コンタクトレンズ業界の世界市場シェアの分析

コンタクトレンズメーカーの世界市場シェアと市場規模について分析をしています。ビッグ4と言われるJ&J、アルコン、ボシュロム、クーパービジョンを中心に世界の主要なコンタクトレンズメーカーの概要も掲載しています。

世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第4巻」に記載のコンタクトレンズメーカー各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。

1位 ジョンソン&ジョンソン 27%
2位 アルコン 16%
3位 クーパービジョン 15%
4位 ボシュロム 7%
5位 メニコン 6%

コンタクトレンズの世界最大手は、米国のジョンソン&ジョンソンとスイスのアルコン社が、激しく首位の座を競っています。アルコンは、2018年にノバルティス傘下から、分社化上場を発表しました。3位は、ワンデーアクエア等を展開する米国のクーパービジョンです。4位は、メダリストで有名なボシュロムとなっています。5位は日本の最大手の一角であるメニコンです。サブスクリプション型のメルプラスで売上を伸ばしています。上位5社で、市場シェアの7割を占めている、寡占的な市場です。

市場規模

調査会社のグランビューリサーチによれば、2019年の世界のコンタクトレンズ業界の市場規模は、128億ドルです。2020年から2027に年平均5%での成長を見込みます。アルコンによれば2019年の同業界の市場規模は90億ドルです。ノバルティス社の推計によれば、2017年のコンタクトレンズ業界の世界市場規模は約120億ドルです。コンタクトレンズの素材には、ソフトコンタクトは、酸素の透過性が高位シリコンハイドロゲル(SiHy)やヒドロキシエチルメタクリレートがあり、ハードコンタクトレンズにはシリコンメタクリレート(SiMA)などがあります。

世界の主要なコンタクトレンズメーカーの一覧

Johnson&Johnson(ジョンソン&ジョンソン)

Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)は1887年にジョンソン三兄弟によって創設された米国に本拠を置く世界最大級の日用品・医療機器メーカーです。医療・衛生用品のバンドエイドや綿棒、スキンケア用のベビーローション、オーラルケアのリステリン、一般医薬品、外科関連の手術器具では圧倒的な強みを有しています。

オーラルケア:
マウスウォッシュの世界シェアではファイザーより買収したリステリンで独走しています。2012年にDr.FreshにReachブランドの歯ブラシを売却しています。
医療・衛生用品:
コンタクトレンズ業界の世界シェアでは、アキュビューブランドを世界展開し上位に位置します。2016年にアボット・メディカル・オプティクスを買収して、眼科治療分野に参入をしました。バンドエイドや綿棒でも有力な企業です。医療用医薬品・製薬業界の世界シェアでもトップ10入りしています。
医療機器:
血糖測定器業界の世界シェアでは世界首位級です。医療機器・ヘルスケア機器業界全体の世界シェアも世界首位級です。
スキンケア:
ジョンソンベビーやジョンソンボディケアとして展開し、ベビーローション等の有力な商品を揃えます。2018年に日本のドクターシーラボを買収しスキンケア事業を強化しております。
2006年 ファイザーの一般医薬品部門を買収
2015年 カーディナル・ヘルスに心臓・血管系機器部門コーディスを売却
2016年 アボットの眼科治療子会社を買収
2017年 スイスのアクテリオンを買収
2018年 ドクターシーラボを買収

参考書

  • ビッグ・ピボット―なぜ巨大グローバル企業が〈大転換〉するのか
    成功経営の法則―ジョンソン・エンド・ジョンソンのグローバル・スタンダード
    約束された成長―66年連続増収J&J(ジョンソン・エンド・ジョンソン)常勝の経営戦略


Alcon(アルコン、旧CIBA Vision(チバビジョン))

アルコンは、1945年に米国の眼科薬局にルーツを遡ることができ、70年代後半にネスレに買収されたのち、2010年にスイスの大手医薬品会社であるノバルティスが買収をしました。2014年にノバルティスの前身であるチバガイギー(1996年にサンドと経営統合をして現ノバルティスが誕生)のアイケア部門であった、チバビジョンとアルコンが経営統合を行い、現アルコンが誕生しました。2018年にノバルティスがアルコンを分社化上場をさせ、現在は独立系です。このような経緯から、同社は眼科治療機器を取り扱うサージカル事業とビジョンケア事業の2事業を柱としています。主力ブランドはデイリーズです。コンタクトレンズと並ぶ事業には、白内障(cataract)、網膜(Retinal)、屈折強制(Refractive)等の眼科治療機器や屈折矯正手術の際に角膜と水晶体の間埋め込む眼内レンズのICL(Implantable Collamer Lens)があります。

分社化ハイライト
2018年に、ノバルティスは、アルコンをスイス証券取引所とニューヨーク証券取引所に分社化上場をすると発表しました。

アルコン分社化

アルコン分社化
出所:ノバルティス

ノバルティスは、シンジェンタやチバスペシャリティケミカル(現BASF)も過去分社化しており、ポートフォリオの入れ替えによる成長戦略を得意としています。分社化後のアルコンの売上高は約70億ドルで従業員は2万人以上の規模となりました

サージカル事業
白内障、網膜、緑内障、屈折矯正手術用の眼科手術機器、先進技術眼内レンズ(ATIOL)、洗浄液、点眼薬等を取扱っています。眼科手術機器分野の競合には、ジョンソン&ジョンソン、カールツアイス、ボシュロム等があるものの、売上規模では世界1位です。眼科手術機器の市場規模は概ね80億ドルと言われており、市場シェアでは40-50%程度を占めます。

ビジョンケア事業
視力の矯正用のコンタクトレンズ(1日使い捨てタイプ、2週間/1カ月交換タイプおよびカラーコンタクトレンズ)、消毒剤等の製品を取り扱っています。

Bausch & Lomb(ボシュロム)
米国に本拠を置く大手コンタクトレンズメーカーです。世界初のコンタクトレンズを製品化したと言われています。主力ブランドにはメダリスト等があります。コンタクトレンズ以外にも、眼内レンズ、眼科手術用機器、眼科用医薬品が事業の柱となっています。

Cooper(クーパー)
米国に本社を置くコンタクトレンズ・医療機器メーカーです。Cooper Vision(クーパービジョン)がコンタクトレンズ事業を担っており、ワンデーアクエアシリーズを展開しています。眼科治療事業にも強みを持ちます。2014年に欧州のソフトコンタクトレンズの製造販売を行うSauflon Pharmaseuticalsを買収しました。2017年には後発薬大手のテバから避妊具大手のパラガード(Paragard)を買収しています。

2016年 20
2017年 21
2018年 25 →パラガード買収
2019年 26

メニコン
日本を代表するコンタクトレンズメーカー。日本で初めてコンタクトレンズの開発に成功。ハードレンズに強みを持つが、国内に使い捨てコンタクトレンズで参入した海外大手に対抗するために、定額会員制プログラムであるメルスプランを開始。国内市場では高い市場シェアを誇る。メニコン以外では、シードが日本の大手コンタクトレンズメーカーです。

業界関連図書

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