半導体業界の世界市場シェア・売上高ランキング・市場規模・M&A(合併買収)について分析しています。
エヌビディア、サムスン電子、SKハイニックス、ブロードコム、インテル、マイクロン・テクノロジー、クアルコム、AMD、アップル、メディアテックといった主要半導体メーカーの概要や動向も掲載しています。
【半導体とは】
半導体とは、電気を良く通す材料(例えば金属)と電気をほとんど通さない材料(絶縁体、例えばゴム)の中間の性質を持つ物質のことです。
半導体の代表的な物質としてはシリコンがあげられます。半導体を材料にした集積回路は、機器の頭脳として計算、演算、情報保存等を行います。
パワー半導体とは、半導体に電気エネルギーの変換や制御に応用するパワーエレクトロニクスの性質を備えた半導体の総称です。エアコン、冷蔵庫、洗濯機もパワーエレクトロニクス(インバーター化)が進んだことで省エネが実現しています。
パワー半導体デバイスには、パワーダイオード、MOSFET(電界効果トランジスタ)やIGBT等のパワートランジスタ、パワーモジュール、電源用IC等のディスクリート半導体やモジュール半導体があります。
パワー半導体デバイスの基板にはSi(シリコン)、SiC(炭化シリコン)、GaN(炭化ガリウム)、Ga2O3(酸化ガリウム)、ダイヤモンド等が用いられ、車両の駆動制御、無停電電源、発電・変電機器、小型情報通信機器等に利用されます。
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【半導体の製造工程について】
半導体の製造工程は、ウエハ製造→フォトマスク→成膜→フォトレジスト→露光→エッチング→洗浄→平坦化→ダイシング→テスト→パッケージングという工程をたどります。各工程に強みのある部材メーカーや装置メーカーが存在します。
半導体の作り方
- (1)ウエハ製造
ウエハは薄く円盤状にした半導体の薄い板です。半導体の主要構成部材です。主要企業は信越化学工業とSUMCOです。 - (2)フォトマスク製造
フォトマスクとは、パターニングの原版となる部材です。フォトリソグラフィで使用されます。凸版印刷や大日本印刷が強いとされます。 - (3)成膜
回路のベースとなる薄膜を形成する工程です。 - (4)フォトレジスト塗布
フォトレジストとよばれる感光剤を塗布する工程です。JSR、東京応化、住友化学、信越化学、富士フィルムが強いとされます。 - (5)露光
シリコンウエハー上に回路を焼き付ける工程です。
露光装置市場においては、最先端(EUVなど)でオランダのASMLが圧倒的な世界シェア(実質ほぼ独占)を握っており、ニコンやキヤノンはレガシーノードや独自の技術(キヤノンのナノインプリント技術など)で差別化を図っています。 - (6)エッチング
エッチングでは、化学反応を使って薄膜の形状の加工をします。 - エッチング装置の分野では、日本国内では東京エレクトロンや日立ハイテクが強い存在感を示しており、グローバル市場においては米国のラムリサーチ(Lam Research)やアプライド・マテリアルズ(AMAT)なども世界的なシェアを握っています。
- エッチングや成膜などのプロセスで使用される特殊ガスや化学薬品・薬液の分野では、大陽日酸(日本酸素ホールディングス)、旧昭和電工から社名変更したレゾナック(Resonac)、関東電化工業などが高い技術力とシェアを持っています。
- (7)ダイシング
半導体を切削してチップ化する工程です。ダイシング装置分野ではディスコが圧倒的な世界シェア(約70〜80%)を誇っています。また、テスト工程(検査)ではアドバンテストが世界トップクラスのシェアを持っています。
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WSTS (World Semiconductor Trade Statistics)
【半導体業界の市場シェア+ランキング】
半導体メーカー各社の2025年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、後述する市場規模を分母にして、2025年の半導体業界の世界市場シェアを簡易に算出すると、1位はNVIDIA、2位はサムスン電子、3位はSKハイニックスとなります。
| 順位 | Company name(English) | 企業名(日本語) | 市場シェア |
| 1 | NVIDIA | エヌビディア | 27.14% |
| 2 | Samsung Electronics | サムスン電子 | 11.03% |
| 3 | SK Hynix | SKハイニックス | 8.23% |
| 4 | Broadcom | ブロードコム | 8.03% |
| 5 | Intel | インテル | 6.18% |
| 6 | Qualcomm | クアルコム | 5.57% |
| 7 | Micron Technology | マイクロン・テクノロジー | 4.70% |
| 8 | Advanced Micro Device (AMD) | エイ・エム・ディ | 4.35% |
| 9 | Apple* | アップル* | 3.09% |
| 10 | Media Tek | メディアテック | 2.41% |
*Gartner社推計値
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*Gartner社推計値
2025年の半導体市場は、生成AIインフラ投資の急拡大や、AIプロセッサ、高帯域幅メモリ(HBM)、ネットワーク関連コンポーネントの爆発的な需要を背景に、前年から約20%の大幅な成長を記録しました。AI関連の半導体だけで市場全体の約3分の1を占めるまでに至り、業界の構造変化が鮮明になった年となりました。
世界市場トップを独走するエヌビディアは、生成AIブームによる圧倒的なGPU需要を背景に、半導体業界で史上初となる年間売上1000億ドルを突破し、業界の成長を牽引しました。2位のサムスン電子はメモリ分野(HBM等)が好調を維持したものの非メモリ部門で苦戦が見られ、エヌビディアとの間に大きな差がつく結果となりました。
また、AIサーバー向けHBMの需要を的確に捉えたSKハイニックスが大きく売上を伸ばして3位に浮上したほか、マイクロン・テクノロジーやブロードコムなども高性能メモリやデータセンター向けネットワーク機器の拡大を追い風に存在感を高めました。一方で、インテルは主力セグメントで苦戦が続き、順位やシェアを落とす二極化の傾向が鮮明となっています。
そのほか、クアルコム、エイ・エム・ディ(AMD)、アップル、メディアテックなども、モバイル、PC、車載、カスタムAIチップなど各々の主力分野において先端プロセスやインフラ開発への注力を続け、活況な市場の中での生き残りとシェア争いを展開しています。
【半導体業界の世界市場規模】
当データベースでは、2025年の半導体業界の市場規模を7,956億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社世界半導体市場統計(WSTS)によると、2025年の半導体業界の市場規模は7,956億ドルとされています。2026年は89.9%増の1兆5,112億ドル、2027年には26.6%の高成長を継続し、市場規模は1兆9,137億ドルへ拡大すると予想されています。
また、調査会社Gartner社によると、2025年の半導体業界の市場規模は7,930億ドルに達し、前年比21%増とされています。
| 年 | 市場規模 | 年平均成長率 |
| 2025 | 7,956億ドル | – |
| 2026 | 1兆5,112億ドル | 89.9% |
| 2027 | 1兆9,137億ドル | 26.6% |

【M&Aの動向】
2022年 クアルコム(Qualcomm)がVeoneer, Inc.を買収
2022年 ルネサス エレクトロニクスがパワーインテグレーションズを買収
2023年 ブロードコム(Broadcom)がVMwareを買収
2023年 オン・セミコンダクター(onsemi)がGT Advanced Technologiesを買収
2023年 インフィニオン(Infineon Technologies)がGaN Systemsを買収
2024年 AMD(Advanced Micro Device)がザイリンクス(Xilinx)を買収
2024年 マーベル・テクノロジー(Marvell Technology)がInnoviumを約13億ドルで買収
2025年 AMD(Advanced Micro Device)がZT Systemsを買収
2025年 クアルコム(Qualcomm)がAlphawave Semiを買収
【会社の概要】
Samsung Electronics(サムスン電子)
韓国を代表する総合電機メーカーであり、スマホ、半導体、テレビ、白物家電など最終商品まで幅広く手掛けていることが強みです。垂直統合型の半導体メーカーとしてDRAM、NAND型フラッシュメモリ、SSDの自社製造を行い、半導体受託生産(ファウンドリ)事業も展開しています。グループ内にはOLEDや液晶パネルを手掛けるサムスンディスプレイ、リチウムイオン電池のサムスンSDI、電子部品のサムスン電気、造船のサムスン重工、バイオ製薬のサムスンバイオロジックスなどを擁します。また、車載音響機器大手のハーマンを買収するなど事業領域を拡大しています。さらに詳しく
NVIDIA(エヌビディア)
GPU(グラフィックス処理ユニット)と高度なコンピューティング分野における世界的リーダーです。元々はゲーム用GPUの開発で支持を得ていましたが、生成AIブームの到来を背景にAIプロセッサーやデータセンター向けソリューションで圧倒的なシェアを築き、近年は史上初の年間売上1000億ドルを突破するなど半導体業界の成長を大きく牽引しています。プロフェッショナルな視覚化、自動車、クラウドコンピューティングなどの分野でも大きな影響力を持っています。さらに詳しく
SK Hynix(SKハイニックス)
韓国の大手半導体メーカーであり、通信大手のSKテレコム傘下です。DRAMやNAND型フラッシュメモリなどのメモリ半導体で世界トップクラスのシェアを誇ります。AI時代を牽引する高帯域幅メモリ(HBM)の分野で業界をリードしており、NVIDIAなどの主要企業へ製品を供給しています。また、インテルのNANDフラッシュメモリおよびSSD事業を買収して設立した子会社「ソリダイム(Solidigm)」を通じて、大容量エンタープライズSSD市場の強化も進めています。さらに詳しく
SKグループ
SKグループは、1953年に設立された韓国第3位の財閥グループです。崔泰源会長の強いリーダーシップの下でM&Aを通じて事業を拡大しています。半導体(SKハイニックス)、石油・電池(SKイノベーション)、通信(SKテレコム)、医薬品(SKバイオファーム)、医薬品受託(SKバイオサイエンス)、半導体素材(SKシルトロン)等の分野に強みがあります。2021年には、米国の燃料電池メーカーのプラグパワーに出資をし、水素プラントへの進出をしています。さらに詳しく
Broadcom(ブロードコム)
米国に本拠を置く、無線通信およびインフラ向け半導体の巨大メーカーです。アナログ・デジタル半導体大手のアバゴ・テクノロジーズによる買収を経て現社名となりました。データセンター向けネットワーク機器や通信インフラ、カスタムAIチップの需要を的確に捉えて急成長を遂げています。また、大規模なM&A戦略巧者としても知られ、エンタープライズソフトウェア大手のVMwareを買収するなど、ソフトウェア分野へも事業を多角化させています。さらに詳しく
Intel(インテル)
1968年に設立された米国を代表する半導体メーカーであり、開発設計から製造までを一貫して手掛ける垂直統合モデルを特徴としています。PC向けCPUの「Coreプロセッサー」やデータセンター向けの「Xeonプロセッサー」で長年圧倒的な競争力を有してきましたが、近年は先端プロセスのナノ競争やファウンドリ事業の立て直し、市場シェアの変化に対応すべく、製造部門の分離独立(インテル・ファウンドリ)など抜本的な事業再編を進めています。さらに詳しく
Micron Technology(マイクロン・テクノロジー)
1978年に創業された米国を代表するメモリーメーカーです。DRAMおよびNAND型フラッシュメモリの分野で世界の大手「ビッグ3」の一角を占めています。日本のエルピーダメモリを買収するなどして規模を拡大し、近年はAIサーバーやデータセンター向けの高性能DRAMやSSD、さらに最先端のHBM市場への参入と供給拡大を積極的に進め、業績を大きく伸ばしています。さらに詳しく
Qualcomm(クアルコム)
米国に本拠を置く、工場を持たないファブレスの半導体メーカーです。スマートフォン向けのモデムチップや「Snapdragon」シリーズなどのSoC(システム・オン・チップ)で圧倒的なシェアを誇り、4Gや5Gなどのモバイル通信技術で成長しました。近年はモバイル分野で培った高い電力効率技術を活かし、自動車向け(車載半導体)やPC、IoT、XRデバイス向けへと事業ポートフォリオを多角化・拡大させています。さらに詳しく
Advanced Micro Devices (AMD)
米国に本拠を置く、高性能コンピューティングおよびグラフィックスの主要な半導体メーカーです。CPUブランドの「Ryzen(ライゼン)」やサーバー向けの「EPYC(エピック)」でシェアを大きく拡大してきました。さらに、通信基地局向けに強みを持つザイリンクス(Xilinx)や、AIインフラ・サーバー構築を手掛けるZT Systemsの買収を相次いで実行し、NVIDIAに対抗する形でAI・データセンター向けのハードウェアおよびソフトウェアのエコシステム構築を急ピッチで進めています。
Apple(アップル)
世界をリードする総合テクノロジー企業であり、iPhone、Mac、iPadなどのハードウェアからサービスまで幅広く手掛けています。半導体分野においては外部向けの外販は行わないものの、自社製品専用に「Aシリーズ」や「Mシリーズ」といった高性能な「Apple Silicon(アップル・シリコン)」を内製・設計しています。業界トップクラスの先端プロセスをいち早く調達・活用し、デバイス全体の圧倒的な処理性能と省電力性を生み出す原動力として機能させています。さらに詳しく
MediaTek(メディアテック)
台湾に本拠を置く世界的なファブレス半導体メーカーです。スマートフォン向けの「Dimensity(ディメンシティ)」シリーズをはじめとするSoC(システム・オン・チップ)で圧倒的な実績を持ち、グローバルのモバイル端末市場で高いシェアを誇ります。スマートフォン向けだけでなく、スマートテレビ、タブレット、車載用チップ、通信機器向けへと展開を広げ、コストパフォーマンスと技術力を武器にグローバル市場での存在感を高め続けています。
TSMC (Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)
TSMCは世界最大級の半導体メーカーである。1987年に台湾で創業。台湾はもちろん米国や中国にも製造拠点を持ち、半導体製造技術の革新を続ける世界最大のファウンドリー企業です。またTSMCは2024年2月、熊本県に日本初の巨大な半導体生産工場を完成させました。この工場は、日本政府の支援を受けて建設され、約1兆2900億円の投資額で20万平方メートル以上の敷地面積を持ち、半導体供給における強靭さを日本と世界にさらに強化することを目指しています。さらに詳しく
Sony Corporation(ソニー株式会社)
ソニーは、日本を代表する総合テクノロジー企業であり、ハードウェアとソフトウェアを統合したエコシステムを強みとしています。ゲーム、音楽、映画、金融、エレクトロニクスに加え、イメージセンサーを中心とする半導体事業を主要領域として展開しています。
イメージセンサーでは世界トップシェアを持ち、山形の旧ルネサス工場や東芝大分工場の一部取得を通じて生産能力を拡大し、スマートフォン向け高性能センサーの需要増に対応しつつ、車載・産業機器向けの成長分野にも注力しています。
テレビ事業ではパネル製造を行わず、台湾ホンハイなど外部調達を活用しながらブランド競争力を維持しています。
ゲーム分野では PlayStation を軸にハードとネットワークサービスの両面で成長し、映像機器ではミノルタの一眼レフ事業を継承したデジタルカメラでプロ・ハイエンド市場を強化しています。さらに詳しく
Kioxia Holdings Corporation(キオクシアホールディングス株式会社)
東芝が経営危機に陥った際に半導体メモリ事業を分社化して誕生した東芝メモリを前身とし、その後 Bain Capital 主導のコンソーシアムに売却されました。東芝は現在も少数株主として持分を保有しています。
キオクシアは NAND型フラッシュメモリの世界大手であり、四日市・北上工場において Western Digital と共同生産体制を構築しています。社名「Kioxia」は「記憶(kioku)」と「価値(axia)」を組み合わせた造語です。
TOSHIBA(東芝)
東芝は日本を代表する重電メーカーであり、芝浦製作所と東京電気が統合して1939年に誕生した東京芝浦電気を前身としています。日立製作所、三菱電機、富士電機、明電舎と並び、国内重電メーカーの主要企業の一角を占めます。経団連会長を輩出するなど、日本産業を象徴する企業として長い歴史を持っています。
2016年のウエスチングハウスの巨額減損問題を契機に大規模な事業再編を進め、PC・テレビ・白物家電・メモリ事業などを段階的に売却し、現在はインフラサービス、インフラシステム、デバイス&ストレージを中心とした事業体へとビジネスモデルを転換しています。2023年には株式非公開化が完了し、再建に向けた体制強化を進めています。さらに詳しく
