大衆薬・市販薬業界の市場シェアの分析

大衆薬・市販薬業界の業界の世界シェア・売上高ランキング・市場規模・M&A(合併買収)について分析。グラクソ・スミスクライン、ジョンソン&ジョンソン、バイエル、サノフィ、ペリゴ、大正製薬といった大衆薬メーカーの概要も掲載。

【市場シェア】

大衆薬・市販薬メーカーの2021年度の売上高を分子に、後述する市場規模を分母にして、2021年の 大衆薬・市販薬業界の世界市場シェアを簡易に計算すると、1位はグラクソ・スミスクラインとなります。⇒参照したデータの詳細情報

大衆薬・市販薬メーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位グラクソ・スミスクライン8.06%
2位ジョンソン&ジョンソン5.24%
3位レキットベンキーザ3.86%
4位バイエル3.73%
5位サノフィ3.16%
6位ペリゴ2.55%
7位P&G2.36%
8位大正製薬1.24%
大衆薬・市販薬メーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2021年) ©ディールラボ
大衆薬・一般薬メーカーの世界シェア(2021年)
大衆薬・一般薬メーカーの世界シェア(2021年)

【市場規模】

当データベースでは、2021年の大衆薬・市販薬業界の世界市場規模を1607億ドルとしております。参照した各種統計データは次の通りです。

調査会社のプレシデンスリサーチによると、2021年の同業界の市場規模は1607億ドルです。2030年にかけて年平均6.9%で成長し、同年には2942億ドルへと規模が拡大することを見込みます。

調査会社フォーチュンビジネスインサイツによると、2020年の同業界の市場規模は1480億ドルです。2021年には1507億ドルへと拡大し、2028年にかけて年平均5.8%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模成長率見込み
2021年1607億ドル6.9%
2020年1480億ドル5.8%
大衆薬・市販薬業界の世界市場規模 ©ディールラボ

【売上高ランキング】

2021年度10-12月四半期売上高をベースとした大衆薬・市販薬メーカーのランキングでは、1位グラクソ・スミスクライン、2位ジョンソン&ジョンソン、3位レキットベンキーザとなっています。ジョンソン&ジョンソンは大衆薬・市販薬事業を含むコンシューマープロダクト事業の分社化を発表しており、今後の業界再編の火種となりそうです。⇒参照したデータの詳細情報

大衆薬メーカーの売上高ランキング(四半期ベース)
大衆薬メーカーの売上高ランキング(四半期ベース)

医薬品の区分

大衆薬は、薬店や薬局にて自分で選んで買うことができる薬のことをいいます。市販薬、OTC医薬品、一般用医薬品とも呼ばれています。医師が診断した上で発行する処方箋に基づき処方される医薬用医薬品とは異なります。大衆薬は、さらに副作用やリスクに応じて、第1~第3類医薬品へ分類されます。育毛剤や入浴剤、健康ドリンクの一部といった人に対する作用が緩やかである製品は、医薬部外品とされています。

医薬品の区分
医薬品の区分
©ディールラボ

【M&Aの動向】

2014年 ペリゴがベルギーのオメガ・ファーマを買収
2014年 ノバルティスとGSKが大衆薬事業を統合
2015年 サノフィの動物薬事業とベーリンガーインゲルハイムの大衆薬事業の事業スワップ
2018年 GSKが大衆薬事業の持分をノバルティスから買収
2018年 P&Gがメルクの大衆薬事業を買収
2018年 ファイザーが大衆薬事業をGSKと統合
2020年 武田薬品工業が武田コンシューマーヘルスケアをブラックストーンへ売却
2021年 ジョンソン&ジョンソンがコンシューマーヘルスケア部門のスピンオフを発表


さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト

医師が教える市販薬の選び方
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医薬品・製薬業界の世界市場シェアの分析
製薬業界でM&Aや再編対象となる会社の分析

【会社の概要】

Sanofi(サノフィ)

サノフィは、1973年に設立されたフランスに本拠を置く大手製薬メーカーです。サノフィの発祥は、仏石油大手のTOTALの医薬品部門とヘキスト・ローヌ・プーラン・ローラー系の製薬事業です。ワクチン系の医薬品に強いとされます。2018年に抗体医薬を手掛けるベルギーのアブリンクスを買収しています。さらに詳しく

GlaxoSmithKline(グラクソ・スミスクライン)

1999年にスミスクライン・ビーチャムとグラクソ・ウエルカムが経営統合して誕生した英国に本拠を置く大手製薬メーカーです。中枢系の医薬品に強みを持ちます。医薬品、ワクチンとコンシューマヘルスケアが事業の柱となっています。コンシューマヘルスケアの歯磨き粉では、アクアフレッシュ(Aquafresh)センソダイン(Sensodyne、日本名シュミテクト)や抗炎症剤「ボルタレン」などが主力製品です。2018年に米ファイザーと一般用医薬品(大衆薬)事業の統合を発表、GSKコンシューマヘルスケアが誕生しました。飲料事業(ルコゼード、ライビーナ)をサントリー食品に、抗がん剤事業をノバルティスに160億ドルで売却しました。さらに詳しく

ノバルティスについて

Novartis(ノバルティス)は、スイスに本拠を置く世界最大級の製薬メーカーです。後発医薬品メーカー大手のSandoz(サンド)を傘下に保有しています。2014年に英グラクソ・スミスクラインの抗がん剤事業を160億ドルで、2017年にフランスの放射性医薬品会社アドバンスト・アクセレーター・アプリケーションズを39億ドルで、2018年に米国のがん治療薬メーカーであるエンドサイトを21億ドルで買収すると発表する一方で、コンタクトレンズ会社のアルコンは分社化、大衆薬事業は合弁相手のグラクソ・スミスクラインに売却し、先端医薬品分野を強化しています。さらに詳しく

Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)

Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)は1887年にジョンソン三兄弟によって創設された米国に本拠を置く世界最大級の日用品・医療機器メーカーです。医療・衛生用品のバンドエイドや綿棒、スキンケア用のベビーローション、オーラルケアのリステリン、一般医薬品、外科関連の手術器具では圧倒的な強みを有しています。続きを読む

Bayer(バイエル)

Bayer AG(バイエル)は、1863年にフリードリヒ・バイエル氏によって設立されたドイツに本拠を置く世界的な医薬品・化学品メーカーです。アスピリンの発明で有名です。第二次世界大戦中には、BASF、ヘキストとともにIG・ファルベンを形成しました。戦後にバイエルとして独立し、数々の買収や事業の売却を行っています。農薬・種子事業、ファーマスーティカル事業、コンシューマーヘルス事業が3本柱です。2015年にはマテリアルサイエンス部門をコベストロ(Covestro)として分社化・独立させています。農薬・種子事業においては、2016年にモンサントを買収し、農薬ビッグ4を一歩引き離す存在となりました。種子分野でも上位に入っています。なお、香料大手であるシムライズは、2002年に同社の子会社の出会ったHaamann & Reimer社とDragoco社が経営統合をし、誕生した経緯があります。
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Perrigo(ペリゴ)

1887年に米国で設立され、現在はアイルランドに本拠を置く大衆薬メーカーです。ジェネリック医薬用医薬品、医薬品原体などの事業も展開しています。2013年にアイルランドのElan(エラン)を買収しました。

大正製薬

1912年に設立された日本を代表する大衆薬メーカーです。健康ドリンクのリポビタンDや育毛剤のリアップなどのロングセラーを多数抱えます。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

参照した売上高ランキング

参照した市場規模の情報

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