富士フイルムは、1934年に大日本セルロイドの写真フイルム事業がスピンオフして誕生した会社です。写真フイルムで長らく世界最大級の会社でしたが、カメラのデジタル化やスマホ化が加速度的に進展した結果、フイルム技術を転用することが可能な医薬品・医療機器・ドキュメンテーションといった分野へ事業転換を進めています。デジタルカメラはコンパクトカメラやインスタントカメラに注力しています。
かつての世界を席巻した写真フイルムという成功の罠にはまらず、事業構造の転換を果たしつつあることは、大企業の成長戦略の成功事例として数多くケーススタディ化されています。
業績推移(年次)
2021年度は前年度比減収減益となりました。ヘルスケア事業や好調でしたが、在宅勤務シフトによるオフィス稼働低下によってドキュメントソリューション事業が落ち込みました。

業績推移(四半期)
2021年第3四半期(10-12月)は、前年同期比増収増益となりました。医療機器や医薬品の開発製造受託(CDMO)などヘルスケア分野が牽引しました。

EPS成長
2020年度の希薄化後EPSは増加しました。

売上構成
医療機器などのヘルスケア、マテリアルズ、複合機などのドキュメントソリューションとイメージングソリューションが事業の4本柱となります。サブセグメント毎の売上構成は以下の通りとなります。
.png)
メディカルシステム
X線画像診断システム、医用画像情報システム、内視鏡システム、超音波診断装置、体外診断(IVD)システムなどの製造販売を行っています。
バイオCDMO
抗体産生、ヒト細胞や微生物培養技術をベースにバイオ医薬品の開発製造を行っています。
ライフサイエンス
細胞、培地、試薬に特化した創薬支援、ドラッグデリバリーシステムやサプリメント・ヘアケアといったコンシューマヘルスケアを提供しています。
電子材料
フォトレジスト、CMPスリラー、カレーレジストといった半導体プロセス材料の製造販売を行っています。
ディスプレイ材料
偏光板保護フィルム、視野角拡大補償フィルム、有機EL/タッチパネル用材料、フィルムなどを製造販売しています。
産業機材
タッチパネル用センサー、非破壊検査用機材などを製造販売しています。
記録メディア
磁気テープ(データストレージ用、ビデオ用)を製造販売しています。
グラフィックコミュニケーション
印刷用材料・CTP版、インクジェットデジタルプレス、産業用インクジェットプリンター・インクなどを提供しています。
ドキュメンテーション
オフィス用複合機、オフィスプリンター、デジタル印刷機、印刷ワークフロー・ソリューション、複合機管理などの製造販売を行っています。
イメージング
カラーフィルム、インスタントカメラ(チェキなど)、現像・プリント機器、写真プリントサービス、デジタルカメラ、ミラーレスデジタルカメラ、産業用レンズ、交換レンズなどの製造販売を行っています。
直近のM&A(合併買収)
2019年 日立製作所の画像診断関連事業を買収
2019年 富士ゼロックスを100%子会社化
2019年 豪州のオフィスITサービス企業CSG社を買収
2019年 バイオ医薬品大手バイオジェン社のCDMO子会社を買収
2019年 ドイツ内視鏡処置具メーカー medwork(メドワーク)を買収
2018年 ENEOSから細胞培地事業を買収
2017年 和光純薬を武田薬品工業から買収
2015年 iPS細胞製造大手米セルラーを買収
直近1年間の株価リターン
2022年05月18日の前営業日終値までの過去1年間の株価パフォーマンスを、インデックス(MSCIオールカントリー)の同期間のパフォーマンスと比較しています。
為替は現地通貨建(為替調整前)で計算をしております。
サーバーの都合によりデータが表示されない場合があります。その際はリロードもしくは時間を置いて再度ご訪問下さい。