フィリップスの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

Philips(フィリップス)は、オランダに本拠を置く、家電・ヘルスケアメーカーであり、1891年にヘラルド・フィリップスによって設立されました。照明事業が祖業で、かつては半導体事業等も手掛けていましたが、近年、事業の再構築を行い、現在では医療機器、パーソナルヘルスケアの分野に注力しています。祖業でもある照明・ランプ事業は、フィリップスライティング(現シグニファイ)として分社化をしました。医療機器の分野では画像診断領域に強みを持ちます。家電分野では、電子歯ブラシやシェーバー等のパーソナルケア向けの商品ラインアップを強化しています。電子歯ブラシはソニッケア(Sonicare)ブランドで高機能帯をブラウンのオーラルBと二分しています。2021年に家電事業の一部(掃除機、コーヒーメーカー、アイロン等の家電)を売却しました。

業績推移(年次)

2021年度は前年度比減収減益となりました。ドメスティックアプライアンス事業の売却やコネクテッド・ケア事業の減収が影響しました。営業利益率は2018年度の9.5%が最も高く低下傾向にあります。事業ポートフォリオの入れ替えを積極的に行い、収益率の改善を図っています。

フィリップスの業績推移
フィリップスの業績推移

業績推移(四半期)

2022年度3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比3.71%増の4,310百万ユーロになりました。営業利益は-155.31%の-198百万ユーロになりました。営業利益率は-4.59%になりました。

2022年度第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比-1.25%の4,177百万ユーロになりました。営業利益は-87.06%の11百万ユーロになりました。営業利益率は0.26%になりました。

2022年度第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比2.38%増の3,918百万ユーロになりました。営業利益は248.08%の-181百万ユーロになりました。営業利益率は-4.62%になりました。

2021年度第4四半期(10-12月)
減収減益となりました。電子部品の世界的な供給不足と人工呼吸器の大規模リコールが主因となります。

フィリップスの四半期業績推移

フィリップスの四半期業績推移

EPS成長

2021年度は業績の悪化を受け希薄化後EPSも減少しました。

フィリップスの希薄化後EPSの推移
フィリップスの希薄化後EPSの推移

事業構成

祖業の照明事業も売却し、近年ヘルスケア領域に事業を絞り込んでいます。医療機器、コネクティッドケア、パーソナルヘルスが主要事業ですが、さらに製品別のサブセグメントは以下の通りとなります。

フィリップス売上構成(2021年度)

フィリップス売上構成(2021年度)

 

画像診断機器には、磁気共鳴画像(MRI)、X線システム、断層撮影装置(CT)、核医学用の分子・複合イメージングソリューションなどが含まれます。

画像誘導治療機器には、血管内超音波(IVUS)、心臓内超音波(ICE)、分流予備量(FFR)および瞬時無波長比(iFR)生理学的測定、アテレクトミーカテーテル、剥離修復インプラント、薬剤コーティングバルーン、リード抽出デバイスなど冠動脈および末梢血管疾患を治療するインターベンション診断・治療用デバイスが含まれます。

救急医療には、自動体外式除細動器(AED)、二次救命処置モニターが含まれます。

睡眠・呼吸ケア機器には、検査装置、マスク、人口呼吸器、酸素濃縮装置が含まれます。哺乳瓶等 搾乳瓶や除菌装置が含まれます。

哺乳瓶等には、乳幼児の授乳(搾乳器、哺乳瓶、消毒器)、デジタル育児ソリューション(Pregnancy+、Baby+アプリ)が含まれます。

シェーバーには、男性用グルーミング製品(シェーバー、OneBlade、グルーミング、トリマー、バリカン)、SkinIQテクノロジーとアプリ内コーチングにより個人に合わせたシェービングを実現するプレミアムソリューション、刃物の定期購入モデル、最新のSenseIQテクノロジーにより個人のケアを感知・適応するソリューションを含むビューティーソリューション(スキンケア、ヘアケア、脱毛)が含まれます。

主なM&A

2016年 照明事業をシグニファイとして分社化上場
2018年 Remote Diagnostic Technologiesの買収
2020年 低侵襲性末梢血管手術用の医療機器メーカーIntact Vascularを買収
2021年 病院向けに医療機器システムの統合を行うCapsule Technologiesを買収
2021年 キッチン、コーヒー、ガーメントケア、ホームケアなどを手掛けるフィリップスドメスティックアプライアンスをHillhouse Capitalへ売却
2021年 遠隔で心臓病の治療サービスを提供するBioTelemetryを買収

市場シェア

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