歯ブラシ業界の世界市場シェアの分析

歯ブラシ業界の世界シェアと市場規模についての分析をしています。コルゲート、フィリップス、ジョンソン&ジョンソン、パナソニック、ブラウン(P&G)等の動向も掲載しています。

世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第4巻」に記載の歯ブラシメーカー各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。

1位 コルゲート 20%
2位 P&G 20%
3位 フィリップス 17%

なおコルゲートとP&G社については、歯ブラシ事業の売上情報の記載がなく、市場シェアの情報のみであったため、歯ブラシ業界の市場規模から逆算した売上高で電動歯ブラシと通常の歯ブラシを合算した市場シェアを計算しております。

市場規模

調査会社のグランビューリサーによれば、2019年の歯ブラシの市場規模は47億ドルです。2026年にかけて年平均6.9%での成長を見込みます。調査会社のインダストリーエーアールシーによれば、2018年の電動歯ブラシの市場規模は28億ドルです。2019年から2025年で年平均7.76%の成長を見込みます。
調査会社のマーケッツアンドマーケッツによれば、2020年のオーラルケア業界の市場規模は458億ドルです。2025年にかけて年平均3.1%での成長を見込みます。
当サイトでは市場シェアの計算にあたり、75億ドルを歯ブラシ業界全体の市場規模としています。

歯ブラシ業界の動向

コルゲート・パーモリーブ(Colgate-Palmolive)

コルゲートは米国に本拠を置くトイレタリー用品大手です。コルゲートブランドは歯磨き粉の代名詞ともなっています。口腔ケア(オーラルケア)の歯ブラシ、マウスウォッシュに加え、トイレタリー、パーソナルケア、ホームケア、ペットニュートリションの分野でも強いです。パーソナルケアの分野ではProtexブランドで有名な液体石鹸、石鹸、ボディウォッシュが、ホームケアの分野では柔軟剤、食器用洗剤は世界トップクラスです。ペットニュートリションはヒルズ(Hill’s)ブランドで展開し、主に動物病院で販売されています。

Procter & Gamble(P&G)

P&G(プロクター&ギャンブル)は、米国に本拠を置く世界最大級の日用品メーカーで、1837年にウィリアム・プロクター氏とジェームズ・ギャンブル氏によって設立されました。日用品業界屈指の商品開発力・マーケティング力を誇っています。取り扱っている分野は、トイレタリー、ファミリーケア、ファブリックケア、ホームケア、ヘアケア、スキンケア、オーラルケアといった広範囲の消費財で、いずれもブランド力のある商品を展開しているのが特徴です。

ベビー・ファミリーケア部門:
おむつの分野では、パンパースブランドを世界的に展開し、業界最大級となっています。製紙・パルプの分野では、ペーパータオル「バウンティ」やティッシュペーパー「パフス」を展開し、クリネックスブランドのキンバリークラーク等と競っています。
ファブリック&ホームケア部門:
洗濯用洗剤のアリエール、柔軟剤のレノア、食器用洗剤のジョイ、エアケアのファブリーズ、柔軟剤のDowny(ダウニー)を展開しています。日用品・トイレタリー分野においては、ユニリーバやコルゲートを抑え、世界シェアトップを誇っています。
ヘアケア・化粧品部門:
ヘアケアのPantene(パンテーン)、ヴィダルサスーン、h&sを展開しています。化粧品分野においては、SK-II等の強力なブランドを有しており、業界内の世界シェアで上位に位置しています。香水分野では、ブランド系各社と提携し、大手の一角を占めています。主なブランドに、HUGO BOSS(ヒューゴボス)、Lacoste Fragrances(ラコステ・フレグランス)、Puma(ピューマ)、Naomi Campbell(ナオミ・キャンベル)、Escada Fragrances(エスカーダ・フレグランス)、Dolce&Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ)等があります。2015年、フレグランスブランドの「Hugo」「Gucci」、カラーコスメティックブランドの「COVERGLRL」「Max Factor」、ヘアカラービジネスの「Wella」「Clairol」をコティに売却しました。
ヘルス部門:
オーラルケアの分野では、Oral Bやクレストなどのブランドを展開し、歯磨き粉・マウスウォッシュともに世界シェアで上位に位置しています。
電動歯ブラシでは、子会社のブラウンがフィリップスと世界シェア1位を争っています。シェーバー・カミソリ業界では、シェーバーはBraun(ブラウン)が、カミソリは2005年に買収したGillette(ジレット)が世界シェア上位に位置しています。
2005年にP&Gが髭剃り大手のジレットを買収しました。P&Gは女性用美容機器に強みがあり、一方、ジレットは男性用髭剃りに強みがあります。傘下に電動シェーバーも保有しています。P&Gは買収によって男性用と女性用美容機器の分野で一気に存在感を示すことができました。当時のジレットは、ジレットモデルという消耗品(カミソリ)の買い替えモデルを確立し、超高収益企業ででした。
  • 参考書
    P&Gウェイ: 世界最大の消費財メーカーP&Gのブランディングの軌跡 [単行本]
    P&G 一流の経営者を生み続ける理由 [単行本(ソフトカバー)]

Philips(フィリップス)

Philips(フィリップス)は、オランダに本拠を置く、家電・ヘルスケアメーカーであり、1891年にヘラルド・フィリップスによって設立されました。照明事業が祖業で、かつては半導体事業等も手掛けていましたが、近年、事業の再構築を行い、現在では医療機器、パーソナルヘルスケアの分野に注力しています。祖業でもある照明・ランプ事業は、フィリップスライティング(現シグニファイ)として分社化をしました。医療機器の分野では画像診断領域に強みを持ちます。家電はキッチン向けやシェーバー等のパーソナルケア向けの商品ラインアップを強化しています。掃除機、コーヒーメーカー、アイロン等の小型家電も手掛けています。パーソナルケアではシェーバーや電子歯ブラシが強いです。電子歯ブラシはソニッケア(Sonicare)ブランドで高機能帯をブラウンのオーラルBと二分しています。

パナソニック

パナソニックは、1917年に松下幸之助氏によって設立された日本を代表する電機メーカーです。松下電工や三洋電機と統合し、総合電機メーカーとして世界的なプレゼンスを有します。アプライアンス(家電、空調、AV機器等)、オートモーティブ(蓄電池、音響機器等)、インダストリアル(電池やモーター等)、ライフソリューション(照明や水まわり等)、コネクティッドソリューションズ(フライトエンターテイメント、航空機向け電子機器、監視カメラ等)といった事業部制に特徴がありましたが、2022年にパナソニックホールディングスを設立し、事業部はホールディング傘下の独立した子会社となる予定です。

業界関連図書
特許情報分析(パテントマップ)から見た「歯ブラシ」 技術開発実態分析調査報告書 (特許情報調査分析シリーズ/業界企業別)
特許情報分析(パテントマップ)から見た「電動歯ブラシ」 技術開発実態分析調査報告書 (特許情報調査分析シリーズ/業界企業別)
歯ブラシ事典
歯みがき100年物語