富士通の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

富士通は、古河電気工業とシーメンスの合弁会社として設立された現富士電機の電話部門が1935年に分社化されて設立されました。ICT関連のハードウェアからソフトウェアを手掛けていますが、近年はITソリューションサービスへ事業ポートフォリオをシフトしています。ハードウェアではPC&サーバ、メインフレーム・スーパーコンピューター「富岳」(2012年に稼働した「京」の後継機)、ATM、通信ネットワーク機器などを開発製造しています。グループ関連会社には、富士通フロンテック、新光電気工業、FDK、富士通ゼネラルなどが含まれます。

業績推移(年次)

2021年度
売上高は前年度比-0.08%の3,586,839百万円になりました。営業利益は-17.69%の219,201百万円になりました。営業利益率は6.11%になりました。半導体製造設備を手掛けるデバイスソリューションは好調でしたが、テクノロジーソリューションが、部材供給遅延もあり不調でした。前年同期比減収減益です。

2020年度
前年度比減収増益となりました。金融や通信向けが堅調でしたが、半導体などの部材不足が響きました。

富士通の業績推移

富士通の業績推移

業績推移(四半期)

2022年第2四半期(7~9月)
売上高は前年同期比2.95%増の886,449百万円になりました。営業利益は57.86%増の75,367百万円になりました。営業利益率は8.50%になりました。国内・海外ともSIやサービス事業を中心に受注が堅調となり、増収増益になりました。

2022年第1四半期(4~6月)
売上高は前年同期比2.11%増の818,862百万円になりました。営業利益は-24.12%の25,602百万円になりました。営業利益率は3.13%になりました。

2021年第4四半期(1~3月)
売上高は前年同期比-1.90%の1,043,302百万円になりました。営業利益は-34.41%の72,533百万円になりました。営業利益率は6.95%になりました。

2021年第3四半期(10~12月)
売上収益は、前年同期比1.5%減の8805億円、営業利益が同30.3%減の651億円となりました。半導体不足に起因する部材供給遅延の影響が継続していることが前年同期比減収減益の大きな要因でした。

2021年第2四半期(7~9月)
前年同期比増収増益です。半導体向け電子部品の需要が強くなっています。

富士通の四半期業績推移

富士通の四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比-8.85%の922.97円になりました。1株当たりの配当は前年度比10.00%増の220.00円になりました。配当性向は23.84%になりました。

富士通のEPS・1株配当・配当性向の推移

富士通のEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

今期の売上高は3,720,000百万円、営業利益は400,000百万円、営業利益率は10.75%、1株配当は240円を見込みます。前期比、増収・増益・増配を予定しています。

2022年第2四半期(7~9月)
売上高の業績予想に対するの進捗率は45.84%です。営業利益の業績予想に対する進捗率は32.73%です。営業利益率は予想より-3.08%上回っています。

売上構成

システムインテグレーションなどのソリューションサービスが主軸です。サーバーなどのハードウェの割合は低下しています。

富士通の売上構成(2021年度)

富士通の売上構成(2021年度)

ソリューションサービス
システムインテグレーション(システム構築、業務アプリケーション等)、コンサルティング、アウトソーシングサービス(データセンター、ICT 運用管理、アプリケーション運用・管理、ビジネスプロセスアウトソーシング等)、クラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS 等)、ネットワークサービス(ビジネスネットワーク等)、システムサポートサービス(情報システムおよびネットワークの保守 ・ 監視サービス等)、セキュリティソリューション、各種ソフトウェア(ミドルウェア)などを提供しています。

システムプロダクト
各種サーバ(メインフレーム、UNIX サーバ、基幹 IA サーバ、PC サーバ等)、ストレージシステム、フロントテクノロジー(ATM、POS システム等)、各種ソフトウェア(OS)、車載制御ユニットおよび車載情報システムなどを提供しています。

ネットワークプロダクト
ネットワーク管理システム、光伝送システム、携帯電話基地局などを提供しています。

ユビキタスソリューション
パソコン事業を行っています。

デバイスソリューション
電子部品(半導体パッケージ、電池等)などを手掛けています。

直近のM&A(合併買収)

ノンコア事業の売却と海外事業のM&Aを積極的に行っています。

2005年 富士通日立プラズマディスプレイの株式を日立製作所に譲渡
2005年 液晶デバイス事業をシャープに譲渡
2007年 ジャパンケーブルネットホールディングスの株式をKDDIに譲渡
2009年 HDDドライブ事業を東芝に譲渡
2014年 Globe Rangerを買収
2015年 富士通セミコンダクターとパナソニックのシステムLSI事業を統合(ソシオネクスト)
2015年 イギリスのApplied Card Technologiesを買収
2015年 フランスのUShare Softを買収
2016年 TrueNet Communicationsを買収
2017年 ニフティのISPを中心とするコンシューマー向け事業をノジマに譲渡
2017年 富士通テン(モバイルウェア事業)の株式をデンソーに譲渡
2018年 富士通コネクテッドテクノロジーズ(携帯端末事業)をポラリス・キャピタルに譲渡
2018年 富士通クライアントコンピューティング(PC事業)をレノボに譲渡

市場シェア

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