エアライン・航空業界の世界市場シェアの分析

航空・エアライン・空運業界の世界市場シェアと市場規模の情報について分析をしております。デルタ、アメリカン、ユナイテッド、JAL、ANA、中国系3社(中国南方、東方、エアチャイナ)、LCC(ライアン、イージージェット)といった大手エアライアン会社の概要も掲載しています。

【市場シェア】

エアライン・航空会社各社の2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2020年のエアライン業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はアメリカン・エアラインズ、2位はデルタ・エアラインズ、3位はルフトハンザとなります。

2020年エアライン会社の世界市場シェアと業界ランキング

  • 1位 アメリカン・エアラインズ 4.81%
  • 2位 デルタ・エアラインズ 4.75%
  • 3位 ルフトハンザ 4.53%
  • 4位 ユナイテッド・エアラインズ 4.28%
  • 5位 中国東方航空 4.12%
  • 6位 中国南方航空 3.86%
  • 7位 エールフランスKLM 3.70%
  • 8位 エアチャイナ 2.90%
  • 9位 ブリティッシュ・エアウェイズ(IAG) 2.63%
  • 10位 サウスウェスト航空 2.50%
  • 11位 ANA 1.90%
  • 12位 キャセイパシフィック 1.69%
  • 13位 JAL 1.26%
  • 14位 シンガポール航空 0.79%

エアライン業界の世界市場シェア(2020年)
エアライン業界の世界市場シェア(2020年)

激変するエアライン業界ですが、世界1位はアメリカン・エアラインズとなりました。前年1位のデルタ・エアラインは2位となりました。3位は、ドイツのルフトハンザが入ってきています。それぞれ、ワンワールド、スカイチーム、スターアライアンスと属する航空アライアンスが異なります。4位にはユナイテッド・エアラインがランクインしています。2019年はアメリカを代表するエアライン3社が上位3位を独占する形となりましたが、2020年はルフトハンザが3位になりました。
世界5位と6位は、中国東方航空と中国南方航空です。7位はフランスとオランダのナショナル・フラッグが経営統合して誕生したエールフランスKLM、8位は再び中国のナショナルフラッグであるエアチャイナとなっています。

【市場規模】

当データベースでは、エアライン業界の2020年の世界市場規模を3600億ドルとしております。参考した各種統計データは以下の通りです。調査会社リポートリンカーによると、2020年の同業界の市場規模は3326億ドルです。2026年には7440億ドルとなり、その間の年平均成長率は12.7%を見込みます。
調査会社のスタティスタによれば、2019年と2020年の同市場規模はそれぞれ8017億ドル、3593億ドルです。2021年は4718億ドルへと拡大することを見込みます。一方調査会社のティーフォーによれば、2019年の同業界の市場規模は8280億ドルです。2020年はコロナの影響で4640億ドルを見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報

エアライン業界市場規模 前年比成長率
2020年 3600億ドル -55%
2019年 8000億ドル -2.91%
2018年 8240億ドル 0.49%
エアライン業界の推定市場規模の推移
©ディールラボ

エアライン会社の前年比売上高減少ランキング(2019年度と2020年度の比較)

世界市場シェア上位エアライン各社の売上高減少率を2020年度と2019年度の売上高で比較すると、1位はシンガポール航空、2位はブリティッシュ・エアウェイズ、3位はJALとなります。シンガポール、イギリスともに国際便のハブ空港なので、海外移動が制限されている影響を最も強く受けた形になります。

エアライン会社の売上高減少ランキング(2020年度)
エアライン会社の売上高減少ランキング(2020年度)

エアライン各社の再編

LCCの増加を受けて、下図の通り、直近でも2018年にAlaska Airlines(アラスカ航空)がVirgin America(ヴァージン・アメリカ)を約26億ドルで買収や2015年のアメリカン航空がUSエアウェイズとの経営統合等、再編が相次いでいます。

エアライン再編年表
エアライン再編年表
出所:アボロン

またコロナの影響をうけ。2020年は南米最大手の航空会社であるLATAM航空会社、南米第2位のアビアンカ航空、タイ航空、フィリピン航空等の破綻が相次ぎました。

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト

航空会社 驚きのウラ事情
エアライン GUIDE BOOK 最新改訂版
ダウ・ジョーンズ輸送株平均

【会社の概要】

デルタ・エアラインズ(Delta Air Line)

デルタ航空は、1924年に設立された米国大手航空会社です。アトランタを拠点とし、自社便および提携便を含め世界中へのネットワークで定期旅客便の運航と貨物輸送サービスを展開しています。同社はスカイチームの創立メンバーです。2008年に当時同じくチャプター11を申請していたノースウェスト航空と経営統合をして、現在のデルタが誕生しています。 アジアでは中国東方航空と大韓航空と提携しています。さらに詳しく

アメリカン・エアラインズ(American Airlines)

アメリカン航空は1930に設立された航空会社です。ハブ空港はダラス/フォートワースです。2011年にチャプター11を申請し経営破たん、2012年に北米大手のUSエアウェイズと経営統合を果たし再上場しました。ワンワールドに属しています。さらに詳しく

ユナイテッド・エアラインズ(United Airlines)

United Airlines Holdings(ユナイテッドエアラインズホールディングス)は、2010年にユナイテッドエアラインズとコンチネンタルエアラインズが経営統合を行い誕生しました。ハブ空港はシカゴ・オヘア国際空港です。旧ユナイテッド・エアライアンズは、元々は航空機製造大手のボーイングの輸送部門が分社化して誕生したボーイング・エアー・トランスポートが発祥です。スターアライアンスメンバーです。さらに詳しく

ライアンエアー(Ryanair)

1985年に設立されたアイルランドに本拠を置く格安航空会社。中・近距離を得意として欧州各地の地方空港に航空便を格安で運航する。アイルランドのダブリン空港がハブ。

中国南方航空

中国南方航空は中国最大の航空会社です。スカイチームに属しています。ハブ空港は北京首都国際空港や広州白雲国際空港です。

中国東方航空

中華人民共和国の航空会社です。1988年に分割解体された中国民用航空総局(CAAC)の上海管理局を引き継いで誕生しました。東方航空、南方航空ともに、スカイチームに所属し、搭乗者数で競っています。

エアチャイナ(中国国際空港)

1988年 に中国民航の北京管理局と中華人民共和国と海外を結ぶ国際線を引き継いで誕生しました。中国3大エアライン会社の1角です。スターアライアンス内では、第2位の搭乗者数を誇ります。

エールフランスKLM(Air France KLM)

2004年にフランスのエールフランスとオランダのKLMが経営統合して誕生しました。シャルル・ド・ゴール空港とスキポール空港をハブ空港としています。マイレージプログラムは、Flying Blue(フライング・ブルー)です。スカイチームの中核の航空会社です。

British Airways(ブリティッシュ・エアウェイズ)

イギリスを代表する航空会社。ロンドンのヒースロー空港を拠点とします。スペインのイベリア航空と経営統合を行い、持ち株会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループを設立しました。ワンワールドの中核の1社です。

LATAM航空(ラタン航空)

2012年に、チリのナショナルフラッグであったラン航空とブラジルのTAM航空が経営統合をして誕生した、南米最大の航空会社です。ラタン・ブラジルとラタン・チリが、傘下の二大エアラインです。2020年に経営破たんしました。デルタ航空とカタール航空が大株主です。

ターキッシュ エアラインズ(Turkish Airlines、トルコ航空)

トルコのナショナルフラッグ。イスタンブール・アタテュルク国際空港をハブ空港にします。中東の路線ネットワークに強みを持ちます。

ルフトハンザ(Lufthansa)

ルフトハンザ航空は、1926年に設立されたドイツ最大の航空会社です。大戦を経て東西ドイツへ分割された時期もありますが、東西ドイツ統一時に東ドイツの事業を引き継ぎました。1994の民営化後は、スイス航空やオーストリア航空を買収して規模を拡大させています。さらに詳しく

キャセイパシフィック(Cathay Pacific)

ジャーディン・マセソンと並び清朝時代から香港への投資を行っていたスワイヤー(Swire)家が支配する航空会社です。香港国際空港をハブとします。スワイヤーグループは、現在でも不動産(スワイヤプロパティーズ(太古地産))や運輸で多くの事業をアジアで展開しています。スワイヤー家は香港上海銀行の大株主でもあります。ワンワールドに属しています。

イージー・ジェット(Easy Jet)

1995年にキプロス島のステリオス・ハジ=イオアヌ氏によって設立されたLCCです。ロンドン・ガトウィック空港を拠点に事業を展開しています。2007年には、ブリティッシュ・エアウェイズ傘下のGB Airwaysを買収しました。LCC業界における搭乗者数では、ライアンエアーについで2位となっています。

JALとANA

日本を代表するナショナルフラッグです。歴史的にお互いライバル意識が強いのが特徴です。JALは経営破たん後、新生JALとして勢いを盛り返しつつあります。

参照したデータの詳細情報について


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