美的集団は、1968年に何享健(He Xiangjian)氏が設立した世界有数の家電メーカーです。1993年の深セン上場を経て、現在では空調・洗濯機等の家電に加え、KUKAを傘下に持つ産業用ロボットや自動化ソリューション、商業・ビル用システムまで多角化を加速しています。
2024年には香港証券取引所にも上場を果たし、グローバル資本市場でのプレゼンスを強化しました。創業家が大株主として関与を続ける中、ハードウェア製造の知見を基盤に、産業・ビジネス分野のDXを牽引す
業績推移(年次)
2021年度
売上高は前年度比21.03%増の3,433億元になりました。営業利益は前年度比5.68%増の332.8億元になりました。営業利益率は9.69%になりました。
海外でのシェアを伸ばすため、米国、ブラジル、ドイツ、日本、ASEANに注力した結果、海外のeコマース市場売上は前年比65%増を達成しました。
2022年度
売上高は前年度比0.68%増の3,457億元になりました。営業利益は前年度比4.45%増の347.6億元になりました。営業利益率は10.06%になりました。
中国市場での商業用エアコンシェア首位維持、白物家電部門の主力ブランドである東芝とCOLMOが前年比50〜90%売上増、住宅用エアコン向けコンプレッサーの世界シェアの44%を占めるなど、全セグメントにおいて順調な成長が見られました。
2023年度
売上高は前年度比8.10%増の3,737億元になりました。営業利益は前年度比15.98%増の403.2億元になりました。営業利益率は10.79%になりました。
海外経済の変動、通貨の動向などにより事業環境は依然として厳しい状況が続いてきた中、コア事業と製品に引き続き注力しました。事業の回復力と長期的で質の高い成長を示しました。
2024年度
売上高は前年度比9.47%増の4,090億元になりました。営業利益は前年度比15.07%増の463.9億元になりました。営業利益率は11.34%になりました。
2024年には香港証券取引所への上場を果たし、グローバル資本市場でのプレゼンスをさらに強化しました。
2025年度
売上高は前年度比12.08%増の4,585億元になりました。営業利益は前年度比14.19%増の529.8億元になりました。営業利益率は11.55%になりました。
AIやインテリジェント化の取り組みを深化させ、業務効率の向上と産業エコシステムの再構築を推進したことで、厳しいグローバル経済環境下でも強固なビジネス基盤を維持しています。

美的集団の業績推移
業績推移(四半期)
2024年第4四半期(10ー12月) 売上高は前年同期比34.82%増の1,096.4億元になりました。営業利益は145.4億元、営業利益率は13.26%になりました。
2025年第1四半期(1ー3月) 売上高は前年同期比20.61%増の1,284.3億元になりました。営業利益は151.2億元、営業利益率は11.77%になりました。
2025年第2四半期(4ー6月) 売上高は前年同期比10.99%増の1,239.0億元になりました。営業利益は161.3億元、営業利益率は13.02%になりました。
2025年第3四半期(7ー9月) 売上高は前年同期比9.94%増の1,123.9億元になりました。営業利益は144.9億元、営業利益率は12.89%になりました0。
2025年第4四半期(10ー12月) 売上高は前年同期比14.46%減の937.9億元になりました。営業利益は72.4億元、営業利益率は7.72%になりました。

美的集団の四半期業績推移
EPS・配当額・配当性向の推移
希薄化後EPSは前年度比6.27%増の5.76元になりました。1株当たりの配当は前年度比22.86%増の4.3元になりました。配当性向は74.65%になりました。

美的集団のEPS・1株配当・配当性向の推移
業績予想
2025年年次報告書には業績予想に関する具体的な数字を伴った記載はありませんでした。
⑥売上構成
美的集団は、2021年および2022年にかけて組織構造の転換を明確に進めました。
具体的には、従来の「家電+ロボット」という製品カテゴリー別の枠組みを解消し、より明確なB2B(企業向け)市場での成長を戦略の柱とするため、現在の「5つの主要セグメント(ビジネスユニット)」体制へと再編しています。
セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

美的集団のセグメント別売上構成(2025年度)
スマートホーム事業
スマートホーム事業の主力セグメントで、空調や冷蔵庫、洗濯機などの白物家電を主に製造・販売しています。その他の商品としては、キッチン家電や掃除機があります。前年比11.28%増と安定した成長を遂げています。
ビルテクノロジー
ビルテクノロジー事業の1つに分類されるセグメントで、業務用空調やエレベーターシステムを主に製造・販売しています。その他の商品としては、建物用エネルギー管理システムがあります。前年比25.72%増と急成長中です。
ロボット・オートメーション
ロボット事業の1つに分類されるセグメントで、産業用ロボットや自動化システムを主に製造・販売しています。その他の商品としては、物流オートメーション機器があります。安定した市場シェアを維持しています。
工業技術
工業技術事業の1つに分類されるセグメントで、コンプレッサーやモーターなどの精密部品を主に製造・販売しています。その他の商品としては、半導体関連デバイスがあります。前年比10.24%増と堅調に推移しています。
その他イノベーション事業
その他イノベーション事業の1つに分類されるセグメントで、新たな成長領域の製品を主に製造・販売しています。その他の商品としては、デジタルプラットフォームサービスがあります。前年比26.94%増と高い成長力です。
この10年間のM&Aは、「製造業の自動化(KUKA)」×「グローバルブランド(東芝・Clivet)」×「制御技術(Servotronix)」×「エネルギー管理(合康新能)」という強力な組み合わせを創り上げました。その結果、同社は家電需要の波に左右されにくい、強固な産業向けビジネス基盤を構築してきたと考えられます。
2016年:KUKA(ドイツ):産業用ロボット事業の買収
2016年:東芝・白物家電部門(日本):白物家電事業の買収
2016年:Clivet(イタリア):業務用空調事業の買収
2017年:Servotronix(イスラエル):モーションコントロール技術企業の買収
2020年:合康新能(中国):産業用インバーター・エネルギー管理企業の買収