シュナイダーエレクトリックの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

シュナイダーエレクトリックはフランスに本社を置くグローバルな電気機器メーカーです。欧州の株式市場全体の動きを示す代表的な株価指数であるユーロ・ストックス50の構成銘柄にもなっています。1836年に創業し、戦時中に軍事産業で規模を拡大させ、戦後には総合メーカーとなりました。1980年代からは鉄鋼・造船業から撤退し、戦略的買収を繰り返して電気事業に注力。現在はエネルギー管理システムと産業用オートメーション機器のメーカーとして事業を行っています。

業績推移(年次)

2018年度
売上高は前年度比3.9%増の257.2億ユーロになりました。売上増加の要因は、ユーロとドルの為替変動の影響や、AVEVAとASCOを合併したことによるものです。営業利益は33.9億ユーロになりました。営業利益率は13.2%で、前年の13.0%と比較して大きな変化はありません。

2019年度
売上高は前年度比5.5%増の271.5億ユーロになりました。売上増加の要因は企業買収に伴う影響と、ドルとユーロの為替変動が売上を増加させる側へ作用した為です。営業利益33.9億ユーロになりました。営業利益率は12.5%で、前年の13.2%と比較して大きな変化はありません。

2020年度
売上高は前年度比7%減の251.5億ユーロになりました。売上減少の要因は一部事業の処分や非連結化に加え、ドルとユーロの為替変動が売上を減少させる側に作用した為です。営業利益は30.8億ユーロになりました。営業利益率は12.3%で、前年の12.5%と比較して大きな変化はありません。

2021年度
売上高は前年度比15%増の289億ユーロになりました。同社の両輪であるエネルギー管理システム事業と産業自動化事業は共に、同社が展開する世界中の各セグメントにおいて売上増を記録し、末端市場における強い需要が主な売上増加の原因と言えます。営業利益は43.3億ユーロになりました。営業利益率は2018年~2020年までの12%~13%台から15%へと上昇しました。インフレに伴う価格の見直しと業務の効率化が、営業利益率を上昇させた主な要因です。

2022年度
売上高は前年度比18.2%増の341.7億ユーロになりました。末端市場における強い需要が売上増加の主な原因です。営業利益は49.3億ユーロになりました。営業利益率は14.4%で、前年の15.0%と比較して大きな変化はありません。

シュナイダーエレクトリックの業績推移
シュナイダーエレクトリックの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比15.9%増の75.6億ユーロになりました。世界全てのセグメントで軒並み売上が増加しており、末端市場における強い需要がこの成長を支えていると言えます。

2022年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比17.4%増の85.1億ユーロになりました。エネルギー管理システム事業が、この売上増加に最も貢献しています。

2022年第3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比21.5%増の87.7億ユーロになりました。北米、西ヨーロッパ、アジアのセグメントで11%~16%の売上増加率を記録。また、ユーロに対するドルと元の為替変動は売上を増加させた要因のひとつです。

2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比17.8%増の93.2億ユーロになりました。北米での売上増加が今回の売上増の最も大きな要因で、北米での末端市場の強い需要がこの成長を支えています。

2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比12.2%増の84.9億ユーロになりました。同社の両輪であるエネルギー管理システム事業と産業自動化事業が共に2桁%の成長率であると共に、世界中の各セグメントでも2桁%の成長率を記録しました。既存事業が全体的に成長しているため、売上12%の増加につながりました。

シュナイダーエレクトリックの半期業績推移

シュナイダーエレクトリックの半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比16%増の7.11ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度比8.6%増の3.15ユーロになりました。配当性向は44%になりました。

シュナイダーエレクトリックの希薄化後EPSの推移
シュナイダーエレクトリックのEPS・配当額・配当性向の推移

業績予想


2023年7月
通期の業績を上方修正しました。今期の対前年比売上成長率は10%~13%を予想していましたが、11%~13%に修正。営業利益(EBITA)における対前年比成長率は16%~21%を予想してましたが、18%~23%に修正されました。

売上構成

セグメントは、エネルギー管理システム事業と産業用自動化事業に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

セグメント別売上構成(2021年度)
セグメント別売上構成(2022年度)

エネルギー管理システム事業
ビル、データセンター、電力インフラ、工場、等に向けたエネルギーマネジメントを実施。電力の送配電や発電なども行っている。

産業用自動化事業
工場で使用する電気機器を製造。2022年からは提携や買収を通じて自動車業界での存在感を高め、6月には米インテルと提携して産業用IoT技術の拡大に着手。

M&A情報

エネルギー管理に加え、産業用IoTやEV向けの充電スタンド、またエネルギー設備の運営やメンテナンスも行うEaaS(エネルギー・アズ・ア・サービス)、VPP(仮想発電所)といった分野も強化しています。

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