ブンゲの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

米国に上場するカーギル、ADM、ルイドレファスと並ぶ1818年に創業の穀物商社の大手です。長らくBunge家が支配する同族会社でしたが、2001年にニューヨーク証券取引所に上場を果たしました。事業部門は大きく5つにわかれ、大豆やとうもろこし等の取引を行うアグリビジネス部門、食用油やその製品を取り扱う食用油事業、製粉事業、製糖事業、肥料事業に分かれています。従業員数は3万人程度です。2010年代後半には資源商社大手であるグレンコアや同業のADMとの経営統合を検討もしていたと噂されています。

売上高、営業利益、営業利益率の推移

2021年度
売上高は前年度比42.87%増の59,152百万円になりました。営業利益は49.19%増の2,129百万円になりました。営業利益率は3.60%になりました。

ブンゲの業績推移

ブンゲの業績推移

売上構成

ブンゲの2021年売上構成

ブンゲの2021年売上構成

全体の売上の7割はアグリビジネス部門が担っています。他の大手穀物商社と同様に農家からの買付け、集荷、保管、運搬、輸出まで一貫して行えるバリューチェーンを保有していることが強みです。特に大豆の取扱いでは世界最大級です。

バンジの大豆事業

バンジの大豆事業
出所:同社AR

次に大きいのは、食用油事業です。全体売上の約2割を占めます。食用油、ショートニング、マーガリン、マヨネーズ等を手掛けています。2017年にはマレーシアのIOI Loders Croklaanを買収し、事業拡大を図っています。この分野では、カーギル、スウェーデンの大手油脂メーカーであるAAK、ウィルマ―、ユニリーバ等と競合しています。製糖事業は、製糖大国であるブラジルでのさとうきび事業、バイオエタノール事業が中心です。英のABシュガー等と競合しています。製粉事業や肥料事業は全体に占める割合は小さくなっています。

主要なM&A

2004年 油糧種子大手のCereolを買収。
2008年 マーガリン大手のWalter Rauを買収。
2009年 マーガリン事業を食品成分会社のRaisio Groupから買収。
2013年 メキシコの製粉会社であるAltex(アルテックス)の買収
2015年 ブラジルの製粉会社であるMoinho Pacificoの買収
2017年 マレーシア油脂大手のIOI Loders Croklaanの株式70%を946百万ドルでパーム油大手のIOI Corpから買収
2018年 Grupo Minsaからの製粉事業の買収
2019年 北米の穀物エレベーター事業を全農へ売却
2019年 ブラジルのマーガリン・マヨネーズ事業をJBSへ売却

株主構成

機関投資家が主要株主となっています。

ブンゲの株主構成(直前期末時点)

ブンゲの株主構成(直前期末時点)

株価の推移

2020年後半から穀物生産大国での新型コロナ拡大の影響によって輸出が減少し、ブンゲの基盤である北米穀物の需要、特にいち早く新型コロナを克服した中国などからの需要が高まり、株価は堅調に推移しています。


市場シェア

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