化して誕生した経緯もあります。両社の経営統合後にカナダのシーグラム社をペルノ・リカール社と共同買収して業容を拡大しました。
主なブランドは、ウォッカのスミノフ(Smirnoff)、スコッチのジョニー・ウォーカー(Johnnie Walker)、カナディアンウィスキーのクラウンロイヤル(Crown Royal)、ウォッカのケテルワン(Ketel One)、ラムのキャプテンモーガン(Captain Morgan)、ジンのゴードン、ビールのギネスです。さらに詳しく

参照したデータの詳細情報について


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