ビックの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

ソシエテBICはライター、文具用品、シェーバーを製造するフランスを本社に持つグローバル企業です。1945年創業で、当初はシャープペンシルや万年筆のメーカーでした。1950年代に世界初の使い切りボールペン『ビック・クリスタル』を販売した歴史ある老舗ブランドとして有名です。1973年から消費者向けライター事業を始め、シャーバーを製造し始めたのは1975年です。1950年代からグローバル展開を開始し、2023年現在は主にヨーロッパ、北アメリカ、ラテンアメリカ、中東及びアフリカ、インドを含むアジアオセアニアで活動をしています。

業績推移(年次)

2018年度
売上高は前年度比4.4%減の1,949.7百万ユーロになりました。営業利益は258.7百万ユーロになりました。営業利益率は13%で、前年の18%と比較すると5ポイント下降しました。これは販管費の各項目が全体的に上昇した為です。

2019年度
売上高は前年度とほぼ同額で1,949.4百万ユーロになりました。営業利益は252.7百万ユーロで、営業利益率は13%になりました。営業利益率も前年とほぼ同じ値を示しました。

2020年度
売上高は前年度比16.4%減の1,627.9百万ユーロになりました。全ての製品セグメント及び世界の各セグメント全てで売上が下降しました。営業利益は156.7百万ユーロになりました。営業利益率は10%で、2019年の13%と比較すると3%下降しました。

2021年度
売上高は前年度比12.5%増の1,831.8百万ユーロになりました。世界の各セグメント全てで2桁%以上の伸びを示しました。営業利益は452百万ユーロになりました。営業利益率は25%で、前年の10%から大きく上昇しました。その理由は、クリシーの本社を売却益を計上したこととが主な要因です。

2022年度
売上高は前年度比21.9%増の2,233.9百万ユーロになりました。営業利益は303.5百万ユーロになりました。営業利益率は14%で、前年の25%と比較すると11%下降しました。営業利益率が大きく下降した理由は、2021年度にはクリシーの本社を売却し非経常利益が大きくなりましたが、2022年には大きな非経常利益が無かった為です。

BICの業績推移
ソシエテBICの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比20.9%増の611.4百万ユーロになりました。営業利益は100.8百万ユーロ、営業利益率は17%になりました。

2022年第3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比21.2%増の580.1百万ユーロになりました。営業利益は65.5百万ユーロ、営業利益率は11%になりました。

2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比20.5%増の526.7百万ユーロになりました。営業利益は43.1百万ユーロ、営業利益率は8%になりました。

2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比4.4%増の538.7百万ユーロになりました。前年同期比売上増の理由は、為替変動が要因の一つです。営業利益は70百万ユーロ、営業利益率は13%になりました。

2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は638.2百万ユーロになりました。売上は好調で7%増となり、合計すると前年同期比4%の売上増となりました。営業利益は105.3百万ユーロ、営業利益率は17%になりました。前年同期の営業利益率と変化はありませんでした。

業績推移(四半期)
ソシエテBICの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比19.3%増の5.12ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度比19%増の2.56ユーロになりました。配当性向は50%になりました。

BICの希薄化後EPSの推移
BICのEPS・配当額・配当性向の推移

業績予想

2023年7月
今期の売上高は5%から7%増を予想しています。営業利益も数%の改善を予想しています。

売上構成

セグメントは、ライター、文具用品、シェーバーに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

BICの売上構成(2022年度)
BICの売上構成(2022年度)

文具用品事業
主にボールペン等の筆記用具を製造・販売しています。

ライター事業
消費者向けの使い捨てライターを主に製造・販売しています。

シェーバー事業
使い捨てシェーバーを主に製造・販売しています。

M&A情報

2019年 文房具を手がけるナイジェリア企業 Lucky Stationery in Nigeria を買収
2020年 使い捨てライターを製造するDjeepを買収
2020年 電子ノートを製造する米Rocketbookを買収
2022年 肌の新陳代謝によって消去可能なタトゥー用具を製造するInkboxを買収
2022年 タトゥーシールを製造する米Tattlyを買収
2022年 磁気測定技術を有する仏スタートアップ企業であるAMI (Advanced Magnetic Interaction)を買収

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