オーラルケア業界の市場シェアの分析
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オーラルケア業界の市場シェアの分析

オーラルケア・口腔用品業界の世界シェア・売上高ランキング・市場規模について分析をしています。コルゲート・パーモリーブ、P&G、フィリップス、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ユニリーバ、ライオン、GSK、アース製薬といった大手オーラルケアメーカーの概要や動向も掲載しています。

【市場シェア】

オーラルケアメーカーの2021年度の売上高を分子に、後述する市場規模を分母にして、2021年のオーラルケア業界の世界シェアを簡易に計算すると、1位はコルゲート・パーモリーブとなります。

オーラルケアメーカーの世界市場シェアと業界ランキング

順位社名市場シェア(2021年)
1位コルゲート16.3%
2位P&G12.1%
3位GSK7.8%
4位ジョンソン・エンド・ジョンソン3.5%
5位フィリップス2.8%
6位ライオン1.28%
7位ユニリーバ1.20%
8位アース製薬0.9%
オーラルケアメーカーの世界市場シェアと業界ランキング
オーラルケア・口腔用品業界の世界シェア(2021年)
オーラルケア・口腔用品業界の世界シェア(2021年)

2021年の世界1位はコルゲートとなりました。歯磨き粉と歯ブラシの両分野でコルゲートブランドの強さが光ります。2位はP&Gです。歯ブラシはブラウン、歯磨き粉とマウスウオッシュはクレストのブランドで世界展開をしています。3位はGSK(グラクソ・スミスクライン)です。アクアフレッシュやシュミテクトをはじめとした歯磨き粉や入れ歯用のポリデントなどでグローバル展開をします。4位のジョンソン&ジョンソンはマウスウオッシュのリステリンが強く、5位フィリップスは電動歯ブラシに強みがあります。日本からはライオンやアース製薬が上位に入りました。

【市場規模】

当データベースでは、2021年のオーラルケア・口腔用品業界の市場規模を470億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社プレシデンスリサーチによると、2021年の同業界の市場規模は494億ドルです。2030年にかけて年平均8.1%で成長し、規模は998億ドルへと拡大することを見込みます。
調査会社アイマークによると、2021年の同市場規模は46億ドルです。2027年にかけて年平均3.8%で成長し、規模は589億ドルへと拡大することを見込みます。
調査会社のグランドビューリサーチによると、2020年の同業界の市場規模は317億ドルです。2028年にかけて年平均5.9%での成長を見込みます。調査会社のリサーチアンドマーケッツによると、2020年の同市場規模は362億ドルです。2028年にかけて年平均3.39%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

推定市場規模成長率
2021年469~494億ドル3.8~8.1%
2020年317~362億ドル3.39~5.9%
オーラルケア・口腔用品業界の推定市場規模推移

オーラルケア・口腔用品業界は、大きく歯ブラシ、歯磨き粉、マウスウォッシュ、入れ歯用品に分かれます。各市場規模の相対的な大きさをグラフ化すると以下の通りとなります。

オーラルケア業界の市場構造(2021年)

オーラルケア業界では歯磨き粉が最大の市場で、マウスウォッシュ、歯ブラシ、入れ歯と続きます。

【売上高ランキング】

2021年10-12月の四半期売上高をベースとしたトイレタリーメーカーのランキングでは、1位コルゲート、2位P&G、3位GSKとなっています。トップ2のコルゲートとP&Gが熾烈な1位争いを演じています。⇒参照したデータの詳細情報

オーラルケア会社の売上高ランキング(四半期ベース)
オーラルケア会社の売上高ランキング(2021年10-12月四半期ベース)
ユニリーバはオーラルケア事業の四半期売上高非開示のため除外


さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト

オーラルヘルスケア事典
歯ブラシ業界の世界市場シェアの分析
歯磨き粉業界の世界市場シェアの分析
マウスウォッシュ・洗口液業界の世界市場シェアの分析

【M&Aの動向】

内部成長を重視した戦略ですが、製品補完的な買収をセレクティブに実施しています。

2017年 スキンケアに強みを持つEltaMDを買収
2017年 スキンケアに強みを持つPCA Skinを買収
2020年 オーラルケア事業を行うHello Productsを買収

【会社の概要】

コルゲート・パーモリーブ

コルゲート・パルモリーブは、1806年に設立された米国に本拠を置くトイレタリー用品大手です。コルゲートブランドは歯磨き粉の代名詞となっています。オーラルケアの歯ブラシ、マウスウォッシュに加え、パーソナルケア、ホームケア、ペットニュートリションの分野でも強いです。パーソナルケアの分野では液体石鹸、石鹸、ボディウォッシュが、ホームケアの分野では柔軟剤、食器用洗剤は世界トップクラスです。ペットニュートリションはヒルズ(Hill’s)ブランドで展開し、主に動物病院で販売されています。

業績推移(年次)

2021年度
売上高は、数量成長1.0%、正味販売価格上昇3.5%、為替プラス1.5%により、2020年度比6.0%増の174億ドルでした。一方で、原材料費および包装資材費の高騰の影響で、営業利益は減益となりました。

2020年度
増収増益となりました。営業利益率は過去5年間20%台を維持しており、各商品のブランド力の高さが伺えます。

コルゲート・パルモリーブの業績推移
コルゲート・パルモリーブの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第3四半期(7-9月)
売上高は前年同期比0.93%増の4,455百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-1.96%の948百万ドルになりました。営業利益率は21.3%になりました。

2022年第2四半期(4-6月)
売上高は前年同期比5.26%増の4,484百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-10.74%の889百万ドルになりました。営業利益率は19.8%になりました。

2022年第1四半期(1-3月)
売上高は前年同期比1.27%増の4,399百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-14.34%の860百万ドルになりました。営業利益率は19.5%になりました。

2021年第4四半期(10-12月)
第3四半期比減収減益となりました。原材料費の高騰の影響を受けています。

コルゲート・パルモリーブの四半期業績推移

コルゲート・パルモリーブの四半期業績推移

EPS成長

2021年度は希薄化後EPSが減少しました。

コルゲート・パルモリーブの希薄化後EPSの推移
コルゲート・パルモリーブの希薄化後EPSの推移

EPS・配当額・配当性向の推移(四半期)

2022年第3四半期(7-9月)
希薄化後EPSは前年度比-1.33%増の0.74ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比4.44%増の0.47ドルになりました。配当性向は63.51%になりました。

コルゲート・パルモリーブのEPS・1株配当・配当性向の推移

コルゲート・パルモリーブのEPS・1株配当・配当性向の推移

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売上構成

オーラルケア、パーソナルケア、ホームケア、ペット食品の4事業がメインとなります。

コルゲートの売上構成(2021年度)
コルゲートの売上構成(2021年度)

製品別の主力ブランド

さらにサブセグメントを見ていくと次の製品と主要ブランドで事業が構成されています。

製品主要ブランド
歯磨き粉Colgate、Darlie、elmex、hello、meridol、Sorriso及びTom’s of Maine
歯ブラシColgate、Darlie、elmex及びmeridol
マウスウォッシュColgate, elmex及びmeridol
液体ソープPalmolive, Protex及びSoftsoap
石鹸Spring、Palmolive及びProtex
シャワージェルIrish Spring, Palmolive, Sanex及びSoftsoap
デオドランドLady Speed Stick, Sanex, Speed Stick及びTom’s of Maine
スキンケアEltaMD, Filorga及びPCA Skin
シャンプーPalmolive
食洗機洗剤Ajax, Axion及びPalmolive
洗濯洗剤Ajax, Fabuloso及びMurphy
コンディショナーSuavitel、Soupline、Cuddly
ペットHill’s

©ディールラボ

コルゲートによると、2021年の歯磨き粉の市場シェアは39.4%、歯ブラシ(電動を含まない)の市場シェアは30.9%です。

P&G

P&G(プロクター&ギャンブル)は、米国に本拠を置く世界最大級の日用品メーカーで、1837年にウィリアム・プロクター氏とジェームズ・ギャンブル氏によって設立されました。日用品業界屈指の商品開発力・マーケティング力を誇っています。取り扱っている分野は、トイレタリー、ファミリーケア、ファブリックケア、ホームケア、ヘアケア、スキンケア、オーラルケアといった広範囲の消費財で、いずれもブランド力のある商品を展開しているのが特徴です。さらに詳しく

フィリップス

Philips(フィリップス)は、オランダに本拠を置く、家電・ヘルスケアメーカーであり、1891年にヘラルド・フィリップスによって設立されました。照明事業が祖業で、かつては半導体事業等も手掛けていましたが、近年、事業の再構築を行い、現在では医療機器、パーソナルヘルスケアの分野に注力しています。祖業でもある照明・ランプ事業は、フィリップスライティング(現シグニファイ)として分社化をしました。医療機器の分野では画像診断領域に強みを持ちます。家電分野では、電子歯ブラシやシェーバー等のパーソナルケア向けの商品ラインアップを強化しています。電子歯ブラシはソニッケア(Sonicare)ブランドで高機能帯をブラウンのオーラルBと二分しています。2021年に家電事業の一部(掃除機、コーヒーメーカー、アイロン等の家電)を売却しました。さらに詳しく

ジョンソン&ジョンソン

Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)は1887年にジョンソン三兄弟によって創設された米国に本拠を置く世界最大級の日用品・医療機器メーカーです。医療・衛生用品のバンドエイドや綿棒、スキンケア用のベビーローション、オーラルケアのリステリン、一般医薬品、外科関連の手術器具では圧倒的な強みを有しています。続きを読む

ユニリーバ

Unilever(ユニリーバ)は、イギリスに本拠を置く世界を代表する消費財大手メーカーです。イギリスの石鹸会社のリーバ・ブラザーズとオランダのマーガリン会社のマーガリン・ユニが1930年に合併して誕生しました。紅茶、アイスクリーム、食品、化粧品やパーソナルケア分野において強力なブランドを保有しています。紅茶事業は2021年11月に売却を発表しました。さらに詳しく

ライオン

1918年に小林富次郎氏が設立した小林商店が源流です。祖業は石鹸で、現在でも液体石鹸のキレイキレイをはじめとしてトイレタリーは同社の事業の柱となっております。オーラルケアもクリニカ、システマ、デンターといった有力ブランドで事業を展開しています。

GSK(グラクソ・スミスクライン)

1999年にスミスクライン・ビーチャムとグラクソ・ウエルカムが経営統合して誕生した英国に本拠を置く大手製薬メーカーです。中枢系の医薬品に強みを持ちます。医薬品、ワクチンとコンシューマヘルスケアが事業の柱となっています。コンシューマヘルスケアの歯磨き粉では、アクアフレッシュ(Aquafresh)センソダイン(Sensodyne、日本名シュミテクト)や抗炎症剤「ボルタレン」などが主力製品です。2018年に米ファイザーと一般用医薬品(大衆薬)事業の統合を発表、GSKコンシューマヘルスケアが誕生しました。飲料事業(ルコゼード、ライビーナ)をサントリー食品に、抗がん剤事業をノバルティスに160億ドルで売却しました。さらに詳しく

アース製薬

1892年に創業した日用品メーカーです。大塚製薬グループと資本提携をしています。殺虫剤などに強みを持ち、オーラルケア分野ではGSKと業務提携をしています。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

参照した売上高ランキングの情報

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