ブロードコムの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

Broadcom(ブロードコム)は、米国に本拠を置く無線や通信向けの半導体大手です。2015年にブロードコムをアナログ・デジタル半導体大手アバゴ・テクノロジーズ(Avago Technologies)が買収し、その後ブロードコムへと社名変更しました。2017年にクアルコム買収を提案しましたが、その後断念しています。

業績推移(年次)


2019年度
売上高は22,597百万ドルで、前年度比8%増となりました。営業利益は3,444百万ドルになりました。営業利益率は15%になりました。半導体ソリューション部門の営業利益は、主に携帯電話機のワイヤレスコンテンツの需要の減少と、フォトカプラ、ブロードバンド、サーバーストレージ接続およびセットトップボックス製品の需要の減少により減少しました。インフラストラクチャ ソフトウェア部門の営業利益は、主にCAメインフレームおよびエンタープライズ ソフトウェア製品の寄与により増加しました。

2020年度
売上高は23,888百万ドルで、前年度比6%増となりました。営業利益は4,014百万ドルになりました。営業利益率は17%になりました。半導体ソリューション部門の営業利益は、主にストレージ製品の需要の増加により若干増加しましたが、主要顧客による新しい携帯電話機の生産開始の遅延により年間の出荷が予想を下回ったことで相殺されました。。 インフラストラクチャ ソフトウェア部門の営業利益は、主に Symantec のセキュリティ ソリューション事業の貢献により増加しました。

2021年度
売上高は27,450百万ドルで、前年度比15%増となりました。営業利益は8,519百万ドルになりました。営業利益率は31%になりました。全体売上高の内、WT Microelectronics への売上高は18%、Apple への売上高は20%を占め、上位 5 社の顧客のいずれかを失うか、需要が大幅に減少すると、経営成績、財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。半導体ソリューション部門の営業利益は、主に当社のワイヤレス製品の需要の増加と、前会計年度における主要顧客による新しい携帯電話機の生産開始の遅れにより増加しました。 インフラストラクチャ ソフトウェア部門の営業利益は、主に FC SAN 製品およびメインフレーム ソリューションに対する需要の増加により増加しました。

2022年度
売上高は33,203百万ドルで、前年度比21%増となりました。営業利益は14,225百万ドルになりました。営業利益率は43%になりました。全体売上高の内、WT Microelectronics への売上高は20%、Apple への売上高は20%を占め、上位5社の純利益が全体利益の35%を占めます。上位 5 社の顧客のいずれかを失うか、需要が大幅に減少すると、経営成績、財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。半導体ソリューション部門の営業利益は、主にネットワーキング、サーバーストレージ、ブロードバンド、ワイヤレス製品からの利益の増加により増加しました。 インフラストラクチャ ソフトウェア部門の営業利益は、主にメインフレーム ソリューションと FC SAN 製品の需要の増加により増加しました。

2023年度
売上高は35,819百万ドルで、前年度比8%増となりました。営業利益は16,207百万ドルになりました。営業利益率は45%になりました。全体売上高の内、WT Microelectronics への売上高は21%、Apple への売上高は20%を占め、上位5社の純利益が全体利益の35%を占めます。上位 5 社の顧客のいずれかを失うか、需要が大幅に減少すると、経営成績、財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。半導体ソリューション部門の営業利益は、主にネットワーキング、サーバーストレージ、ブロードバンド製品からの利益の増加により増加しました。 インフラストラクチャ ソフトウェア部門の営業利益は、主にメインフレーム ソリューションからの利益の増加により増加しましたが、FC SAN 製品からの利益の減少により部分的に相殺されました。

ブロードコムの業績推移
ブロードコムの業績推移

業績推移(四半期)

2023年第4四半期(8ー10月)
売上高は9,295百万ドルになりました。営業利益は4,240百万ドル、営業利益率は46%になりました。

ブロードコムの四半期業績推移

ブロードコムの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移


希薄化後EPSは前年度比24%増の32.98ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比12%増の18.4ドルになりました。配当性向は56%になりました。

ブロードコムの四半期業績推移

ブロードコムのEPS・配当額・配当性向の推移

業績予想


2023年12月
2023年度第四四半期のレポートにて、2024年度通期の売上は50,000百万ドル、EBITDAは対売上比で60%を予定していると掲載されています。

売上構成

セグメントは、半導体ソリューションとインフラソフトウェアに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

ブロードコムの売上構成(2021年度)
ブロードコムの売上構成(2023年度)

半導体ソリューション
セット・トップ・ボックス:ケーブル、衛星、インターネットプロトコルテレビ、オーバーザトップ、地上波のSTB向けに完全なSoCプラットフォームソリューションを提供しています。
ブロードバンドアクセスソリューション:DSL、ケーブル、PON、WLAN向けに、CPEとCOの両方に対応した完全なSoCプラットフォーム・ソリューションを提供します。
イーサネットスイッチング&ルーティング:データセンター、サービスプロバイダネットワーク、企業ネットワーク、組み込みネットワークアプリケーションに最適化された幅広いイーサネットスイッチングおよびルーティング製品を提供しています。
プロセッサー&コントローラー:プロセッサーはVoIP、電話、POSデバイス、企業や小売店のアクセスポイントやゲートウェイなど、さまざまな通信製品の高性能組み込みアプリケーション向けのSoCを提供します。また複数世代のイーサネットをサポートするイーサネットコントローラーも開発しています。
RF信号を増幅するだけでなく、選択的にフィルタリングすることがでる高周波半導体デバイスを開発製造しています。

インフラソフトウェア
メインフレーム向けのソフトウェアや法人向けのサイバーセキュリティ、ストレージ・エリア・ネットワーキング・ソリューションなどを提供しています。

直近のM&A(合併買収)

半導体分野のポートフォリオ強化やインフラソリューション分野での補完性のある事業を積極的にM&Aをしています。

2016年 
アナログおよびデジタルの半導体接続ソリューションを設計、開発、供給する半導体会社であった Avago Technologies がブロードコムを買収し、ブロードコムが創設

2017年
ストレージ ネットワーキング製品を専門とする Brocade Communications Systems を買収

2018年 
複雑な IT 環境の開発、管理、セキュリティ保護のためのソリューションを提供するソフトウェア会社 CA Technologies を買収

2018年
2018年にブロードコムが買収した「CA Technologies社」 が保有していた アプリケーションセキュリティテストの大手である 「Veracode」 を、投資会社 Thoma Bravo に売却

2019年
大規模な組織や政府向けにサイバーセキュリティソリューションを提供する Symantec のセキュリティ事業を買収

2020年
コンサル大手の Accenture に、2019年に買収した Symantec のセキュリティ事業を売却

2021年 
負荷テストとパフォーマンステストを行うBlazeMeter Continuous Testingを投資ファンドに売却

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