レキット・ベンキーザーの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

1999年に英レキット&コールマン社とオランダのベンキーザー社が経営統合して誕生した英国に本拠を置く日用品・トイレタリー用品大手です。レキット&コールマン社とベンキーザー社はともに1800年後半に創業された老舗メーカーです。石鹸のミューズ、食器洗い機専用洗剤のフィニッシュ等のブランドを有します。コンドームではDurexブランドで世界展開しています。2017年にベビーフード大手のミード・ジョンソンの買収をしました。

業績推移(年次)

2018年度
売上高は125.9億ポンドで、前年度比10%増となりました。既存事業の売上は3%上昇しました。営業利益は30億ポンドになりました。営業利益率は24%になりました。

2019年度
売上高は128.4億ポンドで、前年度比1.9%増となりました。営業利益は19.5億ポンドの赤字になりました。これは減損処理額が大きくなったためです。

2020年度
売上高は139.9億ポンドで、前年度比8.9%増となりました。Covid-19からの市場回復が主な要因です。営業利益は21.6億ポンドになりました。営業利益率は15%になりました。

2021年度
売上高は132.3億ポンドで、前年度比6%減となりました。いくつかの事業を売却したことで全体の売上額は減少しましたが、既存事業の売上は3.5%上昇しました。既存店の販売量は0.6%上昇しました。また、価格を上げたことによる売上増加率は2.9%でした。営業利益は8億ポンドの赤字になりました。これはのれんの減損が原因です。

2022年度
売上高は144.5億ポンドで、前年度比9.2%増となりました。販売量は2.2%減少したものの、価格を上げたことが売上増の要因です。営業利益は32.4億ポンドになりました。営業利益率は22%になりました。

レキット・ベンキーザーの業績推移
レキット・ベンキーザーの業績推移

業績推移(半期)

2021年上半期(01ー06月)
売上高は65.9億ポンドになりました。営業利益は18.2億ポンドの赤字になりました。

2021年下半期(07ー12月)
売上高は66.3億ポンドになりました。営業利益は10.2億ポンド、営業利益率は15%になりました。

2022年上半期(01ー06月)
売上高は68.8億ポンドになりました。営業利益は17.4億ポンド、営業利益率は25%になりました。

2022年下半期(07ー12月)
売上高は75.6億ポンドになりました。営業利益は15億ポンド、営業利益率は20%になりました。

2023年上半期(01ー06月)
売上高は74.4億ポンドになりました。営業利益は17.5億ポンド、営業利益率は24%になりました。

レキット・ベンキーザーの半期業績推移

レキット・ベンキーザーの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移


希薄化後EPSは325.7ペンスになりました。1株当たりの配当は183.3ペンスになりました。配当性向は56%になりました。

レキット・ベンキーザーの希薄化後EPSの推移
レキット・ベンキーザーのEPS・配当額・配当性向の推移

業績予想


2023年07月
今期の売上高は前年度比で3%から5%の増加を予定しています。営業利益率は前年度より僅かに増加することを予定しています。

売上構成

セグメントは、衛生用品、健康関連、栄養食品に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

レキット・ベンキーザ―の売上構成(2021年度)
レキット・ベンキーザ―の売上構成(2022年度)

生用品
家庭用清掃用品や衛生用品を提供しており、洗剤、消毒剤、トイレクリーナー、虫除け剤などが含まれます。同社の全営業利益の内37%を生み出しています。

健康関連
健康製品や医薬品を提供しており、風邪薬、咳止め、鼻炎薬、健康補助食品などが含まれます。同社の全営業利益の内50%を生み出しています。

栄養食品
栄養補助食品や乳幼児向けの食品などを提供しています。同社の全営業利益の内17%を生み出しています。

ケーススタディ

レキットベンキーザーによるミード・ジョンソンの買収2017年にレキットベンキーザーが乳幼児向け食品メーカーのミード・ジョンソン・ニュートリションを買収しました。
買収総額は166億ドルです。同社の前日終値に対して8.4%のプレミアムを乗せた水準です。
粉ミルク等のベビーフードは、一人っ子政策の方針が変更された中国市場が今後伸びる見込みです
ミード・ジョンソンは、粉ミルクのエンファ(Enfa)ブランドを持ち、また中国市場に強く、レキットベンキーザーとの地域補完性も期待できます。

M&A情報


1938年 レキット&コールマンがマスタード大手のJ. & J. Colmanと経営統合
1994年 レキット&コールマンがヘルスケア大手Sterling Drugを買収
1994年 老舗消毒剤ブランド Lysol を持つ L&F Products を買収
1999年 レキット&コールマンとベンキーザーが経営統合しレキットベンキーザーが誕生
2005年 ブーツからブーツヘルスケア事業(クレアラシルやのど飴のStrepsils等)を買収
2008年 鼻詰まり剤や咳止め剤などを手掛ける Adams Respiratory Group (米)を買収
2010年 SSL Internationalからコンドーム業界のDurexを買収
2010年 せき止め薬のムチネックス等で有名なRespiratory Therapeuticsを買収
2012年 ニュートリション・サプリメント大手の米Schiff Nutritionを買収
2013年 ヘルスケア商品を手掛けるブリストル・マイヤーズ スクイブ社を買収
2014年 大衆薬事業をIndiviorとして分社化
2017年 ベビーフード大手のミード・ジョンソンの買収
2017年 食品事業をマコーミックに売却
2019年 産前・産後ヘルスケア企業であるUpSpring, Ltd.(米)を買収
2021年 ミード・ジョンソンの中国事業を売却
2021年 フェミニン・セクシャル・ウェルネス・ブランドである Queen V (米)を買収

株主構成

レキットベンキーザー株主構成は、機関投資家及び個人の株主に幅広く保有されています。創業者ファミリーの運用会社あるJABホールディングが長らく大株主でしたら、2019年に保有株式を売却しております。

レキット・ベンキーザーの株主構成(直前期末時点)
レキット・ベンキーザーの株主構成(直前期末時点)出所:マーケットスクリーナー

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