NANDフラッシュメモリー業界

NANDフラッシュメモリーの世界市場シェアと市場規模と業界ランキングについての情報について分析をしています。Samsung Electronics(サムスン電子) 、キオクシア 、ウェスタンデジタル(旧サンディスク) 、SKハイニックス 等の世界の主要なNANDフラッシュメモリーの動向も掲載しています。

市場シェア

調査会社のTrendForceniによれば、2020年第1四半期の売上高ベースの市場シェアは以下の通りとなります。

  • 1位 サムスン 33%
  • 2位 キオクシア 19%
  • 3位 ウェスタンデジタル 15%
  • 4位 マイクロン11%
  • 5位 SKハイニックス 10%
  • 6位 インテル 9.7%

フラッシュメモリーの世界1位は、サムスンです。サムスンは、イ・ジェヨン氏への裁判の問題などを抱えますが、2013年以降1位を維持しています。世界2位のキオクシアは2020年の上場で成長を加速させています。

世界3位には、サンディスクを買収した、ウェスタンデジタルが入っています。東芝との四日市工場の合弁をどのように整理するかで、同社のフラッシュメモリー事業の戦略も異なってくると予想されます。

世界4位は、DRAM最大手のマイクロンが、世界5位は韓国のSKハイニックスが、上位を狙っています。世界5位には、半導体チップの世界最大手のインテルが入っています。ストレージ&メモリ分野を強化予定で、3DのNANDフラッシュメモリーへの集中投資を行っています。

アップデート

2020年10月にSKハイニックスがインテルのNANDフラッシュメモリー及びSSD事業を90億ドルで買収することに合意しております。仮に買収が完了すると市場シェアではキオクシアを上回る第2位の規模となります。買収完了は2021年中頃を見込みます。

市場規模

調査会社のテクノナビによれば、2020年〜2024年の5年間にNANDフラッシュメモリーの市場は3%成長し、約83億ドル拡大します。逆算すると、2019年の市場規模は、521億ドルとなります。

フラッシュメモリーとは

半導体(IC)メモリとは半導体素子によって構成されている記憶装置です。大きく揮発性メモリ(RAM)と不揮発性メモリ(NOR)に分類されます。

揮発性メモリ(RAM):電源を切ると記憶情報が消えるメモリです。RAM(Random Access Memory、ラム)と呼ばれるメモリがメインとなり、DRAMや省電力に定評があるSRAMに分類されます。

不揮発性メモリ(NOR):電源を切っても記憶情報が消えないメモリです。代表例としてはフラッシュメモリが挙げられ、さらにNORフラッシュメモリとNANDフラッシュメモリなどに細部に分類できます。IoT機器やウェアラブル機器向けに半導体メモリーへの需要は今後高まっていく可能性が高く、フラッシュメモリよりより消費電力を抑制できる次世代半導体メモリーとして、抵抗変化式メモリー(ReRAM)も量産体制が整ってきています。日本のパナソニックが開発量産の先頭を走ります。

主要なNANDフラッシュメモリー会社

Samsung Electronics(サムスン電子)

韓国を代表する半導体メーカー。スマートフォンやメモリーの分野では世界トップクラスです。最終商品まで手掛けていることが強みです。NANDフラッシュメモリーとDRAMでも世界1位を長らく維持しています。

キオクシア

元々は東芝の事業部でした。1986年にNAND型フラッシュメモリーを開発した、NAND型の産みの親です。東芝がウェスティンハウスからの損失を受けて、半導体メモリ事業が東芝メモリとして分社化され、2019年にキオクシアへと社名変更されています。東芝メモリの分社化の際に、投資ファンドや台湾の鴻海精密工業、大韓民国のSKハイニックスが買収に強い関心を示し、最終的にはベインキャピタルを中心したコンソーシアが大株主となりました。

ウェスタンデジタル

米国のハードディスクドライブ製造大手です。2015年にコンパクトフラッシュ、SDカード等のフラッシュメモリーを製造するSanDisk(サンディスク)を買収しました。寡占化が進むハードディスク市場大手によるフラッシュメモリ大手の買収ウェスタンデジタルはサンディスクのSSD技術を取り込み、減少が予想されるPC向けハードディスクに代わるデータセンタ向け記憶媒体事業の強化を目指しています。

ウェスタンデジタルによるサンディスク買収のケーススタディ

  • 2015年にハードディスクドライブ(HDD)製造の米ウェスタン・デジタルが、半導体メモリー大手の米サンディスクの買収を発表しました。
  • 買収総額は約190億ドルで、サンディスクの終値に15%のプレミアムを乗せた水準となりました。
  • サンディスクはフラッシュメモリー分野に強みを持ち、東芝(現キオクシア)との合弁工場にてフラッシュメモリーを製造しています。フラッシュメモリーは、スマートフォン、デジタルカメラ等の補助記憶装置として活用されています。
  • ウェスタン・デジタルは、パソコン用のHDDの世界大手ではあるものの、パソコン自体の需要が減少する中で。データセンターのクラウド分野でも使われるソリッド・ステート・ドライブ(SSD)分野の拡大を目指しています。サンディスクのフラッシュメモリー技術を入手することでSSD分野の強化を図ることができます。
  • サンディスクの買収直前の業績は、売上高が約66億ドル、EBITDAが約21億ドル、EBITDAマージンは約32%です。

Micron (マイクロン)

1978年に創業された米国を代表するメモリーメーカーです。DRAMでは日本のエルピーダメモリーを買収し世界最大手級となりました。NAND型フラッシュメモリーでも上位陣を追撃しています。中国の紫光集団(チンファ・ユニグループ(Tsinghua Unigroup))が買収提案を検討したこともありました。

SK Hynix(SKハイニックス)

韓国の大手半導体メーカーです。2001年に韓国政府による公的管理を経て現在は通信大手のSKテレコム傘下となりました。NAND型フラッシュメモリやDRAMでサムスンと競合しています。2020年に90億ドルでインテルからNANDメモリとSSD事業を買収することに合意しました。またSKハイニックはキオクシアが上場をすると同社の15%を取得することができます。キオクシア、SK連合は、独走するサムスンに比肩する大きさとなります。

Intel(インテル)

米国に本拠を置く半導体業界の巨人です。CPUの分野で圧倒的な競争力を保ちます。NAND型メモリーでも大手であったが製造設備をマイクロンに売却しました。2020年には、MANDメモリ事業をSKハイニックスへ売却しました。

長江メモリーテクノロジーズ(長江存儲科技、Yangtze River Memory Technologies)

長江メモリーテクノロジーズ(長江存儲科技、Yangtze River Memory Technologies)は、政府系の半導体投資会社である清華大学系の紫光集団が、中国の半導体メーカーである武漢新芯集成電路製造(XMC)を買収し、設立した会社です。3兆円を投じた武漢の半導体工場で、最先端の3次元NANDの開発・量産、1xnmDRAMを量産にも着しています。中国政府は、数兆円規模の中国IC産業ファンドを設立し、清華紫光集団等を通じて、半導体事業の育成に注力しています。

業界関連図書

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