ファウンドリ・半導体受託生産業界の世界市場シェアの分析

ファウンドリ・半導体受託生産業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。TSMC、GLOBALFOUNDRIES (グローバルファウンドリーズ) 、SMIC、 力晶、タワージャズ等世界の主要なファンドリー会社の動向も掲載しています。

世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第4巻」に記載のファウンドリ・半導体受託生産会社各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。

1位 TSMC 56%
2位 グローバルファウンドリーズ 9%
3位 UMC 8%
4位 サムスン 7%
5位 SMIC 5%
6位 タワージャズ 2%
7位 力晶 2%
8位 華虹宏力 1%
9位 バンガード 1%

ファウンドリ・半導体受託会社の世界シェア・ランキング1位は台湾のTSMC社です。市場の約過半をシェアを占め、TSMC無くしては最新のスマホが作れない、という状況になりつつあります。2位は米国のグローバルファウンドリーズです。3位は台湾のUMCとなります。中国のSMICが追い上げをはかります。

ファウンドリメーカーとは
半導体の設計や開発は行わず、半導体の生産に特化するメーカーのことです。1980年後半よりシリコンバレーを中心に、半導体の設計・開発に特化した企業が誕生し、TSMCやUMC等のファンドリメーカーが生産を受託して、半導体の分業体制が加速して行きました。スマホ向けの半導体に強いクアルコムや画像処理GPUを手掛けるエヌビデアはファブレスメーカーの筆頭格です。一方で、インテルやサムスンは、自社で半導体の製造まで手がけます。半導体の性能を左右する回路線幅では、2021年1月時点で以下のようになっています。

  • インテル 2020年に7ナノの量産の安定化
  • TSMC  2020年に5ナノ量産化実現 (アップルに5ナノのCPUであるA14 チップを供給)
  • サムスン 2020年に5ナノの量産化を目標

市場規模

当サイトでは、各調査会社等の公表データやファンドリ各社の売上高も参考にし、ファウンドリ業界の2019年の世界市場規模を830億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。調査会社のガートナーによれば、2019年の同業界の市場規模は623億ドルとなります。一方調査会社のモードーインテリジェンスによれば、2019年の同市場規模は420億ドルです。2020年から2025年に年平均6.75%の成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

車載半導体の受託製造の流れ

自動車メーカーが車載半導体を車載半導体メーカーに発注し、車載半導体メーカーは開発した半導体の生産をファンドリに生産委託する構図です。ファンドリは車載半導体以外にもサーバーやパソコン向けのチップ等の半導体も製造しています。

自動車メーカー(トヨタやGM等)が車載半導体を車載半導体メーカーへ発注
自動車メーカー
ルネサスやNXP等の車載用半導体メーカーが仕様を開発し、ファンドリ会社へ製造を委託
車載半導体メーカー
台湾のTSMCやUMC等のファンドリ会社が製造を受託し、生産を開始
ファンドリ

さらに業界に詳しくなるための関連書籍
圧縮された産業発展―台湾ノートパソコン企業の成長メカニズム―
台湾半導体企業の競争戦略

世界の主要なファウンドリ会社の一覧

Taiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC:台湾積体電路製造、せきたいでんろ)
テキサス・インスツルメンツの技師であったモリスチャンが創業した台湾に本拠を置く世界最大の半導体ファウンドリ会社です。携帯電話のハンドチップ大手のクアルコムやアップル等ファブレス企業の生産を受託して成長しました。設備投資でも半導体業界中最大規模を誇ります。2018年にモリス・チャンが引退を発表しましたが、その後も微細化技術の先端を走っています。

2020年 5nm(ナノメートル)の量産開始。iPhone12にも採用。

UMC(聯華電子)
台湾に本拠を置く半導体製造受託大手です。新日鉄子会社の日鉄セミコンダクターを買収しました。

GLOBALFOUNDRIES (グローバルファウンドリーズ)
米国に本拠を置くファンダリー会社です。演算向け半導体大手のAMDの半導体製造事業が2008年に分社化して誕生しました。グラフィックチップ大手のAMDとアブダビ首長国のファンドであるATICが株主です。2014年にIBMの半導体事業を買収しました。微細化においては7ナノ競争から離脱しています。

Semiconductor Manufacturing International Corporation(SMIC:中芯国際集成電路製造)

Semiconductor Manufacturing International Corporation(SMIC:中芯国際集成電路製造)は2000年に設立された中国に本拠を置く半導体ファンドリー大手です。主要顧客はクアルコムやテキサス・インストルメンツ社等があります。インテル、TSMCやサムソンで半導体開発を行なったMong-Song Liang氏が創業しています。2020年中には10nmの量産化に成功するなど、ファンドリ上位4位を追い上げています。一方米国の産業安全保証局からの制裁を受けており、事業への影響については精査する必要があります。ニューヨーク証券取引所に上場しました。

SMICの直近の売上高と営業利益率
2019年 31億ドル(1.6%)
2018年 33億ドル(0.5%)
2017年 31億ドル(4%)

Powerchip Technology(力晶半導体)
台湾に本拠を置く半導体ファンドリーメーカーです。メモリの受託に強みを持ちます。台湾証券取引所に上場しています。

Tower Semiconductor (タワージャズ)
イスラエルに本拠を置くファンドリー大手です。アバゴ・テクノロジー、フェアチャイルド社等が主要顧客です。パナソニックの半導体工場も買収しました。

Vanguard International Semiconductor(バンガード)
台湾に本拠を置くファンドリーです。元々はTSMCのサブコントラクターでした。現在はDRAM等の受託生産に注力しています。

Hua Hong Grace(華虹宏力)
中国の半導体受託会社です。2012年にHua Hong Semiconductor社(華虹半導体) とGrace Semiconductor Manufacturing社(GSMC、宏力半導体製造)が経営統合をして誕生しました。

HLMC(Shanghai Huali Microelectronics Corporation)
2010年に設立されたウェハーファウンドリ専業の会社です。

サムスン

Samsung(サムスン電子)は、韓国を代表する総合家電メーカーです。スマホ、半導体、テレビ、白物家電など、最終商品まで手掛けていることが強みです。垂直統合型の半導体チップメーカーとして、DRAM、NANDフラッシュメモリ、SSDの自社製造を手掛けています。最終製品のスマホやテレビにも強みを持ちます。OLEDや液晶パネルの製造はサムスンディスプレイ、リチウムイオン電池はサムスンSDI、電子部品はサムスン電気、造船はサムスン重工、バイオ製薬の製造はサムスンバイオロジックスで手掛けています。2016年には車載音響機器大手のハーマンを買収しました。