三菱電機は、1921年に設立された日本を代表する総合電機メーカーです。重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器のセグメントで事業を展開しています。エレベーターは重電システムのビルシステム事業で展開しています。産業用ロボットは産業メカトロニクスで、霧ヶ峰ブランドで有名な空調やエアコンは家庭電器セグメントに含まれます。空調分野は特にM&Aに積極的で、業務用空調分野では2015年にDe’Longhi(デロンギ)のイタリアの子会社のDeLclima(デルクリマ)社を買収して、欧州市場にて業績拡大を目指しています。北米では2018年にインガソールランドによるダクトレス空調機販売の合弁会社を設立しました。
業績推移(年次)
2021年度
売上高は前年度比6.81%増の4,476,758百万円になりました。営業利益は9.49%増の252,051百万円になりました。営業利益率は5.63%になりました。FAシステムはデジタル・脱炭素関連、家庭電器は欧米向けの空調機器が好調に推移し、前年度比増収増益になりました。

三菱電機の業績推移
業績推移(四半期)
2022年第2四半期(7-9月)
売上高は前年同期比18.65%増の1,271,844百万円になりました。営業利益は-15.48%増の46,538百万円になりました。営業利益率は3.66%になりました。一部素材価格の上昇に加え、物流費上昇や電子部品の需給逼迫に伴う操業度低下によるライフ部門の悪化、インフラ部門の採算悪化により、前年同期比増収減益になりました。
2022年第1四半期(4-6月)
売上高は前年同期比0.12%増の1,067,723百万円になりました。営業利益は-58.96%の33,965百万円になりました。営業利益率は3.18%になりました。
2021年第4四半期(1-3月)
売上高は前年同期比3.57%増の1,295,495百万円になりました。営業利益は-33.11%の61,862百万円になりました。営業利益率は4.78%になりました。
2021年第3四半期(10-12月)
前年同期比減減益になりました。FAシステムや家庭電器、電子デバイスの受注は堅調に推移しているものの、部材調達難などが影響し、自動車部品や空調機器事業に影響が出たことが主因です。

三菱電機の四半期業績推移
EPS・配当額・配当性向の推移
希薄化後EPSは前年度比-21.01%の95.41円になりました。1株当たりの配当は前年度比11.11%増の40.00円になりました。配当性向は41.92%になりました。

三菱電機のEPS・1株配当・配当性向の推移
売上構成
2021年度売上構成
引続き産業メカトロニクス、重電システム、家庭電器が三本柱です。

2021年度の三菱電機売上構成
セグメント別の事業内容
産業メカトロニクス
FAシステム(シーケンサ、HMI、ACサーボ、インバータ 、CNC、放電加工機、レーザ—加工機、ロボット、三相モータ、ギヤードモータ、配電制御機器)、自動車機器(スタータ、オルタネータ、カーマルチメディア、電動パワーステアリング)
重電システム
電力システム(タービン発電機、水車発電機、原子力機器、電動機)、交通システム(車両用電機品)、ビルシステム(エレベーター、エスカレーター、ビルセキュリティーシステム、ビル管理システム)、公共システム(水環境システム、防災システム)、映像監視システム
家庭電器
空調冷熱システム、換気・給湯・照明機器といった住宅設備、キッチン家電・生活家電
情報通信システム
宇宙システム(人工衛星、管制局等)、防衛システム(レーダー装置、アンテナ)、通信システム、ITソリューション
電子デバイス
SiCモジュール、IGBTモジュールといったパワーデバイス、GaNなどの高周波・光デバイス
三菱電機のビジネスユニット毎の売上構成の推定
セグメントよりももう一段詳細なビジネスユニット別の売上構成を推定しています。
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三菱電機の製品別推定売上構成(2021年度)
ビルシステムは主にエレベーターです。同社は1931年からエレベーターの部品製造に参入しており、日本国内では最大手です。愛知県の稲沢製作所がエレベーターのマザー工場です。中国、インドにも製造拠点を設け、メンテナンス体制とともに世界展開を進めています。
主なM&A
2015年 イラリアのDeLclima(デルクリマ)の完全子会社化
2018年 米国のIngersoll Rand(インガソールランド)と空調機販売合弁会社設立
2019年 システム監視とプロセス制御に強い米ICONICSの買収
2022年 スウェーデンにおいて昇降機事業を展開するMotum(モートム)を買収