医療機器・ヘルスケア機器業界の市場シェア・売上高ランキング・規模

医療機器・ヘルスケア機器業界(CT、MRI、超音波診断装置、外科用機器、医療器具等)の世界市場シェア・売上高ランキング・市場規模について分析。主要医療機器メーカーの概要も掲載。Johnson&Johnson(ジョンソン&ジョンソン)やGE、シーメンス、フィリップスといった巨人に日立、キヤノン、オリンパスが挑む構図が継続。

世界シェア

医療機器・ヘルスケア機器メーカー各社の2021年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2021年の医療機器・ヘルスケア機器業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はメドトロニックとなります。

医療機器・ヘルスケア機器メーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位メドトロニック5.7%
2位ジョンソン&ジョンソン5.1%
3位シーメンスヘルシニアーズ3.8%
4位べクトン・ディッキンソン3.8%
5位フレゼニウス3.7%
6位GE3.3%
7位カーディナル・ヘルス3.1%
8位フィリップス2.8%
9位アボット・ラボラトリーズ2.7%
10位バクスター2.4%
11位オリンパス1.2%
12位富士フイルム0.9%
13位キヤノン0.8%
14位ザルトリウス0.7%
15位テルモ0.6%
16位日立0.3%
医療機器・ヘルスケア機器メーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

医療機器メーカーの世界市場シェア(2021年)
医療機器メーカーの世界市場シェア(2021年)

1位にはコヴィディエンを買収したMedtronic(メドトロニック)が入っております。2位はJohnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)です。3位は分析や実験系機器に強いサーモ・フィッシャー、4位は大型診断機に強みを持つGEヘルスケア、5位には、同じく大型診断機に強いシーメンスから分社化したシーメンスヘルシニアーズとなっています。6位にはインスリン用の注射器に強いべクトン・ディッキンソンが入り、CRバードの買収により更なる上位入りを目指します。

市場規模

当サイトでは、医療機器・ヘルスケア機器業界の2020年の世界市場規模を4500億ドルとして市場シェアを計算しております。参考にしたデータは以下の通りです。

調査会社モルドールインテリジェンスによると、2021年の同業界の市場規模は5326億ドルです。2027年にかけて、年平均5.5%で成長し、同年には7344億ドルへ拡大することが見込まれます。
調査会社のザビジネスリサーチカンパニーによりますと、2020年の同業界の市場規模は4569億ドルです。2015年以降、年平均4.4%の成長率となります。調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによりますと、2020年の市場規模は4322億ドルとなります。2021年には4553億ドルへ拡大し、2028年にかけて年平均5.4%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模成長率
2021年5326億ドル5.5%
2020年4322~4569億ドル4.4~5.4%
医療機器・ヘルスケア機器業界の市場規模推移©ディールラボ

医療機器とは?
医療機器は、主に診断機器、治療機器と周辺機器へと大きく分けられます。診断機はCTやMRI等診断で用いる機器です。治療器はメス、針や注射器等実際の治療で用いる医療器具です。周辺機器はその他の機器を指します。日本のメーカーは主に診断機器に強く、欧米の競合と争っています。医療機器全体では外科の手術関連機器につよいJohnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)が世界シェア1位となっています。

大型医療機器でのポジション
CTの世界シェアはGEヘルスケア、シーメンスヘルシニアーズ、キャノンメディカルシステム(旧東芝メディカルシステム)、フィリップス、富士フイルム(旧日立メディコ)の順になっています。MRIのシェアはシーメンス、GEヘルスケア、フィリップスの順、超音波診断装置はGEヘルスケア、フィリップス、富士フイルムがトップ3となっており、これらの上位陣によって寡占される市場です。

売上高ランキング

2021年度10-12月四半期売上高をベースとした医療機器メーカーのランキングでは、世界1位はシーメンスヘルシニアーズ、2位メドトロニック、3位ジョンソン&ジョンソンとなっています。シーメンスからの分社化上場を果たしたヘルシニアーズが、昨年度の1位のメドトロニックを抜いています。⇒参照したデータの詳細情報

世界の医療機器メーカーの売上高ランキング(四半期ベース)

なお、2021年度10-12月四半期売上高をベースとした国内の医療機器メーカーのランキングでは、1位はオリンパス、2位富士フィルム、3位キヤノンという順位です。グローバルのランキングではトップ10圏外です。⇒参照したデータの詳細情報

国内医療機器メーカーの売上高ランキング(四半期ベース)
国内医療機器メーカーの売上高ランキング(四半期ベース)

M&A

  • 2021年 メデトロニックががインターセクトENTを買収
  • 2020年 オリンパスが気管支内視鏡に強いベランメディカルテクノロジーズを買収
  • 2020年 メデトロニックががメディクレアインターを買収
  • 2019年 富士フイルムが日立の画像診断機器事業を買収
  • 2019年 メデトロニックがEPIXセラピューティクスを買収
  • 2018年 シーメンスがヘルスケア事業をシーメンスヘルシニアーズとして分社化上場
  • 2016年 キヤノンが東芝メディカルを買収
  • 2016年 パナソニックヘルスケアがバイエルから血糖値測定事業を買収
  • 2015年 メデトロニックがアイルランドの手術用品や人工呼吸器大手コヴィディエン買収

医療機器メーカーの概要・動向

Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)

Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)は1887年にジョンソン三兄弟によって創設された米国に本拠を置く世界最大級の日用品・医療機器メーカーです。医療・衛生用品のバンドエイドや綿棒、スキンケア用のベビーローション、オーラルケアのリステリン、一般医薬品、外科関連の手術器具では圧倒的な強みを有しています。続きを読む

GE

GE(ジェネラル・エレクトロニック)は、1878年にトーマス・エジソンによって設立されたエジソン電気照明会社を源流に持つ世界を代表する総合電機メーカーの老舗です。世界シェア1位か2位以外の事業からは撤退するというナンバーワン・ナンバーツー戦略を実施し、積極的な事業ポートフォリオの入れ替えを行うことでも有名です。インダストリアル・インターネットを成長戦略にしたジェフ・イメルト氏が退任した後、2017年に生え抜きのジョン・フラナリー氏が社長に就任したものの、2018年には外部のダナハーからラリー・カルプ氏が招聘され、新CEOとなるなど、経営陣の交代が続きます。2021年にGEをヘルスケア部門、電力・エネルギー部門、航空部門の3社へと分社化することを発表しました。さらに詳しく

 

Medtronic(メドトロニック)

メドトロニックは、1949年に設立された米国に本拠を置く医療機器メーカーです。心臓ペースメーカーの領域において強みを持ちます。2015年にアイルランドの手術用品や人工呼吸器大手コヴィディエンを、2019年にEPIXセラピューティクス、2020年にメディクレアインター、2021年にインターセクトENTを買収し、事業領域の拡充をしています。

Siemens(シーメンス)

シーメンス(Siemens AG)は、ドイツのミュンヘンに本拠を置く大手総合電機メーカーです。1847年に、ヴェルナー・フォン・ジーメンス (Werner von Siemens) によって設立されました。世界初の電車を製造したことでも有名です。事業範囲は電力、交通システム、家電、医療等と社会インフラ全般に及びます。事業のポートフォリオを組み替えながら、モノ作りのデジタル化や産業機器のIoT化を含むインダストリー4.0を提唱し、強力に推進しています。米国のライバルであったGEと同じように再編を通じて、その時々の社会ニーズに即した組織体を作り上げる柔軟性のある経営を行っています。鉄道車両はグループ内のモビリティ事業本部が担当しています。ICEで知られるドイツの高速鉄道も手掛けています。2017年には鉄道車両部門でアルストムと経営統合を発表しましたが、2019年に欧州委員会がアルストムとの経営統合を承認せず遂行されませんでした。鉄道信号にも強みを持ち、上位株主には、象徴としてのシーメンス家が引き続き残っています。さらに詳しく

Baxter(バクスター)

バクスターインターナショナルは、1931年に設立された米国に本拠を置く医療用品大手です。医療機器の分野では腎臓透析装置、輸液、麻酔剤などに強みがあります。

Fresenius(フレゼニウス)

フレゼニウスは、ドイツに本拠を置くヘルスケアグループです。フランクフルト証券取引所に上場しています。病院運営、医療機器、ジェネリック医薬品が事業の3本柱となっています。病院運営ではドイツのレーン・クリニクムやスペイン病院大手であるキロンサルー(Quironsalud)を買収し成長しました。ドイツ国内では100以上の病院を展開しています。医療機器では、人工透析装置や人工腎臓等まで透析関連事業に強みを持ちます。輸液用ジェネリック医薬品、輸液治療薬、臨床栄養製品の開発製造、病院の建設エンジニアリングも手掛けています。さらに詳しく

Philips(フィリップス)

Philips(フィリップス)は、オランダに本拠を置く、家電・ヘルスケアメーカーであり、1891年にヘラルド・フィリップスによって設立されました。照明事業が祖業で、かつては半導体事業等も手掛けていましたが、近年、事業の再構築を行い、現在では医療機器、パーソナルヘルスケアの分野に注力しています。祖業でもある照明・ランプ事業は、フィリップスライティング(現シグニファイ)として分社化をしました。医療機器の分野では画像診断領域に強みを持ちます。家電分野では、電子歯ブラシやシェーバー等のパーソナルケア向けの商品ラインアップを強化しています。電子歯ブラシはソニッケア(Sonicare)ブランドで高機能帯をブラウンのオーラルBと二分しています。2021年に家電事業の一部(掃除機、コーヒーメーカー、アイロン等の家電)を売却しました。さらに詳しく

Cardinal Health(カーディナル・ヘルス)

Cardinal Health(カーディナルヘルス)は、1979年に設立された米国に本拠を置く世界大手の医薬品卸・医療機器メーカーです。卸分野では放射性医薬品に強みを持ちます。使い捨て型の手術用手袋、不職布等の感染防御製品に強みを持ちます。ニューヨーク証券取引所に上場をしています。さらに詳しく

べクトン・ディッキンソン

べクトン・ディッキンソンは、1897年に設立された米国に本拠を置く医療用機器大手です。インスリン用の注射器、カテーテルや白血球の解析機器に強みがあります。2017年に血管疾患や泌尿器向けの機器を提供するCRバードを買収しました。

アボット・ラボラトリーズ

アボットラボラトリーズ(Abbotto Laboratories)は、1888年に創業した米国に本拠を置く医療機器・診断薬・栄養補助食品メーカーです。心血管治療関連に強みがあります。ベビーフードや後発医薬品も展開しています。2016年に米医療機器メーカーでペースメーカーやカテーテル器具に強いセント・ジュード・メディカルを買収しました。ベビーフード事業にはGo & Grow、EleCare、PediaSureといったブランドがあります。さらに詳しく

Thermo Fisher Scientific(サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック)

2006年にThermo ElectronとFisher Scientrificが経営統合して誕生した医療機器・試薬メーカーです。各種分析機器、ライフサイエンス用研究・実験機器などに強みを持ちます。

日本の主要な医療機器メーカー

テルモ、キャノンメディカルシステム(旧東芝メディカルシステム、2016年に東芝からキャノンが買収しております)、富士フイルム(旧日立メディコ)、オリンパスなどが主要な企業です。

富士フイルム

富士フイルムは、1934年に大日本セルロイドの写真フイルム事業がスピンオフして誕生した会社です。写真フイルムでは長らく世界最大級の会社でしたが、カメラのデジタル化やスマホ化が加速度的に進展した結果、フイルム技術を転用することが可能な医薬品・医療機器・ドキュメンテーションといった分野へ事業転換を進めています。デジタルカメラはコンパクトカメラやインスタントカメラに注力しています。
かつての世界を席巻した写真フイルムという成功の罠にはまらず、事業構造の転換を果たしつつあることは、大企業の成長戦略の成功事例として数多くケーススタディ化されています。さらに詳しく

キヤノン

キヤノンは1937年に創業された日本を代表する光学・OA機器メーカーです。カメラ、複写機、プリンター等の分野で業界首位級です。近年はM&Aを駆使して新規領域への展開を図っています。OA機器、イメージング、産業機器等の分野で業界首位級の競争力のある商品群を展開しています。
OA機器のコピー機及び複写機では、ゼロックスやHPと並ぶ業界大手となっています。イメージングであるデジタルカメラ分野では、一眼レフとミラーレスカメラを強化しています。一眼レフやビデオカメラ等の分野にも強みを発揮しています。インクジェットプリンターでは、HPやエプソンと業界首位の座を競います。監視カメラではスウェーデンのアクシスコミュニケーションを買収し、業界トップクラスとなりました。半導体露光装置では、オランダのASML社に差をつけられつつあるものの、ニコンと並び露光装置大手のメーカーです。医療機器業界では、東芝メディカルを買収し、CTやMRIの分野で上位に入ります。さらに詳しく

参照したデータの詳細情報について


このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。
会員の方はログイン下さい。
会員登録はこちらです。