Novartis(ノバルティス)は、スイスに本拠を置く世界最大級の製薬メーカーです。後発医薬品メーカー大手のSandoz(サンド)を傘下に保有しています。2014年に英グラクソ・スミスクラインの抗がん剤事業を160億ドルで、2017年にフランスの放射性医薬品会社アドバンスト・アクセレーター・アプリケーションズを39億ドルで、2018年に米国のがん治療薬メーカーであるエンドサイトを21億ドルで買収すると発表する一方で、コンタクトレンズ会社のアルコンは分社化、大衆薬事業は合弁相手のグラクソ・スミスクラインに売却し、先端医薬品分野を強化しています。
業績推移(年次)
2021年度
売上高は前年度比5.97%増の52,877百万ドルになりました。営業利益は前年度比15.14%増の11,689百万ドルになりました。エンレスト、コセンティクス、ゾルゲンスマ、ケシンプタ、レボレード、Kisqaliなどの製品が増収増益をけん引しました。

業績推移(四半期)
2022年7-9月
売上高は前年同期比-3.93%の12,842百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-32.94%の2,168百万ドルになりました。営業利益率は16.88%になりました。Afinitor/Votubia、Gilenya (ex-US)、Gleevec/Glivec and Exjadeといった製品で、後発薬メーカーとの競合が発生し、減収減益になりました。
2022年4-6月
売上高は前年同期比-1.57%の13,085百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-35.96%の2,228百万ドルになりました。営業利益率は17.03%になりました。医療用医薬品事業が好調でしたが、後発薬事業が伸び悩みました。

ノバルティスの四半期業績推移
EPS成長
堅調な業績を反映して、2021年度の希薄化後EPSは増加しています。

売上構成
医療用医薬品と後発薬が主力事業となっています。
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医療用医薬品には、がん、免疫、神経、耳鼻咽喉、循環器、呼吸器・アレルギーなどの医薬品やエスタブリッシュド医薬品を含みます。
M&A(合併買収)
M&Aを通じて積極的な事業ポートフォリオの入れ替えを行っています。
- 2014年 英グラクソ・スミスクラインの抗がん剤事業を160億ドルで買収
- 2017年 フランスの放射性医薬品会社アドバンスト・アクセレーター・アプリケーションズを39億ドルで買収
- 2018年 米国のがん治療薬メーカーであるエンドサイトを21億ドルで買収
- 2018年 大衆薬事業を合弁相手のグラクソ・スミスクラインに売却
- 2019年 米国のメディシンズカンパニーを97億ドルで買収
- 2019年 コンタクトレンズ会社のアルコンを分社化