ラムリサーチの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

Lam Research(ラムリサーチ)は1980年に設立された米国に本拠を置く半導体製造装置メーカーです。ドライエッチング工程などを手掛けるエッチング装置、蒸着プロセスやシングルウェハー洗浄装置に強みを持ちます。2015年にラムリサーチによるKLAテンコール買収が発表されましたが、実現しませんでした。

業績推移(年次)

2022年度
売上高は前年度比17.78%増の17,227百万ドルになりました。営業利益は前年度比20.08%増の5,382百万ドルになりました。営業利益率は31.24%になりました。半導体需要は堅調、ただしマクロ要因で一部弱含んでいます。ファウンドリ・ロジックの投資額は、DRAMとNANDの投資額を上回り、堅調に推移し、増収増益になりました。

2021年度
半導体への需要が強まり、前年同期比増収増益となりました。特に微細システム向けの製造装置が好調でした。

ラムリサーチの業績推移

ラムリサーチの業績推移

業績推移(四半期)

2022年7ー9月
売上高は前年同期比17.88%増の5,074百万ドルになりました。営業利益は前年同期比23.73%増の1,698百万ドルになりました。営業利益率は33.5%になりました。半導体不足を解消するために、製造装置にも強い需要があり、前年同期比増収増益になりました。一方、今後の景気の減速もあり、2023年には需要が弱含むと予想しています。

2022年4ー6月
売上高は前年同期比11.83%増の4,636百万ドルになりました。営業利益は前年同期比12.42%増の1,479百万ドルになりました。営業利益率は31.9%になりました。

2022年1ー3月
売上高は前年同期比5.52%増の4,060百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-0.28%の1,192百万ドルになりました。サプライチェーンの混乱や販管費などがかさんだこともあり、増収減益となりました。

2021年10ー12月
売上高は4,227百万ドル、営業利益は1,338百万ドル(営業利益率31.7%)となり、前年同期比増収増益でした。

2021年7-9月
前年同期比増収増益となりました。堅調に推移する半導体需要が追い風となっています。

ラムリサーチの四半期業績推移

ラムリサーチの四半期業績推移

EPS成長率

2019年度以降、希薄化後のEPSは増加しています。

ラムリサーチの希薄化後EPSの推移

ラムリサーチの希薄化後EPSの推移

売上構成

半導体製造装置の開発製造販売が主力事業となります。半導体製造工程の中でも、蒸着プロセス、エッチングプロセス、洗浄プロセスに対応した装置や技術に強みを持ちます。

成膜プロセス
誘電体(絶縁体)と金属(導電体)の層を作るのが成膜プロセスです。作る材料や構造の種類によって、Electrochemical deposition、Chemical Vapor Deposition、Atomic Layer Deposition、Plasma-enhanced CVD、Gapfill High-Density Plasma CVD、Ultraviolet Thermal Processingなどの手法が用いられます。

エッチングプロセス
エッチングは、成膜時に添加された誘電体(絶縁体)、金属、シリコン、ポリシリコン(導電・半導電体)などを選択的に除去し、チップの形状を形成するためのプロセスです。

洗浄プロセス
製造工程の合間に、後に欠陥の原因となるパーティクル、汚染物質、残留物などの不要物を取り除き、その後の処理のためにウェーハ表面を準備するために使用されます。

同社は、製品ごとの売上構成を開示しておりません。顧客ごとの売上構成は以下の通りとなります。

ラムリサーチの売上構成(2022年度)

ラムリサーチの売上構成(2022年度)

直近のM&A(合併買収)

規模拡大や技術補完を狙ったM&Aを積極的に行っています。

2011年 蒸着プロセスに強みを持つNovellus Systemsを33億ドルで買収
2016年 同業のKLAテンコールとの経営統合を発表(その後断念)
2017年 半導体のバーチャルファブリケーションに強みを持つCoventorを買収
2020年 半導体の受託製造を行うTalusを買収

市場シェア

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