キヤノンの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

キヤノンは、1937年に創業された日本を代表する光学・OA機器メーカーです。カメラ、複写機、プリンター等の分野で業界首位級です。近年はM&Aを駆使して新規領域への展開を図っています。OA機器、イメージング、産業機器等の分野で業界首位級の競争力のある商品群を展開しています。
OA機器のコピー機及び複写機では、ゼロックスやHPと並ぶ業界大手となっています。イメージングであるデジタルカメラ分野では、一眼レフとミラーレスカメラを強化しています。一眼レフやビデオカメラ等の分野にも強みを発揮しています。インクジェットプリンターでは、HPやエプソンと業界首位の座を競います。監視カメラではスウェーデンのアクシスコミュニケーションを買収し、業界トップクラスとなりました。半導体露光装置では、オランダのASML社に差をつけられつつあるものの、ニコンと並び露光装置大手のメーカーです。医療機器業界では、東芝メディカルを買収し、CTやMRIの分野で上位に入ります。

業績推移(年次)

2021年度
全セグメントで業績が回復し、前年度比増収増益になりました。

2020年度
特にオフィス向けの複合機とレーザープリンターが落ち込んだことから、減収減益となりました。

キヤノンの業績推移

キヤノンの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第3四半期(7-9月)
売上高は前年同期比19.53%増の996,090百万円になりました。営業利益は38.67%増の81,440百万円になりました。営業利益率は8.2%になりました。先行きの経済の不透明感はあるものの、円安進行や部材不足の緩和による製品供給量拡大で、売上高と営業利益を上方修正しました。

2022年第2四半期(4-6月)
売上高は前年同期比13.25%増の998,799百万円になりました。営業利益は27.44%増の98,475百万円になりました。営業利益率は9.9%になりました。オフィス向け複合機とレーザープリンター、インクジェットプリンターで底堅い需要があり、半導体不足については代替部品で対応することで、前年同期比増収増益となりました。

2022年第1四半期(1-3月)
売上高は前年同期比4.36%増の879,350百万円になりました。営業利益は7.90%増の76,140百万円になりました。営業利益率は8.7%になりました。オフィス向け複合機とレーザープリンター、インクジェットプリンターは好調な需要が続きました。カメラは、ミラーレスカメラを中心に堅調に推移しました。露光装置は、半導体露光装置はメモリーやロジック向け等の旺盛な需要が継続しました。

2021年第4四半期(10-12月)
家庭向けインクジェットプリンター、デジタルカメラなどの販売が回復し、監視カメラなど新規事業も伸びた一方で、サプライチェーンの制約などもあり、前年同期比増収減益となりました。

キヤノンの四半期業績推移

キヤノンの四半期業績推移

EPS成長

業績の回復を受け、2021年度のEPSは大幅に拡大しました。

キヤノンの希薄化後EPSの推移

キヤノンの希薄化後EPSの推移

業績予想

2022年第3四半期(7-9月)決算における進捗率
今期の売上高は4,090,000百万円、営業利益は385,000百万円へと業績予想の上方修正をしました。
売上高の業績予想に対するの進捗率は73.13%です。営業利益の業績予想に対する進捗率は67.88%です。営業利益率は予想より-0.68%です。

売上構成

オフィス機器、カメラ、医療機器、露光装置が主軸です。

キヤノンの売上構成

キヤノンの売上構成

オフィス機器:複合機、プリンターなどの製造販売を行っています。
カメラ:デジタルカメラ、ミラーレスなどを手掛けています。
ネットワークカメラ:監視カメラを手掛けています。
メディカルシステム:MRIなどの医療機器の製造販売を手掛けています。
産業機器:有機EL蒸着装置の製造販売を手掛けています。

主なM&A

2010年 オランダの商業印刷大手オセの買収
2010年 ポーランドの眼科検査装置大手のオプトポル買収
2014年 デンマークのマイルストーンシステムズ買収
2015年 スウェーデンのアクシスコミュニケーションズを買収
2016年 東芝メディカルの買収
2021年 カナダの半導体メーカーのレドレン・テクノロジーズを買収

市場シェア

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