ファウンドリ・半導体受託生産業界の世界市場シェアの分析

ファウンドリ・半導体受託生産業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。TSMC、グローバルファウンドリーズ 、サムスン、UMC、SMIC、 力晶、タワージャズ等世界の主要なファウンドリ会社の動向も掲載しています。

世界市場シェア

ファウンドリ・半導体受託生産会社各社の2021年度の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2021年のファウンドリ・半導体受託生産業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はTSMCとなります。⇒参照したデータの詳細情報

ファウンドリ・半導体受託生産会社の世界シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位TSMC51.3%
2位サムスン17.5%
3位UMC7.3%
4位グローバルファウンドリーズ6.1%
5位SMIC3.6%
6位力晶2.1%
7位華虹宏力1.5%
8位バンガード1.43%
9位タワージャズ1.4%
ファウンドリ・半導体受託生産会社の世界シェアと業界ランキング(2021年)

半導体受託生産・ファウンドリの世界シェア(2021年)
半導体受託生産・ファウンドリの世界シェア(2021年)

ファウンドリ・半導体受託会社の世界シェア・ランキング1位は台湾のTSMC社です。市場の約過半のシェアを占め、TSMC無くしては最新のスマホが作れない、という状況になりつつあります。アップルからの委託をほぼ独占しています。またインテルと競合するAMDもTSMCに委託しています。2位は韓国のサムスンです。自社向けの製品を製造していることからアップル等スマホで競合する会社からの委託がありません。最終製品で競合しないクアルコム、IBM、エヌビデア等を顧客に持ちます。3位は台湾のUMCとなります。4位は半導体受託製造米国のグローバルファウンドリーズです。中国のSMICが5位になり、追い上げをはかりますが、米国のエンティティー・リスト(EL)に2020年末に登録された影響が懸念されます。

ファウンドリメーカーとは

半導体の設計や開発は行わず、半導体の生産に特化するメーカーのことです。1980年後半よりシリコンバレーを中心に、半導体の設計・開発に特化した企業が誕生し、TSMCやUMC等のファウンドリメーカーが生産を受託して、半導体の分業体制が加速して行きました。スマホ向けの半導体に強いクアルコムや画像処理GPUを手掛けるエヌビデアはファブレスメーカーの筆頭格です。一方で、インテルやサムスンは、自社で半導体の製造まで手がけます。半導体の性能を左右する回路線幅では、2021年1月時点で以下のようになっています。

インテル

2023年:7ナノの量産の安定化

TSMC

2021年:3ナノ製造工場の建設開始。300億ドルの設備投資を発表
2020年:5ナノ(インテルの7ナノ相当)量産化実現 (アップルに5ナノのCPUであるA14 チップを供給)

サムスン

2020年:5ナノ(インテルの7ナノ相当)の量産化

技術開発力と設備投資額の両面でTSMCの独走態勢が続いています。

ファウンドリ 各社の業績指標

業界首位のTSMCのROAとROEの高さが光ります。一方でSMICの前年比売上高成長率は中国の半導体市場における存在感を示しています。

半導体製造受託会社のROAとROEと売上成長率の比較(2021年度)
半導体製造受託会社のROAとROEと売上成長率の比較(2021年度)
*ROAとROEは直前期の当期利益と期初と期末の自己資本額の平均値から計算をしています。
**売上高成長率は直前期を基準に過去5年間の年平均成長率(CAGR)を計算しています。

市場規模

当サイトでは、各調査会社等の公表データやファウンドリ各社の売上高も参考にし、ファウンドリ業界の2021年の世界市場規模を1074億ドルとしております。参照にしたデータは以下の通りです。

調査会社モルドールインテリジェンスによると2021年の同業界の市場規模は1074億ドルです。2027年にかけて年平均7.54%で成長し、1612億ドルへと拡大する見込みです。
調査会社のガートナーによれば、2020年の同業界の市場規模は708億ドルとなります。
調査会社のモルドールインテリジェンスによれば、2020年の同市場規模は420億ドルです。2020年から2025年に年平均6.75%の成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模前年成長率
20211074億ドル51.7%
2020708億ドル13.6%
2019623億ドルn/a
ファウンドリ 業界の市場規模の推移©ディールラボ

車載半導体の受託製造の流れ

自動車メーカーが車載半導体を車載半導体メーカーに発注し、車載半導体メーカーは開発した半導体の生産をファウンドリに生産委託する構図です。ファウンドリは車載半導体以外にもサーバーやパソコン向けのチップ等の半導体も製造しています。

自動車メーカー ⇒
自動車メーカー(トヨタやGM等)が車載半導体を車載半導体メーカーへ発注

車載半導体メーカー ⇒
ルネサスやNXP等の車載用半導体メーカーが仕様を開発し、ファウンドリ会社へ製造を委託

ファウンドリ
台湾のTSMCやUMC等のファウンドリ会社が製造を受託し、生産を開始

世界の主要なファウンドリ会社の一覧

Taiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC:台湾積体電路製造、せきたいでんろ)

テキサス・インスツルメンツの技師であったモリスチャンが創業した台湾に本拠を置く世界最大の集積回路を含む半導体ファウンドリ会社です。携帯電話のハンドチップ大手のクアルコムやアップル等ファブレス企業の生産を受託して成長しました。設備投資でも半導体業界中最大規模を誇ります。2018年にモリス・チャンが引退を発表しましたが、その後も微細化技術の先端を走っています。さらに詳しく

UMC(聯華電子)

台湾に本拠を置く半導体製造受託大手です。新日鉄子会社の日鉄セミコンダクターを買収しました。

GLOBALFOUNDRIES (グローバルファウンドリーズ)

米国に本拠を置くファウンドリ会社です。グラフィックチップや演算向け半導体大手AMDの半導体製造事業の持分を一部を2009年にブダビ首長国の国有ファンドであるムバダラが買収して誕生しました。2010年にはチャータード・セミコンダクター・マニュファクチャリングを、2014年にはIBMの半導体事業を買収しました。微細化においては7ナノ競争から離脱しています。2021年にインテルが買収交渉を行っているとの報道がありました。2021年10月に株式を公開しました。さらに詳しく

Semiconductor Manufacturing International Corporation(SMIC:中芯国際集成電路製造)

SMIC(中芯国際集成電路製造)は、2000年に設立された中国に本拠を置く半導体ファウンドリ大手です。クアルコムやテキサス・インスツルメンツとも取引をしています。インテル、TSMCやサムソンで半導体開発を行なったMong-Song Liang氏が創業しました。200mm(8インチ)~300mmのウエハ製造に強みがあります。回路線幅では2020年に10nmの量産化に成功するなど、ファウンドリ上位を追い上げています。SMICは中国の半導体国産化という重要な役割を担っていますが、米中の半導体対立によって紆余曲折が予想されます。香港証券取引所に上場しています。さらに詳しく

Powerchip Technology(力晶半導体)

台湾に本拠を置く半導体ファウンドリメーカーです。メモリの受託に強みを持ちます。台湾証券取引所に上場しています。

Tower Semiconductor (タワージャズ)

イスラエルに本拠を置くファウンドリ大手です。アバゴ・テクノロジー、フェアチャイルド社等が主要顧客です。パナソニックの半導体工場も買収しました。

Vanguard International Semiconductor(バンガード)

台湾に本拠を置くファウンドリです。元々はTSMCのサブコントラクターでした。現在はDRAM等の受託生産に注力しています。

Hua Hong Grace(華虹宏力)

中国の半導体受託会社です。2012年にHua Hong Semiconductor社(華虹半導体) とGrace Semiconductor Manufacturing社(GSMC、宏力半導体製造)が経営統合をして誕生しました。

HLMC(Shanghai Huali Microelectronics Corporation)

2010年に設立されたウェハーファウンドリ専業の会社です。

サムスン

Samsung(サムスン電子)は、韓国を代表する総合電機メーカーです。スマホ、半導体、テレビ、白物家電など、最終商品まで手掛けていることが強みです。垂直統合型の半導体チップメーカーとして、DRAM、NAND型フラッシュメモリ、SSDの自社製造を手掛けています。また半導体受託生産も行っております。最終製品のスマホやテレビにも強みを持ちます。OLEDや液晶パネルの製造はサムスンディスプレイ、リチウムイオン電池はサムスンSDI、電子部品はサムスン電気、造船はサムスン重工、バイオ製薬の製造はサムスンバイオロジックスで手掛けています。2016年には車載音響機器大手のハーマンを買収しました。さらに詳しく

参照したデータの詳細情報について


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