GSKの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

グラクソスミスクラインは、1999年にスミスクライン・ビーチャムとグラクソ・ウエルカムが経営統合して誕生した英国に本拠を置く大手製薬メーカーです。中枢系の医薬品に強みを持ちます。医薬品、ワクチンとコンシューマヘルスケアが事業の柱となっています。コンシューマヘルスケアの歯磨き粉では、アクアフレッシュ(Aquafresh)センソダイン(Sensodyne、日本名シュミテクト)や抗炎症剤「ボルタレン」などが主力製品です。2018年に米ファイザーと一般用医薬品(大衆薬)事業の統合を発表、GSKコンシューマヘルスケアが誕生しました。飲料事業(ルコゼード、ライビーナ)をサントリー食品に、抗がん剤事業をノバルティスに160億ドルで売却しました。

業績推移(年次)

2021年度
売上高は前年度比0.04%増の34,114百万ポンドになりました。営業利益は-20.79%の6,165百万ポンドになりました。営業利益率は18.07%になりました。前年度比増収減益となりました。医療用医薬品事業は4%成長しましたが、ワクチン事業やコンシューマーヘルス事業が伸び悩みました。構造改革費用や偶発対価債務の再評価によって減益となりました。

2020年度
HIV、呼吸器系、腫瘍系の医薬品とコンシューマーヘルスケア事業の売上が好調で、COVID-19による成人の予防接種への影響があったものの、増収増益となりました。

グラクソスミスクラインの業績推移
グラクソスミスクラインの業績推移

業績推移(四半期)

2022年7-9月
売上高は前年同期比18.14%増の7,829百万ポンドになりました。営業利益は-13.70%の1,191百万ポンドになりました。営業利益率は15.21%になりました。

2022年4-6月
売上高は前年同期比18.69%増の6,929百万ポンドになりました。営業利益は-12.75%の1,081百万ポンドになりました。営業利益率は15.60%になりました。コロナ抗体薬などが伸びましたが、構造改革費用が嵩み、前年同期比増収減益です。

グラクソスミスクラインの四半期業績推移

グラクソスミスクラインの四半期業績推移

EPS成長

2021年度の希薄化後EPSは減少しました。

グラクソスミスクラインの希薄化後EPSの推移
グラクソスミスクラインの希薄化後EPSの推移

売上構成

グラクソスミスクライン製品別売上構成(2021年度)
グラクソスミスクライン製品別売上構成(2021年度)

呼吸器系治療薬: Nucala、Relvar/Breo、Trelegyなど。吸入コルチコステロイド(ICS)や長時間作用型ムスカリン拮抗薬(LAMA)とLABAの二重気管支拡張薬などの新薬開発にも力を入れています。
HIV治療薬:Tivicay、 Triumeq、Dovatoなど。ファイザーと塩野義製薬との合弁事業であるViiV Healthcareを通じて事業を展開しています。
免疫炎症治療薬:Benlysta、Duvroqなど
ガン治療薬:Zejula、Blenrepなど
その他医薬品:抗感染症、アレルギー、中枢神経系、皮膚科、呼吸器系、泌尿器系などの技術的に確立した医薬品
髄膜炎ワクチン:Bexseroなどインフルエンザワクチン:Fluarix/FluLavalなど
帯状疱疹ワクチン:Shingrixなど
その他ワクチン:Infanrix、Pediarix、Boostrixなど
オーラルヘルス:アクアフレッシュ(Aquafresh)、センソダイン(Sensodyne、日本名シュミテクト)
痛み止め:Voltaren(ボルタレン)、Panadol、Advilなど
サプリメント:Centrum、Caltrate、Emergen-Cなど
呼吸器系大衆薬:風邪薬のContac(コンタック)、Robitussin、Theraflu、 アレルギー・鼻腔疾患用製品のFlonase(フロナーゼ)など

直近のM&A(合併買収)

2021年 GSKコンシューマー・ヘルスケアの分社化を発表
2018年 2018年 英グラクソ・スミスクライン(GSK)と米ファイザーの一般用医薬品(大衆薬)事業が統合し、GSKコンシューマー・ヘルスケアが誕生
2018年 米国のがん治療薬大手であるTESAROを買収
2018年 ノバルティスが保有するコンシューマー・ヘルスケア事業の持分36.5%を買収
2014年 ノバルティスがグラクソスミスクラインのガン治療薬事業を買収
2013年 飲料事業(ルコゼード、ライビーナ)をサントリー食品に売却
2012年 バイオ医薬品企業のHuman Genome Sciencesを買収

GSKのM&Aマルチプル分析
GSKのM&Aマルチプル分析

市場シェア

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