電気シェーバー・カミソリ・髭剃り業界の市場シェアの分析
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電気シェーバー・カミソリ・髭剃り業界の市場シェアの分析

電気シェーバー、カミソリ・髭剃りメーカーの世界市場シェア・売上高ランキング・市場規模・M&A(合併買収)について分析。フィリップス、ブラウン、レミントン(P&G)、ジレット、シック(エッジウェル)といったシェーバー・髭剃りメーカーの概要も掲載。

【市場シェア】

電気シェーバー・カミソリメーカー各社の2021年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2021年の 電気シェーバー・カミソリ業界の世界シェアを簡易に試算しますと、1位はP&Gとなります。

電気シェーバー・カミソリメーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位P&G24.8%
2位フィリップス9.3%
3位パナソニック7.0%
4位エッジウェルパーソナルケア4.8%
5位レミントン2.0%
6位BIC2.0%
電気シェーバー・カミソリメーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2021年)
電気シェーバーと髭剃りメーカーの世界シェア(2021年)
電気シェーバーと髭剃りメーカーの世界シェア(2021年)

2021年の電気シェーバー・髭剃りメーカーの1位は、2020年に引続きP&Gとなります。電気シェーバーに強いブラウンと替え刃式のジレットの両分野に強みを持ちます。2位はオランダのフィリップスです。近年ヘルスケア事業へ注力をしています。3位は日本のパナソニックです。4位はエッジウェルで替え刃式シック(Schick)ブランドに強みを持ちます。5位はスペクトラムブランズ傘下のレミントン、6位はフランスのBICとなります。

【市場規模】

当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、電気シェーバーとカミソリ業界の2021年の世界市場規模を230億ドルとして市場シェアを計算しております。参考したデータは以下の通りです。

調査会社のプレサイエント&ストラテジックインテリジェンスによると、2021年のカミソリ業界の市場規模は174億ドルです。2030年にかけて2%での成長を見込みます。
調査会社グランドビューリサーチによると、2020年のカミソリ市場の規模は134億ドルです。2025年にかけて年平均9.5%での成長を見込みます。
調査会社のプレサイエント&ストラテジックインテリジェンスによると、2019年のカミソリ業界の世界市場規模は180億ドルとなります。2020年から2030年で年平均2.1%の成長を見込みます。

調査会社インダストリーリサーチによると、2021年の電気シェーバー業界の市場規模は56.7億ドルです。2027年にかけて2.88%での成長を見込みます。
BICによれば、カミソリ業界の中でウェットシェーバーの2019年の市場規模は150億ユーロ、使い捨てシェーバーは40億ユーロです。電気シェーバーには、刃を回転させるロータリーヘッド型と音波振動を出すフォイル(Foil)型があります。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模成長率
2021年174億ドル2%
2020年134億ドル9.5%
2019年180億ドルn/a
カミソリ業界の市場規模推移

【売上高ランキング】

電気シェーバー・カミソリメーカー会社の2021年の売上高ランキング(2021年10-12月の四半期売上高)では、1位P&G、2位フィリップス、3位パナソニックとなっています。パナソニックが遂にシックで有名なエッジウェルパーソナルケアを抜いて業界3位になりました。2021年通年の結果でもパナソニックが3位を維持するか注目があつまります。⇒参照したデータの詳細情報

シェーバー・髭剃り業界の売上高ランキング(四半期ベース)
シェーバー・髭剃り業界の売上高ランキング(四半期ベース)
*2021年11-2022年1月、その他は2021年10-12月の四半期売上高


さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト

ヒゲの日本近現代史
特許情報分析(パテントマップ)から見た「シェーバー(電気カミソリ)」 技術開発実態分析調査報告書
家電業界の市場シェア・売上高ランキング・市場規模の分析

【M&Aの動向】

1984年 ジレットによるブラウンの買収
2003年 レイオバック(現スペクトラム・ブランズ)によるレミントン・プロダクツの買収
2003年 エナジャイザーがシックをファイザーから買収
2005年 P&Gによるジレット(及びブラウン)の買収
2015年 エナジャイザーホールディングスの分社化。シックはエッジウェル・パーソナル・ケア・カンパニー傘下へ

【会社の概要】

Philips(フィリップス)

Philips(フィリップス)は、オランダに本拠を置く、家電・ヘルスケアメーカーであり、1891年にヘラルド・フィリップスによって設立されました。照明事業が祖業で、かつては半導体事業等も手掛けていましたが、近年、事業の再構築を行い、現在では医療機器、パーソナルヘルスケアの分野に注力しています。祖業でもある照明・ランプ事業は、フィリップスライティング(現シグニファイ)として分社化をしました。医療機器の分野では画像診断領域に強みを持ちます。家電分野では、電子歯ブラシやシェーバー等のパーソナルケア向けの商品ラインアップを強化しています。電子歯ブラシはソニッケア(Sonicare)ブランドで高機能帯をブラウンのオーラルBと二分しています。2021年に家電事業の一部(掃除機、コーヒーメーカー、アイロン等の家電)を売却しました。さらに詳しく

パナソニック

パナソニックは、1917年に松下幸之助氏によって設立された日本を代表する電機メーカーです。松下電工や三洋電機と統合し、総合電機メーカーとして世界的なプレゼンスを有します。アプライアンス(家電、空調、AV機器、累計2000億個を売り上げた約90年の歴史を持つ電池等)、オートモーティブ(蓄電池、音響機器等)、インダストリアル(電池やモーター等)、ライフソリューション(照明や水まわり等)、コネクティッドソリューションズ(フライトエンターテイメント、航空機向け電子機器、監視カメラ等)といった事業部制に特徴がありましたが、2022年にパナソニックホールディングスを設立し、事業部はホールディング傘下の独立した子会社となりました。さらに詳しく

Remington(レミントン)

米国に本社を置くSpectrum Brands(スペクトラム・ブランズ)社が展開するシェーバーブランドです。元々は拳銃等も製造するレミントンランド社傘下でしたが、レミントンランド社自体は現在のユニシスに吸収されています。電池のレイオバック、熱帯魚のテトラ、ペット製品のDINGO、鍵のKwikset等のブランドを保有しています。

スペクトラム・ブランズについて

Spectrum Brands(スペクトラム ブランズ)は、2005年に設立された米国に本拠を置くブランド管理会社です。出自は電池メーカー世界大手のRayovac(レイオバック)です。2009年にチャプター11を申請後、2010年に家電や建材を手掛けるラッセルホブズ(Russell Hobbs)と経営統合を行いました。ブランド力のある商品を調理家電、美容家電、ペットフードや殺虫・防虫剤等の分野で幅広く展開しています。2021年に鍵やロック、蛇口配管、ヒンジや引き戸事業をアッサアブロイに売却しました。さらに詳しく

P&G

P&G(プロクター&ギャンブル)は、米国に本拠を置く世界最大級の日用品メーカーで、1837年にウィリアム・プロクター氏とジェームズ・ギャンブル氏によって設立されました。日用品業界屈指の商品開発力・マーケティング力を誇っています。取り扱っている分野は、トイレタリー、ファミリーケア、ファブリックケア、ホームケア、ヘアケア、スキンケア、オーラルケアといった広範囲の消費財で、いずれもブランド力のある商品を展開しているのが特徴です。さらに詳しく

P&Gによるジレット買収のケーススタディ

  • 2005年に米国のプロクター&ギャンブル(P&G)が米国のジレットを買収しました。
  • 買収金額は約56億ドルです。ジレットの終値に対して約18%のプレミアムを乗せた水準です。2,004年のジレットのEBITDAに対して約18倍のマルチプルとなりました。
  • 両社のブランドは補完的と言えます、P&Gは女性向けの美容製品に強みを持つ一方で、ジレットは男性向けの髭剃りに強みを持ちます。
  • さらに、既存P&Gの流通網やマーケティングノウハウを活用する形で、中国、ロシア、トルコなどの地域でのジレット製品の販売も強化予定です。
  • ジレットの替え刃モデルという消耗品で利益を得るというビジネスモデルは、コピー機のトナーや電動歯ブラシ等の分野でも応用されています。
  • ジレットは、1967年に電子シェーバーのブラウンを、1996年には乾電池世界大手のデュラセルを買収氏、事業領域の拡大を図るものの、P&G傘下での更なる成長を目指すこととなりました。
  • 2004年のジレットの売上高は約105億ドル、営業利益は約25億ドルでした。

Schick(シック)

米国に本社を置く替刃式カミソリ大手です。ワーナーランバート、ファイザー、アメリカの電池大手のエナジャイザー・ホールディングス (Energizer Holdings)傘下から現在はエッジウェル・パーソナル・ケア・カンパニー傘下となっています。

貝印

日本の誇る刃物メーカーです。Kai Raizor等のブランドで髭剃り事業を展開しています。独バイヤスドルフのニベアと組んで欧州展開を図っています。

Edgewell Personal Care(エッジウェルパーソナルケア)

エッジウェルパーソナルケアは、2015年にエナジャイザーホールディングスから分社化をして誕生したパーソナルケア会社です。シェーバー(髭剃り)のシック、Wilkinson Sword、Personna、edge、skinmate、グルーミングのBulldog、Cremoや日焼け止めのBanana Boat、Hawaiian Tropic、フェミニンケアのPlaytex、Carefreeなどのブランドを世界展開しています。

BIC(ビック)

BIC(ビック)は1945年に創業されたフランスを代表する筆記具メーカーです。BIC ブランドにて筆記具を世界展開しています。他の事業としては、ライター及びシェーバーとなります。文房具ではニューウェルズブランドと競合しています。使い捨てライターでは高い市場シェアを維持しています。髭剃りではジレットと競合しています。ライターは、電子タバコや加熱式タバコが増加傾向になるため、今後需要が減少していく可能性があり懸念材料です。さらに詳しく

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

参照した売上高ランキングの情報

参照した市場規模の情報

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