半導体製造装置業界の世界市場シェアの分析

半導体製造装置業界の世界市場シェア、市場規模とM&A再編について分析をしています。アプライドマテリアルズ、東京エレクトロン、ASLM、ラムリサーチ、KLAテンコール等半導体製造装置メーカーの主要企業概要も掲載しています。

半導体製造装置業界の市場シェア

半導体製造装置メーカー各社の2020/2019年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、後述する世界市場規模を分母にして、簡易に2020年の半導体製造装置業界の世界市場シェアを計算しますと、1位はアプライドマテリアルズ、2位はASML、3位はラムリサーチとなります。

半導体装置業界シェア

  • 1位 アプライドマテリアルズ 25.0%
  • 2位 ASML 24.4%
  • 3位 ラムリサーチ 14.5%
  • 4位 東京エレクトロン 14.5%
  • 5位 KLAテンコール 8.4%
  • 6位 SCREENホールディングス 3.1%
  • 7位 日立ハイテクノロジーズ 2.9%
  • 8位 ASMパシフィックテクノロジー 2.8%
  • 9位 KOKUSAI 2.2%

1位は不動のアプライドマテリアルズ社です。市場シェア9位のKOKUSAIが有する一度に複数枚のウェハを処理する技術獲得を目指し、2019年7月に買収を発表しました。2021年に中国当局の承認が得られず断念しています。2位はオランダのフィリップスが出自のASMLで、リソグラフィ分野で強みを発揮しています。3位は半導体のドライエッチング装置に強いラムリサーチ、4位にはコータ&デベロッパに強く、ドライエッチング装置、洗浄装置、CDV装置等を手がける日本の東京エレクトロンが入っています。アプライドマテリアルズ、ASML、ラムリサーチ、東京エレクトロが、半導体製造装置の四天王として君臨しています。

順位2011年2015年2020年
1位ASMLアプライドマテリアルズアプライドマテリアルズ
2位アプライドマテリアルズラムリサーチASML
3位東京エレクトロンASMLラムリサーチ
4位KLAテンコール東京エレクトロン東京エレクトロン
5位ラムリサーチKLAテンコールKLAテンコール
半導体製造装置メーカー売上高ランキング推移©業界再編の動向

2011年以降、半導体製造装置業界のビッグ5が激しく順位を競っていますが、ビック5以外の会社は入っていません。アプライドマテリアルズと東京エレクトロンの経営統合は規制当局の承認が得られずに頓挫しました。また、ラムリサーチとKLAテンコールの経営統合によって、ビッグ2(アプライドとラムKLA)が頭一つ抜き出る形となるはずでしたが、こちらも実現しませんでした。

市場規模

半導体製造装置は半導体製造に用いられる装置です。種類には、露光装置、ウェハー製造装置、ドライエッチング装置、ドライ洗浄装置、CVD装置、組立て装置、検査装置などがあります。
当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、半導体製造装置業界の2020年の世界市場規模を689億ドルとして市場シェアを計算しております。参考したデータは以下の通りです。
調査会社のマーケッツアンドマーケッツによると、2020年の同業界の市場規模は624億ドルです。2025年にかけて年平均9%の成長を見込みます。国際半導体製造装置材料協会によると、2020年と2019年の同市場規模は689億ドル、598億ドルです。調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによれば、2018年度の同業界の世界市場規は645億ドルです。2017年の半導体装置の世界の市場規模は566億ドルです。前年比で約37%の成長しています。⇒参照したデータの詳細情報
スマホやデータセンター向けのフラッシュメモリー向けの投資が増加しています。半導体の後工程に強い中国は最大の市場です。

市場規模成長率
2020689億ドル9%
2019598億ドル
2018645億ドル
2017566億ドル
半導体製造装置の市場規模推移©ディールラボ

主要な業界再編

最新技術の開発のための設備投資や得意とする領域の拡大を求めて、大手同士での業界再編が相次いでいます。

1997年 KLA社とTencor社が経営統合し、KLA Tencor (KLAテンコール)が誕生。
2001年 東京エレクトロンによる半導体回路パターンの製造用のソフトウェア会社の米ティンバー・テクノロジーズ社(Timbre Technologies)の買収
2007年 アプライド・マテリアルによるスイスの精密ウェーハ製造装置大手HCT シェイピングシステムズ(HCT Shaping Systems)社の買収
2008年 アプライド・マテリアルによるイタリアの太陽電池の製造に用いられる自動配線装置大手バッチーニ社(Baccini)社の買収
2009年 アプライド・マテリアルによる半導体製造装置関連の米Semitool社の買収
2011年 アプライド・マテリアルによるイオン注入装置の大手バリアンセミコンダクターイクイップメントアソシエーツ社(Varian Semiconductor Equipment Associates)の買収
2012年 東京エレクトロンによる薄膜型太陽電池製造装置大手のOerlikon Solar(エリコン・ソーラー社)の買収
2012年 インテルによるASMLへの出資
2012年 ASMLによる光源製造大手の米サイマー社を買収
2012年 東京エレクトロンによるウェハー関連製造装置メーカーのネックス・システムズ社(NEXX Systems)の買収
2012年 東京エレクトロンによる半導体洗浄装置大手の米国FSI Internationalの買収
2015年 Lam Research (ラムリサーチ)による米同業のKLA Tencor (KLAテンコール)の買収の発表(規制当局の承認を得られず)
2016年 ASMLによる台湾の電子ビーム式の最大手の台湾の漢民微測科技(エルメス・マイクロビジョン)を買収
2019年 アプライドマテリアルズによるKOKUSAI ELECTRICの買収の発表
2021年 アプライドマテリアルズによるKOKUSAI ELECTRICの買収の断念(中国規制当局の承認を得られず)

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍

主要半導体製造装置メーカーの動向

アプライド・マテリアルズ

米国に本社を置く世界最大級の半導体製造装置メーカーです。世界に約100カ所の拠点を持ちます。半導体製造装置分野で圧倒的な存在感を示します。日本の東京エレクトロンとの経営統合は実現しませんでした。自社で強みをもつ回路の成膜分野でのシナジーを求め、2019年に日立国際電気から分社化したKOKUSAI ELECTRICの買収を発表しましたが、2021年に断念をしました。

ASML

オランダに本拠を置く半導体製造装置メーカーです。半導体露光装置(ステッパー)分野ではニコン・キャノンを凌ぎ世界最大手です。2016年に電子ビーム式の最大手の台湾の漢民微測科技(エルメス・マイクロビジョン)を買収しました。

東京エレクトロン

日本を代表する半導体製造装置メーカーです。TBSの出資によって設立されました。フラットパネルディスプレイ製造装置にも強みを持ちます。

Lam Research (ラムリサーチ)

1980年に設立された米半導体製造装置メーカーです。ドライエッチング工程などを手掛けるエッチング装置に強みを持ちます。2015年にラムリサーチによるKLAテンコール買収が発表されましたが、実現しませんでした。

KLA Tencor (KLAテンコール)

米国に本拠を置く大手半導体製造装置メーカーです。ウエハ検査・計測装置に強みを持ちます。

ASM International (ASMインターナショナル)

オランダに本拠を置く半導体製造装置メーカーです。ASMLは元々はASMIとフィリップスの合弁会社として誕生しました。成膜工程に強みを持ちます。

Teradyne(テラダイン)

米国に本拠を置く半導体検査装置大手です。サムスン、クアルコム、インテル等が主要顧客です。ニューヨーク証券取引所に上場しています。

SEMES

サムスン電子系の半導体製造装置メーカーです。SCREEN社との合弁でしたが、サムスン電子が買収しました。洗浄装置に強みを持ちます。

ASMパシフィックテクノロジー

半導体バックエンド装置メーカーです。半導体のアセンブリ、パッケージング、表面実装技術向けの機器を製造しています。香港証券取引所に上場しています。

日本の半導体製造装置の有力メーカー

KOKUSAI ELECTRIC

日立国際電気の半導体事業が2018年6月に分社して誕生した製造装置メーカーです。半導体回路周辺の絶縁膜等の成膜装置に強みを持ちます。2018年にKKRが買収しました。

Nikon(ニコン)

露光装置に強みを持ちます。

日立ハイテクノロジーズ

プロセス製造装置に強みを持ちます。日立製作所が子会社化しました。

SCREENセミコンダクターソリューションズ

ウェハ洗浄に強みをもつ洗浄装置大手です。

参照したデータの詳細情報について


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