エマソンの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

Emerson Electric(エマソンエレクトリック)は、1890年創業の米国を代表するコングロマリット企業です。交流モーターが祖業ですが、モーター事業は日本電産に売却しております。現在は自動制御装置、計測・分析機器や精密空調、配管工具といった分野で事業を展開しています。プラント向けのプロセスオートメーションにも強みを持ちます。オートメーション分野の更なる強化に向け、選択と集中を図っています。

業績推移(年次)

2022年度
売上高は前年度比7.64%増の19,629百万ドルになりました。営業利益は前年度比8.15%増の3,316百万ドルになりました。営業利益率は16.89%になりました。

2021年度
前年同期比増収増益になりました。バルブや計測機器は需要減となりましたが、ソフトウェアやソリューション事業は好調でした。また住宅向けの空調関連事業も堅調に推移しました。

エマソン・エレクトリックの業績推移

エマソン・エレクトリックの業績推移

業績推移(四半期)

2022年7-9月
売上高は前年同期比8.35%増の5,360百万ドルになりました。営業利益は前年同期比13.84%増の987百万ドルになりました。営業利益率は18.41%になりました。

2022年4-6月
売上高は前年同期比6.56%増の5,005百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-8.77%の749百万ドルになりました。営業利益率は14.97%になりました。

2022年1-3月
売上高は前年同期比8.12%増の4,791百万ドルになりました。営業利益は前年同期比11.35%増の863百万ドルになりました。営業利益率は18.01%になりました。

2021年10-12月
売上高は前年同期比7.50%増の4,473百万ドルになりました。営業利益は前年同期比23.55%増の745百万ドルになりました。

2021年7ー9月
売上高は、前年同期比増収となりました。コストの抑制と需要の回復が追い風となりました。

エマソン・エレクトリックの四半期業績推移

エマソン・エレクトリックの四半期業績推移

事業構成

オートメーション事業(測定分析、バルブ、アクチュエータ、レギュレータ、インダストリアルソリューションズ、システムソフトウェア)、空調事業と配管作業用工具事業が主軸となっています。

エマソンエレクトリックの売上分析(2022年度)

エマソンエレクトリックの売上分析(2022年度)

計測機器
コリオリ式ダイレクトマスフロー、磁気フロー、ボルテックスフロー、超音波フロー、差圧、超微小流体計測、腐食計測、音響計測、温度センサー、レーダー式タンクゲージ、磁気レベルゲージなどが主要な製品です。ガソリンの貯蔵タンクからタンクローリーへの移送など、流体の移送量を正確に計測し、正確な資産管理に役立てるカストディー・トランスファー用途で多く使用されています。

分析機器
プロセスガスクロマトグラフ、in-situ酸素分析計、赤外線ガスおよびプロセス流体分析計、燃焼分析計およびシステム、pH、導電率および水質を測定する分析計が主要製品です。可燃性ガス、毒性ガス、炎を検知するセンサーなどで使用されています。

バルブ、アクチュエータ、レギュレータ
コントロールバルブ、アイソレーションバルブ、プレッシャーリリーフバルブ、圧力リリーフバルブ、真空リリーフバルブ、ゲージバルブなどの開発製造を行っています。

インダストリアルソリューションズ
電磁弁、空圧バルブ、バルブポジションインジケーター、空圧シリンダーとアクチュエーター、空気調整装置、圧力・真空・温度スイッチ、自動車用アッセンブリー、電線管やケーブル継手、プラグなどのレセプタクル、産業用照明、筐体、制御機器など、通電・無通電の配電機器用部品、超音波接合および洗浄装置、リニアおよびオービタル振動溶接装置、ホットプレート、スピンおよびレーザー溶接用システム、水系・半水系・蒸気系洗浄装置などを開発製造しています。

オートメーションシステムソフトウェア
プラント内の計測機器から情報を収集・分析し、その情報をもとにバルブ、ポンプ、モーター、ドライブなどの制御ハードウェアを調整し、製品の品質とプロセスの効率性・安全性を最大限に高めることでプラントのプロセスを制御するプロセス制御システムおよびソフトウェアを提供しています。

空調事業
住宅用冷暖房、業務用空調、業務用・産業用冷蔵、コールドチェーンマネジメントなど、気候制御系の製品やサービスを提供しています。

配管作業用工具
パイプレンチ、パイプカッター、パイプスレッディングおよびロールグルービング装置、機械式圧着チューブ接合システム、ドレンクリーナー、チューブツール、閉回路テレビパイプ検査・位置確認装置などの診断システム、ウォータージェッター、ウェットドライバキューム、業務用バキューム、ボルトカッターなどの製品を開発製造しています。

主なM&A(合併買収)

システムやソフトウェア技術で補完性がある企業を積極的に買収、またノンコア事業の売却を行っています。

2016年 データセンター向けの無停電電源やスイッチ等を手掛けるNetwork Power事業(現Vertiv)をプラチナエクイティに売却
2016年 制御弁に強いPentair Valves & Controlsを買収
2016年 コールドチェーンマネジメントに強いPakSense&Locus Traxxを買収
2017年 モーター、ドライブ事業と発電機事業を手掛けるLeroy-SomerとControl Techniquesを日本電産に売却
2019年 GEからプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)技術を提供するIntelligent Platforms事業を買収
2019年 クラウドベースの監視制御およびデータ収集プラットフォームを提供するZediを買収
2020年 IoTプロバイダーのProgea Groupを買収
2020年 オートメーションソリューションズのソフトウェア開発会社のオープンシステムズインターナショナルを買収
2022年 空調事業をブラックストーンへ売却
2022年 食品ディスポーザー事業(SinkErator)をワールプールへ売却
2022年 アスペン・テクノロジー(アスペンテック)と工業用ソフトウェア事業を統合

市場シェア

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