マイクロンテクノロジーの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

マイクロンテクノロジーは、1978年に創業された米国を代表するメモリーメーカーです。DRAMでは2013年に日本のエルピーダメモリを買収し世界最大手級となりました。NAND型フラッシュメモリーでも上位陣を追撃しています。SSD(小型高速記憶装置)の事業も拡大しています。
中国の紫光集団(チンファ・ユニグループ(Tsinghua Unigroup))が買収提案を打診しましたが、その後断念した経緯もあります。

業績推移(年次)

2019年度
売上高は23,406百万ドルで、前年度比23%減となりました。営業利益は7,376百万ドルになりました。営業利益率は32%になりました。DRAMの売上高は5,784百万ドル減、NANDの売上高は1,155百万ドル減となりました。業界部門別の売上の変動を見ると、増加したのは自動車&消費者部門だけで、他全ての業界部門で売上が減少しました。

2020年度
売上高は21,435百万ドルで、前年度比8%減となりました。営業利益は3,003百万ドルになりました。営業利益率は14%になりました。NANDの売上高は776百万ドル増加しましたが、DRAMの売上高が2,331百万ドル減少し、全体の売上高減少となりました。業界部門別の売上の変動を見ると、増加したのはSSD&その他記憶媒体部門だけで、他全ての業界部門で売上が減少しました。

2021年度
売上高は27,705百万ドルで、前年度比29%増となりました。営業利益は6,283百万ドルになりました。営業利益率は23%になりました。DRAMの売上高が5,529百万ドル増加し、全体の売上高増に大きく貢献しました。

2022年度
売上高は30,758百万ドルで、前年度比11%増となりました。営業利益は9,702百万ドルになりました。営業利益率は32%になりました。DRAMの売上高は2,347百万ドル増、NANDの売上高は804百万ドル増となりました。業界部門別の売上高の変動を見ると、全ての業界で軒並み好調だったといえます。

2023年度
売上高は15,540百万ドルで、前年度比49%減となりました。営業利益は5,745百万ドルの赤字になりました。DRAMの売上高が11,408百万ドル減となったことが、売上減少の要因です。業界部門別の売上高の変動は、自動車&消費者で約700百万ドル減、モバイルで約3,800百万ドル減、クライアント&グラフィックスで約3,800百万ドル減、企業&クラウドサーバーで約3,800減、SSD&その他記憶媒体で約2,300百万ドル減でした。

マイクロン・テクノロジーの業績推移

マイクロン・テクノロジーの業績推移

業績推移(四半期)

2024年9ー11月
売上高は4,726百万ドルになりました。営業利益は955百万ドルの赤字になりました。

マイクロンテクノロジーの四半期業績推移

マイクロンテクノロジーの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比169%減の-5.34ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比46%増の0.46ドルになりました。配当性向は-9%になりました。

EPS・配当額・配当性向の推移

EPS・配当額・配当性向の推移

業績予想

2023年12月
2024年度第一四半期のレポートにて、2024年度通期の業績予定は掲載されていませんが、2024年度第二四半期の売上高は5,100百万から5,5000百万ドル、粗利率は12.0% ± 1.5%を予定していると掲載されています。

事業構成

セグメントは、DRAM、NAND、その他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

DRAM
様々な性能、価格、特性の DRAM 製品を製造しています。DRAM は、パソコン、サーバー、モバイル デバイスなどの幅広い電子機器で使用されるメモリの一種です。DRAMの大手メーカーである Elpida Memor を買収し、DRAM市場における地位をさらに強化しました。

NAND
NANDフラッシュメモリの設計と製造を実施しています。NAND フラッシュ メモリは、スマートフォン、タブレット、などの幅広い電子デバイスで使用される不揮発性ストレージです。

その他
主にNOR(フラッシュメモリの一種)の製造を実施しています。また、自動車産業やヘルスケア産業、その他の新興市場向けのメモリおよびストレージソリューションに関連する製品が含まれます。

マイクロンテクノロジーの売上構成(2022年度)

マイクロンテクノロジーの売上構成(2022年度)

M&A(合併買収)

商品サービスを補完するM&Aを積極的に行っています。

2012年 エルピーダメモリを買収
2013年 瑞晶電子を力晶半導体から買収
2013年 DRAMを製造する Elpida Memory (日本) を買収
2013年 DRAMを製造する Elpida Memory (日本) を買収
2015年 異なる種類のコンピューティングアーキテクチャやプロセッサを組み合わせて利用するテクノロジーで知られる Convey Computer (米) を買収
2015年 計算能力や処理速度が非常に高いコンピューティング環境を提供するためのソリューションを専門とする Pico Computing (米) を買収
2015年 SSDデバイス内でのデータ処理機能を制御するデバイスを設計する Tidal Systems (米) を買収
2016年 DRAMを製造するInotera Memoriesを買収
2019年 人工知能深層学習アプリケーション用のハードウェアおよびソフトウェアツールを専門とする FWDNXT (米) を買収
2021年 テキサスインスツルメンツがマイクロンテクノロジーの300mmウエハー工場を買収

市場シェア

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