日本電気株式会社(NEC)は、1899年に米国ウェスタン・エレクトリック社との日本初の外資系合弁企業として、岩垂邦彦氏らにより設立された、電話交換機や通信機器の製造を祖業とするITサービス・社会インフラ企業です。
1932年より住友財閥が経営に参画し、現在も住友グループの中核を担っています。1980年代には半導体分野で世界トッププレイヤーへ登り詰めました。その後、事業構造をハードウェア中心からソフト・ITサービスへと大きく転換。
現在は、強みであるAI(独自LLM等)や生体認証、サイバーセキュリティなどの最先端テクノロジーと社会インフラを融合させ、価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」を中核とした社会・産業のデジタル変革(DX/AX)を推進するソリューションプロバイダーとして機能しています。
2021年度
売上高は前年度比0.67%増の3兆141億円となりました。営業利益は前年度比13.81%減の1,325億円、営業利益率は4.40%となりました。
5G基地局の出荷拡大などで増収となりましたが、部材不足や不採算案件からの損失もあり、減益となりました。
2022年度
売上高は前年度比9.92%増の3兆3,130億円となりました。営業利益は前年度比28.61%増の1,704億円、営業利益率は5.14%となりました。
社会インフラやデジタルサービスを中心に需要が回復し、増収増益となりました。
2023年度
売上高は前年度比4.96%増の3兆4,773億円となりました。営業利益は前年度比10.31%増の1,880億円、営業利益率は5.41%となりました。
DX投資や公共分野の案件が堅調に推移し、増収増益を確保しました。
2024年度
売上高は前年度比1.55%減の3兆4,234億円となりました。営業利益は前年度比36.43%増の2,565億円、営業利益率は7.49%となりました。
一部事業の減収はあったものの、収益性の高い案件へのシフトやコスト構造改革が奏功し、大幅な増益となりました。
2025年度
売上高は前年度比4.65%増の3兆5,827億円となりました。営業利益は前年度比40.32%増の3,599億円、営業利益率は10.05%となりました。
AI・クラウド関連の需要拡大やグローバル事業の伸長により、売上高・営業利益ともに過去最高を更新し、営業利益率は10%台に乗せました。

日本電気株式会社(NEC)の年次業績推移
2025年度 第4四半期(2025Q4)
売上高は1兆1,016億円、営業利益は1,303億円となり、営業利益率は11.83%を記録しました。
2026年度 第1四半期(2026Q1)
売上高は7,157億円、営業利益は354億円となりました。営業利益率は4.94%ですが、前年同期比の営業利益は679.49%の大幅な増益となっています。
前年同期比 +679.49%という大幅な増益は、企業の活発なDX投資(国内IT)に加え、防衛事業の売上計上の前倒し(平準化)や、米CSG社の新規連結効果が重なったことによるものです。
2026年度 第2四半期(2026Q2)
売上高は8,541億円、営業利益は832億円となりました。営業利益率は9.74%へ上昇し、前年同期比でも売上高が7.25%増、営業利益が107.16%増と好調に推移しました。
前年同期比 +107.16%の大幅な増益は、国内企業向けのシステムインテグレーション(SI)受注が引き続き堅調だったことに加え、前期に買収した米CSG社の連結効果が全四半期でフルに寄与したことによるものです。
2026年度 第3四半期(2026Q3)
売上高は8,525億円、営業利益は666億円となりました。営業利益率は7.81%となり、前年同期比では営業利益が16.27%減少しています。
前年同期比 -18.27%の営業減益は、主力の国内ITサービス(BluStellar等)が引き続き堅調だったものの、テレコムサービス(通信事業者向け事業)におけるグローバルな投資抑制や一部案件の減少に伴う低迷が響いたことによるものです。
2026年度 第4四半期(2026Q4)
売上高は1兆1,604億円、営業利益は1,748億円に達しました。営業利益率は15.06%と高水準をマークし、前年同期比の売上高は5.34%増、営業利益は34.08%増の着実な成長を見せています。

日本電気株式会社(NEC)の四半期業績推移
2025年度実績
・基本的1株当たり当期利益(EPS):前年度比 54.33%増の202.95円
・1株当たり配当金:前年度(分割後換算:28.0円から10円増配の38.0円
・配当性向:18.72%

NECのEPS・1株配当・配当性向の推移
※2025年4月に1株から5株への株式分割が実施されたため、それ以前の年度のデータも現在の「分割後ベース」に統一して算出
NECの最新の公式発表によると、足元の好調な業績進捗を反映し、2026年度(2027年3月期)の通期の連結業績予想が上方修正されました。
今期の売上収益は3兆5,400億円、本業の稼ぐ力を示すNon-GAAP営業利益は4,300億円、Non-GAAP純利益は2,900億円となる見込みです。
主力の国内ITサービス(BluStellar等)における採算性の向上や、航空宇宙・防衛事業の順調な前倒し計上が上方修正を牽引しており、前期に引き続き力強い増益トレンドを維持する計画となっています。
NECの事業は、グループの強みである「デジタル変革(DX)」と「社会インフラの高度化」を軸とした、以下の2大主要セグメントによって構成されています。

日本電気株式会社(NEC)のセグメント別売上構成(2025年度)
ITサービス事業
主に国内の企業(民間企業)、官公庁、自治体向けのデジタル変革(DX)やシステムインテグレーション(SI)を担う中核事業です。
最先端AIや生体認証、サイバーセキュリティなどを統合した提供ブランド「BluStellar(ブルーステラ)」を推進し、高利益率な受注拡大を牽引しています。なお、海外のITサービスや、新しくグループに加わった米CSG社のソフトウェア事業等も本セグメントに含まれます。
社会インフラ事業
人々の生活や国の安全を支える大規模インフラを担う事業です。
主に「航空宇宙・防衛」や「海洋システム(海底ケーブルなど)」といった成長領域のほか、通信事業者向けのネットワークインフラ(テレコムサービス)で構成されています。近年は防衛需要の拡大を追い風に、DX技術であるBluStellarをインフラ領域へも展開することで、さらなる事業拡大を図っています。
ソリューションサービスやITサービスの強化を目指したM&Aを積極的に行っています。
2005年 アビームコンサルティングを買収
2008年 Netcrakerを買収
2010年 NECエレクトロニクスを持分法化
2011年 コンシューマーPC事業を分社化
2012年 米国Convergysの事業支援システム事業を買収
2013年 NECモバイリングを売却
2014年 NECビッグローブを売却
2018年 ITサービス会社のNothgate Public Servicesを買収
2019年 デンマークのKMDホールディングスを買収
2019年 日本アビオニクスの株式を売却
2020年 スイスの大手金融ソフトウェア会社アバロク(Avaloq)を買収
2024年 日本航空電子工業(JAE)の株式を一部売却し、連結対象から除外
2026年 米国の通信向けソフト大手CSGシステムズ(CSG)を過去最大の約4,400億円で買収完了