Philips(フィリップス)は、オランダに本拠を置く、家電・ヘルスケアメーカーであり、1891年にヘラルド・フィリップスによって設立されました。照明事業が祖業で、かつては半導体事業等も手掛けていましたが、近年、事業の再構築を行い、現在では医療機器、パーソナルヘルスケアの分野に注力しています。祖業でもある照明・ランプ事業は、フィリップスライティング(現シグニファイ)として分社化をしました。医療機器の分野では画像診断領域に強みを持ちます。家電分野では、電子歯ブラシやシェーバー等のパーソナルケア向けの商品ラインアップを強化しています。電子歯ブラシはソニッケア(Sonicare)ブランドで高機能帯をブラウンのオーラルBと二分しています。2021年に家電事業の一部(掃除機、コーヒーメーカー、アイロン等の家電)を売却しました。
2019年度
売上高は前年度比7.51%増の195億ユーロになりました。営業利益は4.36%減の17億ユーロになりました。営業利益率は8.44%になりました。10億ユーロを超えるフリーキャッシュフローを達成し、継続事業からの調整後1株当たり利益が15%増加、さらに収益性改善は10ベーシスポイントでしたが、逆風もあり、目標には届きませんでした。
2020年度
売上高は前年度比11.13%減の174億ユーロになりました。営業利益は23.11%減の13億ユーロになりました。営業利益率は7.30%になりました。パンデミックが続く中、COVID-19ケアと通常のヘルスケアの両方を提供することで、医療従事者と医療スタッフのサポートを継続しました。その他、遠隔サービスを用いて消費者の在宅サポートも行った取り組みを行った結果、売上高や受注が増加しました。
2021年度
売上高は前年度比0.91%減の172億ユーロになりました。営業利益は56.25%減の6億ユーロになりました。営業利益率は3.22%になりました。1 桁台後半の既存店売上高成長が見られましたが、コネクテッド ケア事業の減少により相殺され、既存店売上高は 1% 減少しました
2022年度
売上高は前年度比3.91%増の179億ユーロになりました。営業利益は-376.49%減の-16億ユーロになりました。営業利益率は-8.58%になりました。中国での売上減少、ロシア・ウクライナ戦争により、既存店売上高は 3% 減少しました。
2023年度
売上高は前年度比1.92%増の182億ユーロになりました。営業利益は92.48%減の-2億ユーロになりました。営業利益率は-0.63%になりました。
2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比9.67%増の54億ユーロになりました。営業利益は2億ユーロ、営業利益率は3.15%になりました。2021 年と比較してCOVID-19関連製品の需要が低下したことから既存店の受注は8% 減少しました。
2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比6.36%増の42億ユーロになりました。営業利益は-6億ユーロ、営業利益率は-13.99%になりました。営業利益の損失は主に、リストラの加速と訴訟の重要なステップに対する引当金によるものです。
2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比7.01%増の45億ユーロになりました。営業利益は3億ユーロ、営業利益率は4.94%になりました。受注残は前年比で引き続き増加しましたが、既存店受注は2022年第2四半期の受注高に続いて減少しました。
2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比3.74%増の45億ユーロになりました。営業利益は3億ユーロ、営業利益率は5.01%になりました。再編と生産性向上の計画は順調に進んでおり、四半期で合計2億5,800万ユーロの節約に成功しました。
2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比6.64%減の50億ユーロになりました。営業利益は0.2億ユーロ、営業利益率は0.47%になりました。既存売上受注は 2023 年に -5%、第 4 四半期は -3%となりましたが、受注高は引き続き堅調となっています。
希薄化後EPSは前年度比72.83%%減の-0.50ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度比0%の0.85ユーロになりました。配当性向は-170%になりました。
2024年12月
2024 年度の業績予想は、引き続き売上高は 3 ~ 5%増、調整後 EBITAは 11 ~ 11.5%増 になると予想しています
祖業の照明事業も売却し、近年ヘルスケア領域に事業を絞り込んでいます。医療機器、コネクティッドケア、パーソナルヘルスが主要事業ですが、さらに製品別のサブセグメントは以下の通りとなります。
診断&治療
磁気共鳴画像(MRI)、X線システム、断層撮影装置(CT)、核医学用の分子・複合イメージングソリューションなどが含まれます。
コネクテッドケア
患者がどこにいても遠隔地や病院内で診断、モニタリング、臨床意思決定支援ソリューションを利用でき、テクノロジーを活用して医師や看護師と健康データを安全に共有することで、必要な場所でコミュニケーションを図り、ケアを提供できるようになります。
パーソナルヘルス
フィリップスのパーソナル ヘルス プログラムは、消費者、患者、医療提供者にとってコネクテッド ケアの新時代を象徴しています。 これらは、複数のデバイスやソースから健康データやその他のデータを収集して分析する、オープンで安全なクラウドベースのプラットフォームである Philips HealthSuite デジタル プラットフォーム上に構築されています。
2016年 照明事業をシグニファイとして分社化上場
2018年 Remote Diagnostic Technologiesの買収
2020年 低侵襲性末梢血管手術用の医療機器メーカーIntact Vascularを買収
2021年 病院向けに医療機器システムの統合を行うCapsule Technologiesを買収
2021年 キッチン、コーヒー、ガーメントケア、ホームケアなどを手掛けるフィリップスドメスティックアプライアンスをHillhouse Capitalへ売却
2021年 遠隔で心臓病の治療サービスを提供するBioTelemetryを買収
2021年 フランス拠点の人工知能 (AI) と クラウド技術会社Cardiologsを買収する契約を締結
2021年 Vesper Medical Incを買収する契約を締結