家電業界

家電・電機業界の世界市場シェア、ランキング、業界再編と市場規模について分析をしています。ワールプール 、ハイアール 、エレクトロラックス 、BSH、Philips(フィリップス)、美的集団 、パナソニック 、LG等世界大手家電メーカーの一覧も掲載しています。

世界市場シェア


家電業界の市場シェアを算定するにあたり、分子には「家電メーカーの世界売上高ランキング(2020年版)」における家電各社のドル建て売上高を、分母には家電業界の2019年の市場規模2950億ドルを採用しています。
これらの数値をもとに家電メーカーの2019年の世界シェアを算出すると以下の通りとなります。

1位 Samsung 12.5%
2位 Haier Electronics 8.7%
3位 パナソニック 6.5%
4位 Whirlpool 6.3%
5位 LG Electronics 6.0%
6位 Midea Group 4.9%
7位 B/S/H 4.9%
8位 Electrolux 4.0%
9位 SEB Group 2.4%
10位 Philips 2.1%
11位 Sharp 1.9%
12位 Dyson 1.8%
13位 Arcelik 1.7%
14位 Hitachi 1.5%
15位 Miele & Cie 1.2%
16位 Hisence 0.7%

1位は不動のサムスンです。サムスンのプレゼンテーション(2020年インベスタープレゼンテーション)によれば、ホームアプライアンス事業は9年連続市場シェア1位となっております。
2位は中国のハイアールです。日本の三洋電機や米国GEの家電事業を買収してプレミアム領域にも積極的に展開しています。
3位は日本のパナソニックです。日本の電機メーカーで、特にアプライアンスと言われる、家電の領域に注力しており、海外展開を積極的に目指しています。東芝が美的集団の、シャープが台湾のホンハイの傘下となり、純粋日系企業として総合家電としてフルレンジの商品を有するのはパナソニックと、14位の日立のみとなりました。
4位には米国のワールプールが入っています。メイタグやキッチンエイドなどのブランドで主に白物家電で強みを発揮しています。
5位は韓国のLGエレクトロニクス、6位は中国の美的集団とアジア勢が並びます。
7位は欧州勢からボッシュとシーメンスの、家電合弁会社として設立され、現在は独ボッシュ傘下のBSHです。デザイン力に優れた、大型家電やキッチン家電に強みを持ちます。
スウェーデンのエレクトロラックス、フランスのSEB、オランダのフィリップスとなっています。フィリップスは家電は、小型やキッチン向け家電に注力しています。照明事業は分社化して切り離しました。
12位のダイソンは、吸引力に訴求した掃除機や斬新なアイディアの製品をだし、トップ10入りを狙えるポジションとなりました。

市場規模

サムスン社の「2020年のインベスタープレゼンテーション」によれば、2019年の世界の家電市場の規模は2950億ドルと推計されています。

主な再編事例

2006年 WhirlpoolによるMay Tag(メイタグ)の買収
買収総額(企業価値)は26億ドル。EBITDAマルチプルは12.3倍

2006年 PhilipsによるNXPセミコンダクターのKKR等投資ファンドへの売却

2007年 Philipsによる米国のアウトドア照明大手であるGenlyte Groupの買収
買収総額(企業価値)は27億ドル。EBITDAマルチプルは11.4倍

2009年 PhilipsによるオランダのコーヒーマシンメーカーであるSaeco Internationalの買収

2010年 Spectrum Brandsによる米Russel Hobbsの買収

2010年 ElectroluxによるエジプトのOlympic Groupの買収

2011年 フランスのSEBによる中国キッチン・小型家電Suporの買収

2011年 トルコのArcelikによる南アフリカのDefy Appliancesの買収

2011年 ElectroluxによるチリのCIT買収

2012年 KKRによるコーヒーマシーンメーカーの独WMF買収

2012年 Middlebyによる米Viking Rangeの買収

2013年 Whirlpoolによる合肥三洋の買収

2014年 WhirlpoolがイタリアのIndesitを約22億ドルで買収
EBITDAマルチプルは9.8倍

2015年 Middlebyによる英国のAGA Rangemasterの買収

2016年 HaierによるGE Applianceの買収

2016年 Midea(美的集団)による東芝ライフスタイルの買収

2016年 ホンハイによるシャープの買収
買収総額(企業価値)は25億ドル。EBITDAマルチプルは15.4倍

2016年 PhilipsによるオランダのコーヒーマシンメーカーであるSaeco InternationalのN&W Global Vendingへの売却

2016年 サムスン電子による音響大手であるHarman Internationalの買収
買収総額(企業価値)は86億ドル。EBITDAマルチプルは10.7倍

2017年 Midea(美的集団)による中国のWuxi Little Swanの買収

世界の主要な家電メーカーの一覧

Whirlpool(ワールプール)

ワールプールは1911年に設立された米国に本拠を置く家庭電化製品を手掛ける世界最大級の家電メーカーです。家庭向けの大型電機やコインランドリー向けの大型洗濯機に強みを有します。2014年にイタリアの家電機器メーカーであるインデシットを買収するなど、積極的な買収によって事業を展開しています。特に白物家電業界や食洗機の分野で強みを発揮しています。ワールプール、キッチンエイド、メイタグ、アマナ、ジェン・エアー、イングリス、ブラステンプ等のブランドを保有しています。2014年にイタリアの家電機器メーカーであるインデシットを買収し首位固めをしております。2018年にはブラジルの冷蔵庫用コンプレッサセクター事業であるEmbraco(エンブラコ)を日本電産に売却をし、集中と選択を図っております。

ワールプールの主要M&A

2001年 グッドマングローバルからアマナコーポレーションを買収

2006年 ハイアールとの買収合戦の末にメイタグを買収

2014年 イタリアの家電メーカーのインデシットを買収

Haier Electronics(ハイアール・エレクトロニクス)

中国の青島に本拠を置く白物家電世界大手会社です。日本の三洋電機の白物家電事業を買収しアクアへとブランド変更しました。2016年GEの家電部門を買収し、更なる事業拡大を図っています。

Electrolux(エレクトロラックス)

スウェーデンを代表する家電メーカーです。食洗機、掃除機、洗濯機や冷蔵庫の分野で強みを持ちます。規制当局の合意が得られず、GEアプライアンス買収に失敗しました。

B/S/H

ドイツに本拠を置くボッシュの家電子会社です。キッチン回りの家電等に強みを持ちます。ボッシュとシーメンスが双方の家電事業を統合して誕生しましたが、現在はボッシュの100%子会社となっています。デザイン力に優れキッチン向け家電等に強みを持ちます。

Philips(フィリップス)

Philips(フィリップス)はオランダに本拠を置く世界大手の家電メーカーです。ヘルスケア、家電、家庭用照明・ランプの分野が三本柱でしたが、照明・ランプ事業はフィリップスライティングとして分社化をしました。医療機器の分野では画像診断領域に強みを持ちます。家電はキッチン向けやシェーバー等のパーソナルケア向けの商品ラインアップを強化しています。

Samsung(サムスン電子)

Samsung(サムスン電子)は、韓国を代表する総合家電メーカーです。スマホ、半導体、テレビ、白物家電等に強みを持ちます。2016年に車載向けの音響に強いHarman Internationalを買収しています。スマートフォンやメモリーの分野でも世界トップクラスです。最終商品まで手掛けていることが強みです。NANDフラッシュメモリーとDRAMでも世界1位を長らく維持しています。通信基地局では、エリクソン、ノキア等の欧州勢、ファーウェイ等の中国勢を追い上げる立場にいます。

Samsung SDI(サムスンSDI)は、サムスンのグループ企業です。ノートPC、スマホの分野でのリチウム電池に強みを持ちます。車載用のリチウムイオン電池は主にBMWに供給しています。

LG Electronics(LG電子)

韓国を代表する家電メーカーです。冷蔵庫や洗濯機等でハイアールとワールプールを猛追しています。

Midea Group(美的集团)

中国に本拠を置く家電メーカーです。家庭用エアコンや洗濯機等に強みを持ちます。ドイツの産業用ロボットのクーカや日本の東芝アプライアンス等を買収しています。

パナソニック

パナソニックは日本を代表する電機メーカーです。過去松下電工や三洋電機と統合し、総合電機メーカーとして世界的なプレゼンスを有します。アプライアンス、オート、インダストリアル、通信ソリューションで事業部制をひいております。

家電:東芝やシャープ等他の日本電機大手が苦戦するなかで家電分野でグローバル展開を目指しています。低コスト戦略のアジア勢、プレミアム戦略の欧米勢と競合しています。

車載電池:テスラとの米ネバダ州でのギガファクトリー、日本、中国の大連工場(遼寧省)での3極の生産体制を構築しています。テスラ以外にもトヨタと協業し、全方位戦略で中国勢を迎えうっております。装置産業化した事業におけるパワーゲームを制することができるか、に注目が集まります。

小型用リチウムイオン電池:ノートPC、スマホ向けの電池事業にも強みを持ちます。

エアコン空調:1957年からエアコン事業を展開しております。日本国内では最大手クラスです。エオリアブランドで展開をしています。

自動車部品:音響機器(カーオーディオ)やカーナビゲーション等の電子機器の分野に強みを持ちます。次世代コックピットやコネクティッドと言われている自動車のCASE対応では総合力を発揮できる立場におります。

乾電池:1931年から乾電池の生産をしています。ナショナルハイトップブランドで一世を風靡し、現在はEvoltaで世界展開しています。

SEB Group(グループ・セブ)

フランスを本拠とする世界的な家電・調理器具メーカーです。日本ではテフロン加工のT-fal(ティファール)ブランドのフライパンが有名です。アイロン等の小型家電に強みを持ちます。

シャープ

日本を代表する家電メーカーです。液晶事業への大型設備投資が負担となり、2016年から台湾の大手受託会社であるホンハイ傘下入りしました。2017年に再上場を果たしています。

日立

日本を代表する総合重電メーカーです。冷蔵庫や洗濯機などの白物家電も手掛けています。東芝の家電部門が中国の美的集団に買収されるなかで、規模では既に日立の家電事業の数倍となったアジア勢と今後どのように競っていき、利益率を向上させるかに注目が集まっています。

ダイソン

英国から彗星の如く出現したプレミアム家電メーカーです。吸引力で差別化を図る掃除機や、羽根のない扇風機等、斬新なアイディアと技術力でブランドを確立しています。

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