ダイキンの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

ダイキンは、1924年に山田晁氏によって設立された日本を代表する空調機メーカーです。旧社名は大阪金属工業所で、飛行機向けのラジエーターチューブが祖業です。現在は、産業用の冷暖房空調機では世界トップ級です。ダクト方式に強い米グッドマンやマレーシアのエアコン大手OYL社を買収し、世界的に事業を展開しています。国内ではパナソニックと家庭用エアコンの分野で競っています。フッ素化合物などの化学品事業も行っています。

業績推移(年次)

2022年度
売上高は前年度比28.06%増の3,981,578百万円になりました。営業利益は19.18%増の377,032百万円になりました。営業利益率は9.47%になりました。エネルギーコストの上昇や中国での新型コロナウイルス感染拡大などの影響を受けながらも、計画を上回る過去最高業績を更新しました。

ダイキンの業績推移

ダイキンの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比23.38%増の995,911百万円になりました。営業利益は24.94%増の73,275百万円になりました。営業利益率は7.36%になりました。米州・アジアでの販売拡大が目立ち、特に中国ではコロナのパンデミック収束後の需要拡大につながりました。欧州では前年度に引き続きヒートポンプ式温水暖房機器の販売が伸びました。空調・化学事業共に増収増益になりました。

2022年第3四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比29.98%増の965,877百万円になりました。営業利益は22.92%増の82,103百万円になりました。営業利益率は10.82%になりました。中国でのゼロコロナ制作による行動制限ならびに12月上旬からの行動制限撤廃による感染爆発の影響で、販売が減収しましたが、他地域での販売を拡大したことで、増収増益となりました。

2022年第2四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比38.45%増の1,052,035百万円になりました。営業利益は36.36%増の113,794百万円になりました。営業利益率は10.82%になりました。米国事業や公衆でのヒートポンプ式暖房機が好調となり、前年同期比増収増益になりました。

2022年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比21.12%増の967,755百万円になりました。営業利益は-1.28%の107,860百万円になりました。営業利益率は11.15%になりました。米州の空調やフッ素化学製品などの化学品事業が好調でしたが、原料高の影響も大きく、前年同期比増収減益になりました。

2021年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比23.86%増の807,167百万円になりました。営業利益は28.86%増の56,849百万円になりました。営業利益率は7.04%になりました。化学事業で半導体、自動車向けが伸びています。空調は家庭用向けの上位機種が好調です。

ダイキンの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比18.37%増の880.05円になりました。1株当たりの配当は前年度比20%増の240円になりました。配当性向は27.27%になりました。

業績予想

2023年5月9日
2023年度通期の売上高は4,100,000百万円、営業利益は400,000百万円、営業利益率は9.76%、1株配当は240円を見込みます。

売上構成

セグメントは、空調事業、化学事業、その他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

ダイキンの売上構成(2022年度)

空調・冷凍機事業
ルームエアコン、空気清浄機、ヒートポンプ式給湯機、遠赤外線暖房機、ヒートポンプ式温水床暖房、パッケージエアコン、スポットエアコン、空気清浄機、脱臭機、遠赤外線暖房機、全熱交換器、換気扇、ウォーターチリングユニット、アンモニアブラインチリングユニット、ターボ冷凍機、スクリュー冷凍機、ファンコイルユニット、エアハンドリング、ユニット、ルーフトップ、低温用エアコン、フリーザー、冷凍・冷蔵ショーケース、エアフィルタ、工業用集塵装置、海上コンテナ冷凍装置、舶用エアコン、舶用冷凍機などの製造販売を行っています。

化学品事業
冷媒、四フッ化エチレン樹脂、溶融タイプ樹脂、フッ素ゴム、フッ素、塗料、フッ素コーティング剤、半導体用エッチング剤、撥水撥油剤、離型剤、界面活性剤、フッ化カーボン、フッ素オイル、医農薬中間体、溶剤脱臭装置、ドライエア供給装置などの製造販売を行っています。

直近のM&A(合併買収)

空調や化学品分野での地域や技術補完的なM&Aを行っています。

2007年 マレーシアの大手空調メーカーOYLを買収
2008年 ドイツの暖房機器メーカーであるテックスを買収
2011年 トルコの空調機器メーカーであるエアフェルを買収
2012年 米国の大手空調メーカー グッドマンを買収
2015年 化学メーカーソルベイから欧州の冷媒事業を買収
2016年 米国のエアフィルターメーカーフランダースを買収
2017年 イタリアのフッ素樹脂コンパウンドメーカーヘロフロンを買収
2018年 商業用冷凍器メーカーのAHTを買収
2020年 ダイキンによる空調販売店のアブコ、ロビンソン、スティーブンスの買収
2021年 ダイキンによる空調卸のサーマルサプライや業務用空調販売のエアレップスの買収
2022年 イタリアの総合油圧機器メーカー デュプロマティックMS社
2022年 ダイキンによる米通信機器大手ベンスターの買収
2023年 ダイキンによる米空調・住宅用建築資材販売大手のウィリアムズディストリビューティングの買収
2023年 ダイキンによる米アライアンスエアープロダクツとCM3ビルディングソリューションの買収

市場シェア

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