ハードディスクドライブ業界の世界市場シェアの分析

ハードディスクドライブ業界の世界シェアと市場規模について分析をしています。ウェスタンデジタル、シーゲート、東芝といった世界大手ハードディスクドライブメーカーの動向も掲載しています。1990年代には50社以上あったと言われるハードディスクドライブメーカーも大手3社へと集約されました。

市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第4巻」に記載のハードディスクドライブメーカー各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。

1位 シーゲートテクノロジー 45%
2位 ウェスタンデジタル 39%
3位 東芝 16%

ハードディスクドライブメーカーの位世界1位はシーゲートテクノロジー、2位はウェスタンデジタル、3位は東芝となっています。

市場規模

調査会社のスタシスタによれば、2019年のハードディスクドライブの出荷台数は3億1千6百万台です。調査会社のマーケットリサーチフューチャーによれば、ハードディスク業界は、2019年から年平均6.5%で成長し、2026年には939億ドルになると見込まれています。逆算すると2019年の同業界の市場規模は604億ドルです。⇒参照したデータの詳細情報

一方で同業界はHDDメーカーが3社となっている寡占市場であることは周知の事実ですが、前述した「最新業界別売上高世界ランキング第4巻」によれば上位3社の売上高の合計は232億ドルとなっており、市場シェア計算にあたる市場規模として用いています。ソリッドステートドライブ(SSD)との競合はあるものの、引き続きストレージに必要とされる容量は増大しており、外付けHDDやサーバー等の分野で更なる成長が見込める業界です。

主なM&A

発表年買い手売り手対象会社買収価格通貨単位マルチプル
2009年東芝富士通HDD事業300億円未公表未公表
2011年ウェスタンデジタル日立日立GST49億ドル売上高倍率0.8
2011年シーゲートサムスン電子HDD事業14億ドル未公表未公表
2015年ウェスタンデジタルサンディスク190億ドル売上高倍率2.87
各種公表資料より作成©ディールラボ

ハードディスクドライブの構造

下図の通りハードディスクドライブは4つの部材から構成されています。プラッタは磁気ドライブもしくはハードディスクともいわれ情報を記録する場所です。スピンドルは、軸付きモーターでプラッタを高速で回転させ、アームは情報の読み書きを行い、アクチュエーターはモーターの回転速度を調整します。ハードディスクドライブメーカーが、これらの部材を製造しているわけでなく、例えばプラッタは、昭和電工等が大手です。

ハードディスク構造
ハードディスクの構造 ©ディールラボ
さらに業界に詳しくなるための書籍

世界の主要なハードディスクドライブメーカーの一覧

Western Digital(ウェスタン・デジタル)
米国に本拠を置く世界最大級のハードディスクメーカーです。日立グローバルストレージテクノロジーズを買収し事業を拡大しています。2015年に中国の紫光集団(チンファ・ユニグループ、Tsinghua Unigroup)が15%出資を目指すも断念しました。フラッシュメモリ大手のサンディスクを買収しました。

  • 2015年にハードディスクドライブ(HDD)製造の米ウェスタンデジタルが、半導体メモリー大手の米サンディスクの買収を発表しました。
  • 買収総額は約190億ドルです。サンディスクの終値に15%のプレミアムを乗せた水準です。
  • サンディスクはフラッシュメモリー分野に強みを持ちます。東芝との合米工場にてフラッシュメモリーを製造しています。フラッシュメモリーは、スマホ、デジタルカメラ等の記憶装置として、またUSBメモリなどの補助記憶装置としても活用されています。
  • ウェスタンデジタルは、パソコン用のHDDの世界的大手であるものの、パソコン自体の需要の大きな伸びが期待できない中で、データセンターのクラウド分野でも使われるソリッド・ステート・ドライブ(SSD)分野の拡大を目指しています。サンディスクのフラッシュメモリー技術を入手することでSSD分野の強化を図ります。
  • サンディスクの直近の業績は売上高が約66億ドル、EBITDAが約21億ドル、EBITDAマージンは約32%でした。

Seagate Technology(シーゲート)
米国に本拠を置く独立系のHDDメーカーです。サムスンのHDD部門を買収しました。

東芝デバイス&ストレージ
東芝傘下のハードディスクドライブメーカーです。富士通のHDD事業を買収しています。

東芝について

東芝は、日本を代表する重電メーカーです。重電5社(日立、三菱電機、富士電機、明電舎)の一角です。芝浦製作所と東京電気が経営統合して、東京芝浦電気(現東芝)が1939年に誕生しました。経団連会長を輩出する等日本を代表するメーカーの1社でもあります。2016年のウェスティンハウスの減損問題発覚以降は、事業の再編を行い、ビジネスモデルを大きく転換しています。インフラサービス、インフラシステム、デバイスプロダクトが2020年時点での事業の柱となっています。