通信・携帯基地局の世界市場シェアの分析

通信・携帯基地局の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。通信・携帯基地局向け機器メーカーであるEricsson(エリクソン) 、Nokia(ノキア) 、Huawei(ファーウェイ、華為技術)、ZTE、サムスン電子の動向も記載しています。

世界市場シェア

通信・携帯基地局向け機器メーカーの2020年度の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2020年の通信・携帯基地業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はファーウェイ、2位はノキア、3位はエリクソンとなります。

2020年通信・携帯基地機器メーカーの市場シェアと業界ランキング

順位会社名市場シェア
1位ファーウェイ44.9%
2位ノキア20.1%
3位エリクソン19.7%
4位ZTE11.0%
5位サムスン電子4.4%
参考富士通2.3%
2020年通信・携帯基地機器メーカーの市場シェアと業界ランキング ©ディールラボ

携帯基地局機器メーカーの世界シェア(2020年)
携帯基地局機器メーカーの世界シェア(2020年)

第4世代の100倍の速度を持つ第5世代(5G)向けの携帯基地局は商用化が急速に進んでいます。中国のファーウェイ製品は米政府からエンティティリスト指定を受けていますが、中国国内市場向けで世界1位を維持しています。世界2位はフィンランドの通信機器大手であるノキア、世界3位はフィンランドのエリクソン、世界4位は中国のZTEとなっています。世界5位はサムスンとなっています。サムスンは、ファーウェイが海外展開を制限される中で、2020年以降ベライゾン、NTTドコモ、ボーダフォンなどから5G基地局を受注しています。日本ではNECや富士通も受注を増やしています。

市場規模

当データベースでは、2020年の携帯基地局機器の市場規模を、ファーウェイ、エリクソン、ノキア、ZTE、サムスン各社の売上高の合計である1011億ドルとしています。
参照した各種統計データは次の通りです。調査会社の富士キメラ総研によれば、2019年の5Gに関連する携帯基地局の世界市場規模は4兆6380億円です。調査会社のQYリサーチによれば、5G基地局業界の市場規模は、2019年に331億5000万米ドルです。また調査会社のテクノナビによれば、2021年~2025年の4年間にLTE基地局の市場は年平均16.15%、金額にして287.7億ドル拡大するとしており、逆算すると2020年の規模は351億ドルとなります。⇒参照したデータの詳細情報

携帯基地局の種類と必要な機器

携帯電話は「電波」と利用して情報を送受信しています。電波は携帯電話以前にはテレビやラジオの放送でも使われています。電波は、電磁波で周波数が300万Mヘルス以下のものと定義されています。

基地局は、電波を中継する機能を持っており、送受信信号を増幅するための装置、変復調装置、音声処理装置、基地局制御装置、電波を発射するアンテナ、電源といった機器で構成されます。基地局は電波と飛ばす範囲で大きさも異なり、鉄塔タイプ、ビル設置タイプ(マクロセル)、小型基地局(ピコセル、マイクロセル)、屋内基地局(フェムトセル)などに分かれます。

世界の主要な携帯基地局メーカーの一覧

Ericsson(エリクソン)

スウェーデンに本拠を置く通信機器メーカー大手です。ソニーと携帯電話事業の合弁を組んでいましたが、現在は解消しています。基地局向け機器を販売するネットワーク事業、仮想ネットワークインフラストラクチャーを提供するデジタルサービス事業、ネットワークの最適化をAIを用いて運用管理するマネージドサービス事業が主要な事業となります。

Nokia(ノキア)

Nokia(ノキア)は、フィンランドに本拠を置く通信機器メーカーです。かつて携帯電話機器で世界1位でしたが、スマホの台頭により、携帯事業をマイクロソフトに売却しました。一方で無線通信機器事業を強化するためにフランスのアルカテル・ルーセントを買収しています。LTE向けの通信機器では世界大手でしたが、5Gの通信基地では、ファーウェイに遅れをとっています。米国の制裁強化を利用して巻き返しを図っています。さらに詳しく

Huawei(ファーウェイ・テクノロジーズ、 華為技術有限公司)

1987年に任 正非(Ren Zhengfei、レン・ツェンフェイ)によって設立された中国シンセンに本拠を置く世界最大級の通信機器メーカーです。通信基地向け機器、スマホ、タブレット、ルータ等の分野で存在感を示します。通信基地局では、ノキアやアノキアと並ぶ大手です。スマートフォン(スマホ)業界やタブレット業界でも、アップルやサムスンと並ぶ大手です。通信用の海底ケーブル業界では、アルカテルルーセント、タイコ、NEC、富士通と並ぶ大手の一角を占めています。従業員持株制度を通じて株式を保有する従業員が取締役を選任するガバナンス体制を取っている非上場会社です。さらに詳しく

ZTE(中興通訊、チョンシントンシュン)

1985年に深センで設立された通信機器メーカーです。携帯端末や携帯基地局に強みを持ちます。1999年に香港証券取引所に上場しました。2016年に米国への輸出規制措置が発動され、2017年に10億ドルの罰金支払いで司法取引しています。

サムスン電子

Samsung(サムスン電子)は、韓国を代表する総合電機メーカーです。スマホ、半導体、テレビ、白物家電など、最終商品まで手掛けていることが強みです。垂直統合型の半導体チップメーカーとして、DRAM、NAND型フラッシュメモリ、SSDの自社製造を手掛けています。また半導体受託生産も行っております。最終製品のスマホやテレビにも強みを持ちます。OLEDや液晶パネルの製造はサムスンディスプレイ、リチウムイオン電池はサムスンSDI、電子部品はサムスン電気、造船はサムスン重工、バイオ製薬の製造はサムスンバイオロジックスで手掛けています。2016年には車載音響機器大手のハーマンを買収しました。さらに詳しく

日本のNECや富士通も携帯基地局事業を展開しますが、上位4社には大きく引き離されています。ただしファーウェイへの米国の輸出規制や、今後5G基地局の陣取り合戦が加速するため、国際仕様であるOpen RAN対応の基地局の展開次第では、業界の地殻変動が起こる可能性があります。2020年にNECはNTTと資本提携し、基地局分野での巻き返しを図っています。

富士通

富士通は、古河電気工業とシーメンスの合弁会社として設立された現富士電機の電話部門が1935年に分社化されて設立されました。ICT関連のハードウェアからソフトウェアを手掛けていますが、近年はITソリューションサービスへ事業ポートフォリオをシフトしています。ハードウェアではPC&サーバ、メインフレーム・スーパーコンピューター「富岳」(2012年に稼働した「京」の後継機)、ATM、通信ネットワーク機器などを開発製造しています。グループ関連会社には、富士通フロンテック、新光電気工業、FDK、富士通ゼネラルなどが含まれます。さらに詳しく

NEC

NECは、1889年にウェスタン・エレクトリック(現ノキアネットワークス)と岩垂邦彦氏によって設立された電話交換機や通信機器の製造を祖業とするITサービス会社です。1932年に住友財閥との関係が深まり、現在も住友グループの中核の会社です。1980年代に半導体分野で世界のトッププレイヤーとなりました。その後、事業構造をハードからソフト・ITサービスへと変化させ、現在はハードとソフトを組み合わせたソリューションプロバイダーに強みを持ちます。さらに詳しく

参照したデータの詳細情報について


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