コピー機、複合機、複写機業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。HP、富士ゼロックス、キヤノン、サムスン等主要コピー機・複写機メーカーの概要を掲載しています。
複合機業界の世界市場シェア(2019年)
最新業界別売上高世界ランキング第5巻に記載の複合機メーカー各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の複合機業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はヒューレットパッカード(HP)、2位はキヤノン、3位はリコーです。
- 1位ヒューレットパッカード(HP) 29%
- 2位 キャノン 23%
- 3位 リコー 13%
- 4位ゼロックス 13%
- 5位 富士フィルム 13%
- 6位 ブラザー工業 5%
世界1位はHPです。HPによるサムスンの複写機買収で2位に大きな差をつけています。2位、3位は日本のキヤノン、リコーです。4位は米ゼロックス、5位は旧富士ゼロックスを買収した富士フィルムです。
市場規模
当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、コピー・複合機業界の2019年の世界市場規模を700億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。調査会社のテックナビオによれば、プリンター業界の2020年から2024年の年平均成長率は2%で、2024年には2019年から69億ドル市場規模が増加することが見込まれます。逆算すると2019年の市場規模は662億ドルとなります。また同社によれば、複合プリンターの規模は全体の75%となっています。
ビジネスモデル
コピー機業界のビジネスモデルの新旧比較です。


より業界に詳しくなるために関連図書
イノベーターは死なず―コピー機ビジネスで世界を変えた男
世界初のパソコン発明をふいにしたゼロックスの物語
世界のコピー機メーカーの主要企業一覧
Hewlett-Packard(HP、ヒューレット・パッカード)
HP(ヒューレット・パッカード)は、1939年にウィリアム・ヒューレットとデビッド・パッカードによって設立された米国が誇るIT業界の巨人です。パソコン、プリンター、コピー機、ストレージの分野では世界最大級です。2015年にエンタープライズ事業が中心の「Hewlett Packard Enterprise」と、PCやプリンティング事業が中心の「HP Inc.」へと分社化されました。
Samsung Electronics(サムスン電子)
韓国を代表する家電メーカーです。半導体、スマートフォン、家電で圧倒的な存在感を誇ります。事務機器分野でも複写機を中心にシェアを拡大しましたが、2016年に複写機事業をHPに売却し撤退しました。
キャノン
キヤノンは1937年に創業された日本を代表する光学・OA機器メーカーです。カメラ、複写機、プリンター等の分野で業界首位級です。近年はM&Aを駆使して新規領域への展開を図っています。OA機器、イメージング、産業機器等の分野で業界首位級の競争力のある商品群を展開しています。
OA機器のコピー機及び複写機では、ゼロックスやHPと並ぶ業界大手となっています。イメージングであるデジタルカメラ分野では、一眼レフとミラーレスカメラを強化しています。一眼レフやビデオカメラ等の分野にも強みを発揮しています。インクジェットプリンターでは、HPやエプソンと業界首位の座を競います。監視カメラではスウェーデンのアクシスコミュニケーションを買収し、業界トップクラスとなりました。半導体露光装置では、オランダのASML社に差をつけられつつあるものの、ニコンと並び露光装置大手のメーカーです。医療機器業界では、東芝メディカルを買収し、CTやMRIの分野で上位に入ります。
2010年 ポーランドの眼科検査装置大手のオプトポル買収
2014年 デンマークのマイルストーンシステムズ買収
2015年 スウェーデンのアクシスコミュニケーションズを買収
2016年 東芝メディカルの買収
ブラザー工業
名古屋に本拠を置く事務機器メーカーです。2015年に産業用プリンター大手の英ドミノ・プリンティング・サイエンスを買収しました。
Xerox(ゼロックス)
米国に本拠を置く複写機メーカーの老舗です。日本では富士フィルムと合弁会社の富士ゼロックスを運営していましたが、現在は富士フィルムの子会社となり合弁を解消しています。
リコー
日本を代表する複写機・コピー機大手です。理化学研究所(コンツェルン)を源流とします。
主要業界団体
JBMIA(一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会)
JEITA 一般社団法人電子情報技術産業協会